▼背景
アムダは、1984の設立当初より「救えるいのちがあればどこまでも」を理念に災害や紛争発生時、医療・保健衛生分野を中心に緊急人道支援を行ってまいりました。
新型コロナウイルスの影響による感染が懸念される状況において自然災害が起きた場合、迅速に現地に駆けつけるという支援のあり方に対し、慎重に対応すべき要素があり、これまでの支援の在り方に工夫が必要な状況となっております。
国外活動について、各国政府、保健省の方針に従いスタッフや住民、活動関係者の感染予防に細心の注意を払いアムダの現地主導の考え方のもと、各国支部が国内にて実施しております。
地域保健や母子保健等の活動規模を一部縮小する一方で、全面的な外出規制が敷かれた国においては、生活の術を失った人に対する、食料・物資支援等の必要な支援を実施しております。
国内での災害支援活動は、地元の意向に配慮し、「職員を含む派遣者が感染を広げないこと」「派遣者の安全を確保すること」を基本とし、標準予防策、各機関のガイドラインを参考に対応します。
アムダの活動に引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。
▼基本方針
1. 【活動方針】感染対策を行いながら活動を実施する。各国政府の方針に従う。
2. 【事前想定】想定される事態の洗い出しとその危機管理対応策についてホームページへ掲載。
3. 【情報管理】職員、事務所に出入りしていた人が感染した場合、濃厚接触者となる方への注意喚起という意味で、感染の事実を法人外に公開する。また、危機管理対応策の改善点とともに公開する。
▼重点施策
1.危機管理対応策に基づき情報収集及び適切な対策を講じる。
2.事務所、活動地における標準予防策の徹底(手指衛生、マスク着用)、物理的距離の確保。
3.感染防護具の確保、備蓄、使用。
▼緊急救援に関する、想定される事態と対応
1. 派遣者等が新型コロナウイルスに感染した場合、もしくは派遣者が感染者と濃厚接触があった場合は活動の一部休止等の判断を行う。
2. 支援活動前の、PCR検査実施に関しては偽陽性、偽陰性の可能性も考慮したうえで、実施を検討する。
3. 活動中の感染を防ぐため、各活動でマスク着用を行い、アルコール消毒、検温、体調確認を行う。
また、活動者同士が物理的に距離を取れるよう配慮する。
4. 緊急支援として必要最低限の人数、期間とする。
5. AMDA緊急救援ネットワーク、ボランティアスタッフの参加不参加について本人の意思を尊重する。参加者に対し、当法人の対応方針の説明を行い、同意の上での参加とする。
▼職場環境における危機管理対応策
【感染対策の原則に基づく対応の実施】
感染症は、(1)病原体(感染源)、(2)感染経路、(3)宿主、の3要因がそろうことで感染する。
感染対策においては、これらの要因のうちひとつでも取り除くことが重要であり、特に「感染経路の遮断」は感染拡大防止に重要な対策となる。
【現時点での感染経路】
現時点での感染経路は、飛沫感染と接触感染の2つが考えられている。
※WHOや上海市民生局が発表した、「エアロゾル感染」は飛沫感染に相当すると考えられており、現時点での国内の感染状況からは、病原体が長時間浮遊する「空気感染」の可能性は少ないとされており、職場での対策は上記2点に重点を置く。
1. 飛沫感染対策
【飛沫感染】 感染者が発するくしゃみ、咳などによる飛沫(唾液)に含まれるウイルスが口や鼻、目から入り込むことによって感染すること。
▶AMDAにおける対策
・手洗いの励行
・換気
・屋内で一定の時間、お互いの距離が取れない環境においては、マスクを着用
・密集、密接をさける。会議は可能な範囲でビデオ、チャット等で行う。必要時テレワークを行う。
・災害支援活動時は、適宜フェイスシールド、手袋、医療用ガウン等状況に応じた感染防護具を使用する。
2. 接触感染
【接触感染】 感染者が咳やくしゃみをしたときに手で押さえるとウイルスが付着する。その手で物に触れるとさらに拡散される。このように接触によって感染することを接触感染という。電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど、多くの人が触れる物を通じて感染することが多いとされる。
▶AMDAにおける対策
・身の回りの消毒を行う。毎朝、70%-80%の濃度を維持したアルコールにより、上記に加え、受話器や各自のパソコンのキーボード、頻回に多数の人が触るものを拭く。
3. スタッフが各自、免疫力向上に留意する。
規則正しい生活や食事、睡眠、運動を行う。入浴して体を温めたり、発酵食品をとるなど各自が留意する。