AMDA 理事 難波 妙
ウクライナで人道危機が発生してから 2023 年 2 月 24日で 1 年。AMDA は同月 23 日にこれまでの活動を総括し、今後の活動予定をお知らせするため、報告会を開催しました。当日は、AMDA 理事長の菅波茂に加え、ウクライナとの国境に近いハンガリーで活動した AMDA-TICO(『徳島で国際協力を考える会』)合同チームの吉田純医師、長谷奈苗(看護師・AMDA 職員)、難波妙(調整員・AMDA 理事)が登壇しました。またトルコ地震支援活動中の鈴記好博医師と菊池友枝看護師は、ハンガリーでの支援活動を振り返り、動画でメッセージを寄せました。
AMDA は 2023 年度もウクライナ西部および東部ハルキウで現地協力団体とともに医療支援、物資支援を継続して行います。報告会当日に各協力団体の関係者ならびに派遣者から寄せられたメッセージを抜粋して、以下に紹介します。
■ハンガリーおよびウクライナの現地協力団体関係者より:
「私はウクライナ出身です。現在ハンガリーで産婦人科医をしています。AMDA は、支援物資の提供のみならず、私たちと一緒に活動してくださいました。その後も継続的に支援していただいていることに感謝申し上げます」 (ハンガリー・ヴァルダ伝統文化協会会長 エルデリイ・タチアナ医師)「国境を越えてきたばかりの避難者を対象に医療支援を一緒に行ってきました。AMDA の協力なくして今回の支援はあり得ませんでした。現在、ウクライナ西部に救急車両で月 2、3回赴き、医薬品や食料品、発電機等を届けています」 (ハンガリー・メドスポット財団 アンドラシュ・シュパニック医師)
「今回の人道危機が発生した時、私が住んでいた地域でも戦闘が始まり、退避を余儀なくされました。その後、母、姉と息子の皆でこの施設に避難しました。清潔な住環境の下、必要な支援は全て受けることができました」 (ウクライナ・セントミッシェル小児総合リハビリセンターが支援する避難者)
「2014 年にクリミア危機が発生した時、私は両親とルハンスクに住んでいました。幼稚園に行く際、爆発が起き、私はすごく泣きました。その後、ハルキウに移ることができました。生活は順調でした。それなのに、また、ハルキウに対する攻撃が始まりました。怖い毎日が続いています。ご支援をいただいた日本の皆さんと AMDA にお礼を言いたいです」(ウクライナ・ダイナスティメディカルセンターの支援下にある 13 歳の女の子)
■ 派遣者より:
「2022 年 3 月、ハンガリー・ベレグスラーニーのヘルプセンターで 24 時間の緊急医療対応に携わりました。1 年経っても状況がひどくなっていることを考えると、憤りというか、いら立ちを感じずにはいられません。絶対に武力を解決方法として使ってはいけないと改めて感じています」(吉田純医師)「まだ戦争が続いている状態で、母国ウクライナに帰ることができない方、国内でも大変な生活を強いられている方がいまだに多くいらっしゃると思います。一日も早く戦争が終わることを願っています」(鈴記好博医師)
「日本に帰国後も、常に心では、ウクライナやハンガリーの人たちと一緒にいられたらいいなと思っています」(菊池友枝看護師)
※報告会当日の様子を QR コードから動画でご覧いただけます。