2015年4月25日にネパール中部地域を震源とするマグニチュード7.8の大地震が発生。さらに続く余震の影響もあり、人々はパニックに陥りました。 当時、緊急救援のため現地に入っていたAMDAグループ代表の菅波は、現地TV局Image Channelの取材を受け、日本の防災について話をする機会を得ました。 これが災害時の報道の役割を考えるきっかけとなり、岡山の山陽放送局のご支援・ご協力を受け、Image channelのスタッフが災害大国と言われる日本で、災害時の報道の在り方や防災について研修を実施することができました。
インドプレートとユーラシアプレートの間に位置するネパールは、大地震の可能性が極めて高い地域として知られていたにもかかわらず、今回の80年ぶりとなる大地震では、災害時の対応や防災対策の不十分さ、防災知識や備蓄の不足が浮き彫りになる形となりました。今後起こり得る巨大地震へ防災意識が高まっている今、今回の悲劇を無駄にしない為にも、ネパール国民の防災の知識を正しく広めていくことが目的です。
AMDAが招待したネパールのImage Channel製作部長、レポーター、カメラマンの3名は、11月16日から23日までの8日間、阪神淡路大震災や東日本大震災の被災地、AMDA本部のある岡山で様々な研修を受けました。
日本に到着し、まず訪れた大阪の毎日放送局、岩手放送局では、実際に被災現場で取材をされた記者やカメラマンから話を伺い、また実際の災害映像を見てネパールの地震の記憶がよみがえり、心が痛みました。この訪問を通じ、日本の放送局でも阪神淡路大震災を境に防災に対する認識が変わり、災害対応についてマニュアル化されたことを知りました。さらに、災害に備えて各自ヘルメットが準備してあり、平時から迅速な報道のために緊急速報用の原稿が用意されていること、緊急取材の役割分担が決まっていることなど具体的な内容を学ぶことができました。 また被災地での取材では、現地に迷惑がかからないように携行用の健康管理キット、食料品の備蓄が整っていることも知り、記者として自分で自分の身を守りながら、取材・撮影をし、報道する大切さ、被災者のことを世界中の人に発信する使命を改めて実感しました。
今回自分たちが地震を経験し、更に日本での研修で災害における報道のあるべき姿と報道関係者としての役割を再認識できた良い機会になりました。