AMDA 中学高校生会
概要◇実施場所: 岡山県岡山市
◇実施期間: 1995 年〜継続中
◇事業内容:
AMDA 中学高校生会( 以下、中高生会) は2021 年度、県内中学生高校生36 人県外3 人合計39 人のメンバーで活動した。2020 年度に引き続き、新型コロナウイルス感染予防のため、リーダー、副リーダーを中心にオンラインにて定例会を実施。活動の計画や具体的な内容に関する話し合い、活動後の振り返りなどを行った。
1 AMDA 中学高校生会と黒潮町中学生・高校生の交流事業
◇実施場所: オンライン(AMDA 事務所など)◇実施日: 2021 年8 月24 日(13:30~15:45)
◇参加者: 中高生会7 人、黒潮町立佐賀中学校、大方中学校、高知県立大方高校 合計14 人、他、坂本正人氏(AMDA 参与・気仙沼市南町紫神社商店街事務局長)、林篤志氏(AMDA 緊急救援ネットワーク登録鍼灸師)、常原拓真氏(AMDA 学生会リーダー) 、AMDA 職員3 人
◇事業内容:
2017 年より毎年実施している黒潮町の中学生高校生との交流会だが、2020 年度に引き続き、今年度もオンラインで実施した。
今回は、宮城県気仙沼から坂本正人氏にご登場いただき、10 年前に起こった東日本大震災時の様子について当時の様子やこれまでの復興の様子についてご講演、大災害時、地域のコミュニティの中でリーダーを中心にそれぞれが役割分担しみんなで助け合っていくことの大切さなどをお話いただいた。
その後、中高生会からの活動報告、そして黒潮町の3 校から各校の防災活動の取り組みについて発表があった。さらに大方高校からはオリジナルなHUG(避難所運営ゲーム)を制作され、実際に活用しているものご紹介いただき、災害時に備えるのに参考となった。
◇参加者の声
・「発表だけでなく、お互いの意見交換がありよかった。災害の怖さを共有しなければならない。坂本さんの言われていたことだが、風化が始まっているなど反省点に危機感を感じ、未来に生かさなければならない。地域内で助け合う必要を感じている。」(中高生会)
・「今日のリモート交流会を通して、みんな、自分たちで工夫して防災に対して向き合っているんだなと思いました。今、コロナ禍の中でできる活動は少ないですが、自分たちのできることを探して取り組む姿勢がよかったです。自分たちの学校の取組を知るだけじゃなく、他の中学校や高校の意見も聞くことで、私たちのこれからの活動に生かそうと思いました。」(大方中学校)
・「今回の交流を通して、防災委員会として、より安心でき、地震津波犠牲者ゼロの町づくりを進めていきたいと思いました。子どもから高齢者まで、町にいる人がもっと避難しやすい町になるように今回の交流で話したことや聞いたことを活かしていきたいと思いました。今回は貴重なお話をありがとうございました。」(佐賀中学校)
・「今回の交流会を通して知ることができたのは、今まで私にはなかった新しい考え方です。それは、支援される側にもプライドがあるということです。災害が起こった時、避難してきた人たちにもプライドがあると思うので、避難所運営に活かすことができる考えだと思いました。今日学んだことは、これから地域学の授業でも活かすことができると思います。実際災害が起こった時には、相手のプライドや気持ちを考えて行動しようと思いました。」(大方高校)
2ギニアビサウ共和国へ文房具を送る取り組み
◇実施場所: 岡山県内など◇実施期間: 2021 年9 月下旬〜 10 月25 日
◇参加者: 中高生会メンバー
◇活動内容
岡山県総社市がアフリカ・ギニアビサウ共和国代表のオリンピック選手の事前キャンプをホストタウンとして支援されたことがきっかけで、9 月、総社市が同国へ送る文房具の募集を開始。中高生会もこの取り組みへの協力として、文房具の寄付を募った。
10 月8 日、AMDA スタッフが岡山駅西口連絡通路に立ち、定期的に活動をご報告する「まちかどトーク」にも中高生会メンバーが参加し、文房具の寄付を呼びかけた。同月25 日に寄付を締め切り、27 日、中高生会鈴村宙巧リーダーから片岡聡一市長へのメッセージを添え、集まった文房具を総社市職員にお渡しすることができた。
12 月22 日、中高生会は片岡市長より「ギニアビサウの子どもたちへ必ず文房具を渡します。」という言葉とともに、感謝状を受け取った。鈴村リーダーは「自分たちの取り組みがこのような形で評価され喜んでいただけたことは今後の活動の励みになります。」と話した。
3 AMDA 平和構築プログラム『オンラインによるバングラデシュと日本の学生による平和構築プログラム』
◇実施場所: オンライン(AMDA 事務所、バングラデシュ ダッカなど)◇実施日: 2022 年2 月27 日
◇参加者: 中高生会6 人、バングラデシュ学生8 人 AMDA 学生会4 人、通訳1 人AMDA バングラデシュ支部、AMDA 関係者
◇活動内容:
2020 年にAMDA バングラデシュ支部の協力のもと、現地を訪問し平和構築活動を展開する予定したが、新型コロナウイルス感染拡大などのため海外訪問ができなくなり、2021 年2 月にオンラインで交流会を実施。2021 年度も海外渡航ができないため、引き続きオンラインによる平和構築プログラムを行った。
当日は各国の活動紹介の後、日本からは折り紙や歌の披露、バングラデシュ側からは、国花や文化遺産を紹介。そして「ジェンダー平等」「貧困」「災害」をテーマに各々の考えを共有し、意見交換を行った。すべてのプログラムは原則英語で実施したが、意見交換のセッションでは、中高生会に内容の理解を深められるよう、学生会のメンバーが日英の訳を入れた。結果として積極的な意見交換を行うことができた。言語、文化、社会、環境など全く異なる国で生活している学生たちが平和構築のため自分たちができることを考え、お互いを刺激し合えた交流会となった。
◇参加者の声
(中高生会)
・「 今回のフォーラムは私にとって、とても学ぶべきものが多かった様に思います。事前準備の段階から、バングラデシュと日本の学生では考えが大きく異なるだろうと思っていましたが、予想を遥かに超えた社会や貧困問題、そして彼らの意識の高さに驚かされました。同時に、自分の見ていた世界がいかに主観的であったかにも気付くことが出来ました。」
・「私は、平和は1 人では解決できないと考えているため、このような、国境を越えて平和について語り合うことで、世界に少しでも届けられる、広められるのではないかと考えました。この交流をもとに、自分の考える平和について客観的に見つめ直し、少しでも多くの人に耳を傾けてもらえるような、広まっていくような意見にできたらなと感じました。」
(学生会)
・「私はAMDA 学生会として会に参加し、AMDA 中学高校生会の事前の準備や当日の司会進行などを主に行いました。プログラムの参加は昨年度に引き続き2 度目となるため、前回の反省点を活かし、その場で当日意見交換するだけではなく事前にディスカッションのテーマを設定しより深く考えられる期間を設けました。そのため当日はスライドを用いて意見交換ができ、また3名の大学生の通訳を交えスムーズにディスカッションが行え、非常によかったと感じました。このような国内外の同世代と繋がれる機会を設けてくださり、感謝申し上げます。」
(バングラデシュの学生)
・「平和構築とは、人々が話し合い、関係を修復し、そして慣習を改善することを促す、長期にわたる手段です。日本とバングラデシュの生徒が平和な未来を作り上げようと試みるAMDA の平和構築プロジェクトも、この一手段と言えます。平和構築における男女の権利、災害などの点は、調和のとれた生活を実現するにあたってとても重要になります。このプロジェクトに関われたことは、私にとってたいへん素晴らしい経験となり、私はたくさんの貴重なことを学ぶことが出来ました。最後に、「平和は笑顔から始まる」という言葉をもって、終わりとしたいと思います。ありがとうございました。」