- 災害支援(緊急支援)時系列一覧
- ウクライナ避難者緊急支援活動(2023 年より「ウクライナ人道支援活動」に名称変更)
- トルコ地震被災者緊急支援活動
- パキスタン洪水被災者支援活動
- フィリピン台風22 号(2022 年) 被災者緊急支援活動
- インドネシア・ジャワ島地震被災者緊急支援活動
災害支援(緊急支援)時系列一覧
支援活動 | 活動期間 | 活動実施地域 |
ウクライナ避難者支援活動(2023 年より「ウクライナ人道支援活動」に名称変更) | 22/3/7 〜継続中 | ハンガリー(キシュバールダ、ベレグスラーニー、ザホニー)、ウクライナ |
パキスタン洪水被災者支援活動 | 22/9/20 〜 22/12 | イスラマバード、シンド州 |
フィリピン台風22 号(2022 年) 被災者緊急支援活動 | 22/11/13 〜 14 | ミンダナオ島サンボアンガ |
インドネシア・ジャワ島地震被災者緊急支援活動 | 22/11/25 〜 27 | ジャワ島チアンジュール県 |
トルコ地震被災者緊急支援活動 | 23/2/10 〜継続中 | イスタンブール県、アンカラ県、アダナ県、カフラマンマラシュ県、アドゥヤマン県、マラティア県、エラズー県 |
ウクライナ避難者緊急支援活動(2023 年より「ウクライナ人道支援活動」に名称変更)
◇実施場所: ハンガリー ( キシュバールダ、ベレグスラーニー、ザホニー)、ウクライナ◇実施期間: 2022 年3 月7 日〜継続中
◇派遣者(2022 年度・派遣順): 難波 妙 / 調整員 / AMDA理事、榎田 倫道 / 看護師( 日本・オランダ資格) / Nieuw Unicum( オランダ・福祉施設)、佐藤 拓史 / 医師(日本資格) / AMDA理事、吉田 純 / 医師(日本・ハンガリー資格)/ 岡山大学病院卒後臨床研修センター・TICO、鈴記 好博 / 医師(日本資格) / AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー、長谷 奈苗 / 看護師 / AMDA 本部職員、池田 敬 / 調整員 / AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー、 東島 紋子 / 看護師(日本資格) / AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー、押谷 晴美 / 看護師(日本資格)/ AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー、菊池 友枝 / 看護師(日本資格)/ AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー
◇現地協力者(活動順): 志井田 海 / ハンガリー国立センメルワイス大学医学部、光井 一輝 / ハンガリー国立センメルワイス大学医学部、大堀 裕太郎 / ハンガリー国立センメルワイス大学医学部
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDA 本部、ハンガリー国立センメルワイス大学、ヴァルダ伝統文化協会、メドスポット、セントミッシェル小児総合リハビリセンター、ダイナスティメディカルセンター
◇受益者数(2022 年度):
ウクライナ国外避難者:医療支援753 人、その他(マッサージ・心のケア含む)155 人
ウクライナ国内避難者:食糧・物資支援100 世帯、子どもたちへのクリスマスプレゼント100 人
◇受益者の声:
「私は毎日神に祈ります。それがすべて悪魔のように私たちに起こるのは残念です。」
「ありがとう。本当にありがとう。」
◇事業内容:
2022 年2 月下旬のウクライナの人道危機により、2023 年1 月の時点で1,800 万人が自分や家族を守るため周辺国に避難した。AMDA は2022 年3 月7 日より日本人医師1 人とハンガリー国立センメルワイス大学医学部日本人学生1人が、避難者が避難する隣国ハンガリーでニーズ調査を開始。3 月9 日よりAMDA・TICO 合同医療チームを結成し医療支援開始。10 月までに医師5 人、看護師6 人、調整員3 人の計14 人をハンガリーへ派遣し支援活動を行った。10月15 日より調整員2 人を派遣し、現地主導で支援が行えるように調整、現在も現地協力団体主導のもと支援を継続している状況である。
1ウクライナからハンガリーへの避難者支援
1)ベレグスラーニーでの医療支援
ウクライナの国境を越えてハンガリーの国境の村ベレグスラーニーに避難してくる避難者のために「ヘルプセンター」が設置されている。そこでハンガリーなどの医療者とともに、避難者の診療を実施した。人道危機発生直後は利用者が多く、1 日500 〜 1,000 人ほどがヘルプセンターを通過していた。同センター内にある、ハンガリーの医療団体であるメドスポットが運営する医療コンテナには、多いときでは1 日20 人程度利用していたが、月日が経つにつれ減少している状況であった。訴えとしては、頭痛や内服薬の不足、なかには治療が途中で避難してきた方もいた。現地医療者と協力しながら検査の実施や内服薬の手配、現地の病院への付き添いなど医療支援にあたった。
7 月29 日よりAMDA 看護師がメディカルチェックシートを用いて避難者への健康状態の聞き取りを開始した。医師不在時にすぐに診療が必要と判断した場合や薬の処方が必要である避難者に対しては、近隣の診療所へ付き添いを行った。またウクライナ国内避難中に爆撃等の被害があり、家の中で生活することを余儀なくされ活動量が減った避難者の多くは、下肢浮腫を認め深部静脈血栓症等の恐れがあった。AMDA 看護師は現地ボランティアとともにフットエクササイズポスターを作成、それを用いて避難者に説明し、一緒に実践した。
また、避難してくる多くは子ども連れの母親たちであった。母親は疲弊しているが、子どもの相手や次の行き先への手続き等があり休憩できない様子であった。そのためAMDA スタッフは母親に代わり子どもたちとボールやシール、遊具等で一緒に遊んだ。子どもたちは避難中に心の中に溜めたストレス等を発散し、遊んでいる間に母親は休めているようであった。
加えて、24 時間避難者を支える現地ボランティアの方々の健康相談も受け、対応した。
2)キシュバールダでの医療支援
キシュバールダでは現地協力団体であるヴァルダ伝統文化協会の協力を得て活動した。ヴァルダ伝統文化協会は、ウクライナからハンガリーに避難してきた方々がハンガリーと関係を深められるように、スポーツイベントや料理イベントを開催している。スポーツイベントでは、会場に設置している医療テントで待機し、現地医師やウクライナ人医師・看護師らとともに医療活動を行った。AMDA 看護師は診療の補助や、熱中症予防にジュースや水を配布した。また、7月に実施した料理イベントでは、日本の方々がたくさんの想いを綴った法被を現地スタッフが着て、日本食を振舞った。イベント開催時は外気温が例年に比べて10 度ほど高く熱中症の危険があったため、徳島県から寄付していただいたスポーツ飲料を配布し、熱中症予防に努めた。スポーツ飲料は現地医師やイベント参加者から好評であった。また、暑さで体調を崩すスタッフや避難者がいたため、ヴァルダ伝統文化協会に扇風機を3 台寄贈した。
2ウクライナ国内への支援
1)ウクライナ国内の病院への支援
人道危機を受け、ウクライナ国内でのリハビリ施設が閉鎖し、セントミッシェル小児総合リハビリセンターに患者が集まった。AMDA はリハビリで使用する電気刺激装置の支援要請を受け、寄贈した。それと同時に、リハビリで使用するぬいぐるみなども支援した。また12 月に入り、エアコン等の越冬対策の要請を受け、エアコン3 台を寄贈した。加えてウクライナ国内では停電により、半日から長いときはほぼ一日、電気が使用できないとの情報を得て、ダイナスティメディカルセンターに発電機を寄贈した。
その他にもウクライナ国内の病院施設の家電製品やナイフ・フォークなどの備品が手配できないとの情報を受け、ハンガリーで物資を調達し、寄贈した。
2)ウクライナの国内避難者への支援
AMDA は、ヴァルダ伝統文化協会がウクライナへの物資運搬に使用する車両の一台がレンタカーであることを知った。長期化する事態を鑑み、4 月 8 日、車両を一台寄贈した。また、靴の中で足が蒸れて水虫になる方が多くいるがウクライナ国内で薬剤が入手困難であるとの情報を得て、水虫薬をハンガリーで調達し寄贈した。更にヴァルダ伝統文化協会より、子どもたちへ安らぎと喜びを少しでも提供したいとクリスマスプレゼントの配布について相談があった。AMDAはそれに協力をし、ウクライナ国内で避難する子どもたちへクリスマスプレゼントを渡した。
ダイナスティメディカルセンターよりハルキウ周辺での食糧・物資支援の支援要請を受け、食糧や物資支援を行った。同団体より「本当に感謝している。」とメッセージをいただいた。
トルコ地震被災者緊急支援活動
◇実施場所: イスタンブール県、アンカラ県、アダナ県、カフラマンマラシュ県、アドゥヤマン県、マラティア県、エラズー県◇実施時期: 2023 年2 月10 日〜継続中
◇派遣者(派遣順): 鈴記 好博 / 医師(日本資格) / AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー・坂本病院、菊池 友枝 / 看護師(日本資格) / AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー、カルギ・カディール / 調整員 / 東京都在住トルコ人、榎田 倫道 / 看護師(日本・オランダ) / AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー、米田 哲 / 医師(日本)/ AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー
◇現地協力者: ドュンダル・ハスカルファル/ トルコ在住トルコ人
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDA 本部、トルコ医師会、アドゥヤマン医師会、イスタンブール医師会、そのほか現地ボランティア
◇受益者数: 健康相談97 人、物資支援150 世帯
◇受益者の声:
「来てくれてありがとう。」
「家やものはなんでもない。これは運命だから受け入れられる。しかし、人を失ったのはとてもつらい。」
◇事業内容:
現地時間2023 年2 月6 日未明に、トルコ南部震源とするマグニチュード7.8 の地震が発生した。2 月24 日時点で、死者数44,218 人、避難者数528,146 人に上る。(AFAD:トルコ災害緊急事態対策庁発表)
こうした状況の中、AMDA はトルコ南部での緊急支援活動を開始した。2月11日より派遣者3人( 医師1人、看護師1人、調整員1人)をトルコへ派遣。その後、2 月24 日から27 日にかけて、派遣者2 人(医師1 人、看護師1 人)をトルコへ派遣し、現地協力者とともに活動を行った。
2 月13 日に初期活動において支援を受けた日本医師会の紹介によりトルコ医師会を訪問した。同会会長と面会し、義援金とともに、日本医師会会長松本吉郎氏からの手紙を手渡した。14 日には被災地の医療活動を担っているアダナ医師会を訪問し被害状況を伺った。トルコ南部のニーズ調査を行う中で、アドゥヤマン県が被災状況は甚大なものであるが支援が行き届いていないという情報を得て、アドゥヤマン県を中心として支援活動を開始した。
1物資支援
発災直後に避難され、防寒対策が不十分のまま急いで避難された方へは、冬靴や発熱性の肌着等を提供した。また、イスラム宗教を信仰している方も多く、女性にはヒジャブという顔を覆うスカーフを手配し、お渡しした。子どもたちへは、折り紙や髪飾り等を日本で調達し、学生インターンが可愛くラッピングをしたものを現地に持っていった。子どもたちは、折り紙などで楽しそうに遊んでいた。
また、子どもたちへの駄菓子を現地のお店に買いに行った際に、店主に避難中の子どもへのプレゼントであると伝えると、「ありがとう。」と、目に涙を浮かべておられた。そして、購入した代金はいらないと言ってくださった。今回の支援では、トルコ国内でこうしたおまけや値引き等の対応をしていただくことが何度かあった。
2健康相談
2 月16 日、17 日と、ニーズ調査中に立ち寄った村で健康チェックを行った。また、2 月19 日よりアドゥヤマン県内で実施している巡回診療に同行し、避難者の健康チェックを行った。持病の相談や、避難中に怪我をした方へ適宜対応した。持病の薬が家にあるが、家が倒壊寸前であったり、被災状況を直視することができず家に取りに行くことができない避難者に対しては、AMDA チームが現地医師に依頼し薬を処方してもらい、薬剤を避難者へお渡しした。
普段であれば、何かあればすぐに病院に行ける状態だが、災害時はそれが困難である。現地で活動したAMDA 医師は「災害時は普段よりも精神的ストレスが強く、持病が悪化しやすい環境にある。悪化する前に健康チェックを行い、不安を取り除くとともに適切なアドバイスを行うことが重要である。」と語った。
パキスタン洪水被災者支援活動
◇実施場所: イスラマバード、シンド州(カラチ及び被災地)◇実施期間: 2022 年9 月20 日〜 12 月
◇派遣者: 池田 敬 / 調整員 / AMDA 緊急救援ネットワーク登録メンバー
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDA 本部、AMDA パキスタン支部、NRSP(National Rural Support Programme)、ハムダード財団
◇受益者数: 物資支援725 世帯、医療支援1,000 人
◇事業内容:
2022 年6 月以降、モンスーンによる豪雨や北部山岳地帯の氷河溶解を受け、パキスタン国内では大規模な洪水が多発。8 月時点で死者数1,486 人、負傷者12,749 人、そして176 万軒もの家屋が損壊するなど、深刻な被害となっていた。(パキスタン政府発表)
8 月よりAMDA はパキスタン国内の協力団体と連絡をとり、派遣の可能性を視野に、被災状況や支援ニーズなど情報収集を実施。AMDA は調整員1 人をパキスタンに派遣することを決定した。
1シンド州ジャムショロ県にて食糧支援
9 月23 日より現地協力団体ハムダード財団とともに被災状況や各団体の支援活動の様子を伺った。25 日、シンド州ジャムショロ県では至るころで水がひいていない地域が見られ、依然として避難所のテントや路上で暮らす被災者が多い状況。避難所等に避難せず、被災地域に残られている方々に対し、財団とともに現地で調達した小麦粉や米、砂糖、ダール豆、ひよこ豆、粉ミルク、お茶の葉を入れた袋を225 世帯に提供した。
2シンド州タンド・アッラー・ヤール県にて蚊帳配布
9 月26 日から28 日より現地協力団体であるNRSP の担当者とともに、シンド州タンド・アッラー・ヤール県とミルプルカス県の被災地を訪問した。タンド・アッラー・ヤール保健所やNRSP ミルプルカス県事務所の担当者と面会し、各県の被災状況に加え、マラリアなどの感染拡大の状況を伺った。そして、多くの家が洪水で流され、住人が道路わきにテントやビニールシートなどで簡易的な住まいを作り、雨風をしのいでいる状況にあった。26 日にタンド・アッラー・ヤール県のある村で被災された方々より蚊帳が必要と聞いたAMDA 調整員は、NRSP にご協力いただき、28 日に150世帯に蚊帳を提供した。
3シンド州モロ県、タッタ県、カロ県にて医療支援・物資支援
9 月28 日、AMDA パキスタン支部長を兼任されているバカイ財団のショアイブ・バカイ氏と面会。バカイ氏によると、被災地での主な疾患は下痢、真菌感染症、マラリア、肝炎、高血圧等が多いとのことであった。シンド州の被災地にて医師や看護師等の医療チームによる診療活動や、医療品やテント、食糧等の提供を2 週間に1 度実施しているという情報を得て、医療支援を決定した。10 月から12 月に3 回に渡って緊急支援が行われた。医療支援では下痢や咳、眼に関する疾患等の治療にあたり、必要に応じて下痢止め、咳止めシロップ、目薬等を計1,000 人超の患者に渡した。また、支援物資の配布に関しては、計200世帯余りに米、豆類、小麦粉、ティーバッグ、調理用油などの食糧品のほか、絆創膏や軟膏、抗生物質や衛生用品などが入った救急箱を配布した。
4シンド州タッタ県にて食糧支援
9 月29 日に同県に伺った際に、インダス川周辺に住んでいた住民の多くが川の氾濫により家を失ったという情報を得た。被災者がいた地域は幹線道路から数キロ離れており、食糧や医療サービス等の支援が行き届いていない様子であった。AMDA はハムダード財団とともに、現地調達した小麦や米、豆など入った食糧配給袋を150 世帯に提供した。
フィリピン台風22 号(2022 年) 被災者緊急支援活動
◇実施場所: ミンダナオ島サンボアンガ◇実施日: 2022 年11 月13 日〜 14 日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
株式会社キッカワ(本社: 岡山県倉敷市)ほか現地協力者
◇受益者数: 800 世帯 ◇受益者の声(現地で支援活動にあたられた方からのメッセージより):
「私たちの故郷サンボアンガの街は台風の影響を受けました。家屋損壊の被害があり、ほとんどの地域が浸水しました。全員、そのような災害の備えがなく、川岸の住民の家のほとんどすべてが洪水で流されました。
私たちは、フィリピン人の皆が危機の時に必要な人々を助ける思いやりの心を持って、誰もこの危機で置き去りにされないと感じることができるように、被害に遭った個人、家族に何か分け与えることを計画しました。私たちは800 以上の家族を特定し、食糧やその他の必要な日用品を平等に配給しました。
私たちがAMDA などご支援いただいた団体からの寛大さと恩恵の賜物をお渡しする際、被災された方々の幸せで喜びに満ちた顔を実際に見ることができます。彼らは私たちにもそうですが、特に不屈のサポートと寛大さを持ったAMDA などからのご協力に感謝しています。」
◇事業内容:
10 月29 日、大型の台風22 号がフィリピン・カタンドゥアネス島に上陸、翌日にかけ西に向かって複数の島を横断した。各地で洪水が相次ぎ、フィリピン全体で死者数164 人、負傷者数270 人、行方不明者数28 人、約147 万世帯が被災、一時期80 万世帯が避難した(11 月19 日 フィリピン国家災害リスク削減管理委員会 発表)。
AMDA は29 日、AMDA フィリピン支部や現地協力団体などと連絡をとり、情報収集を開始。そして11 月13 日から2 日間、株式会社キッカワと合同で、大規模な洪水被害にあったミンダナオ島サンボアンガで被災された家族に食糧などを支援した。当初、米や乾麺、イワシやコーンビーフの缶詰、コーヒー・ジュースのセットを500 世帯に提供する予定だったが、予想以上に支援を求める家族が多く、2 日間で約800 世帯に支援した。加えて、毛布や下着、衣類なども配布した。
インドネシア・ジャワ島地震被災者緊急支援活動
◇実施場所: ジャワ島チアンジュール県トゥンギリス村、パシルチナ村、チャリウ村◇実施日: 2022 年11 月25 日〜 27 日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDA インドネシア支部・チアウィ総合病院合同医療チーム19人( 医師5人、看護師7人、薬剤師1人、診療放射線技師2 人、調整員4 人)
◇受益者数: 医療支援700 人、物資支援約20 世帯
◇事業内容:
現地時間11 月21 日午後、インドネシア・ジャワ島西部にてマグニチュード5.6 の地震が発生。インドネシア国家防災庁(BNPB) によると、死者数272 人、負傷者数2,061 人、行方不明者数39 人、そして約6 万以上の人が避難した。また、約57,000 軒もの家屋が半損壊した(11 月25 日発表)。
この深刻な被害状況を受け、スラウェシ島マカッサルにあるAMDA インドネシア支部のアンディ・フスニ・タンラ支部長(ハッサヌディン大学名誉教授)はAMDA 本部に支援を要請。11 月25 日、自身の教え子である西ジャワ州ボゴール(Bogor) の麻酔科医を中心とした医療者たちをAMDA インドネシア支部医療チームとして、被災地であるチアンジュール県に派遣した。
25 日から2 日間は、支援が行き届いていなかったトゥンギリス村とパシルチナ村へ向かった。チームは途中で車両を駐車後、避難テントが集まる避難所を目指し、雨でぬかるんだ道を歩いた。避難所に到着後、被災した方々の診療を開始した。
一つの避難場所に複数のテントが設置されている集落がある一方、まともなテントすらないところもあった。また、雨によりテントの基礎部分が濡れ、老若男女が健康状態の良し悪しにかかわらず、大人数で一つのテントに身を寄せている様子もみられた。医療チームはテントを直接訪れ、計700 人の健康状態を聞いて回った。多く見られた症状は、疼痛や発熱、下痢、呼吸器系疾患、不眠症など。必要に応じて処置や医薬品の処方などを行った。
27 日はチャリウ村を訪れ、インスタントラーメンや牛乳といった食料、石鹸や歯ブラシなどの日用品、そして毛布などを被災した人々に届けた。