震災後における心理社会的支援
−ボランティア心理カウンセラー養成講座―
2015年4月25日にネパール中部で発生した、マグニチュード7.8の大地震の後に生き延びた被災者は、厳しい居住環境や治安問題を抱えたまま、余震への恐怖や大地震の痛ましい思い出に苛まれる心理的な問題にも直面していた。
アムダは、緊急医療支援活動中に、精神的なサポートが必要な患者が多くいたことに注目し、日本医師会・ネパール医師会・アムダの3者合同支援プロジェクトとして「ボランテイィア心理カウンセラー養成講座」を開催することを決定。6月12日から7月26日までの間に、被災地4ヶ所で精神科医、臨床心理士などが講師となり、計140名に講座を開催した。ボランティア心理カウンセラー養成を目的とした当講座には、被災地域の自治体、病院関係者、教育関係者、マスコミ関係者、その他精神医療を支えるボランティアが参加した。
2月10日にアムダネパール前支部長サロージ医師(精神科医)が来日。菅波代表と共に日本医師会を訪問し、横倉会長、石井常任理事に6月中旬からネパールで開催している、ボランティア心理カウンセラー養成講座プロジェクトの活動報告書を手渡しした。サロージ医師は、精神科医や臨床心理士が少なく、必要とされている被災地での精神医療が行き届いていない現状の中、4回の講座で140人以上のボランティアがカウンセリング技術を学び、地域で精神的障害に悩む被災者にカウンセリングを提供していると報告した。