新春のご挨拶(2022/01発行ジャーナル冬号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

新春のご挨拶(2022/01発行ジャーナル冬号)

AMDA理事長 菅波 茂
 
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年は、新型コロナウイルスによるパンデミックに加え、国内外で多発している災害被災者支援活動に明け暮れました。この対応ができたのも皆様方のご支援の賜物と心から感謝しています。

AMDAは、「困った時はお互いさま」の相互扶助の精神を大切にしています。2020年にマスクが日本のみならず中国でも不足した時には、AMDAネパール支部が北京日本人倶楽部にマスク1万6,000枚を直接送ってくれました。ネパール政府がマスクの海外輸出を禁止するぎりぎりのタイミングでのことでした。

あまり裕福とは言えないAMDAカンボジア支部からも、温かいメッセージとともに、2,000枚のマスクの寄贈を受けました。リティ支部長の人脈とAMDAの活動の神髄を感じました。これにより、AMDAは国内における災害支援の協力提携先、そして大規模災害時の協力医療機関で感染予防用の物資を希望されていた合計42の医療機関にマスクと消毒用アルコールを提供することができました。

国内の新型コロナ対応では、北海道旭川市、岡山県、沖縄県等の自治体からの要請を受け、看護師を主として派遣。彼らが持つ医療職としての使命感には、本当に頭の下がる思いです。

 

AMDAインドネシア支部タンラ支部長と(2018年)

海外では新型コロナ感染拡大防止のための厳しい規制の中、大規模な自然災害が次々と発生しています。特にインドネシアとフィリピンでは、豪雨や台風による被害が頻発している状況です。災害時に緊急支援活動を行う場合、そのほとんどはAMDA支部単独の活動ではなく、支部長や顧問の貴重な人脈を活かした合同活動となっています。

彼らの人脈が具体的にどのようなものであるか、私個人は詳しくは存じ上げません。しかし、災害時のようなひっ迫した状況になると、様々な人や団体との協力体制が自ずと形成されます。AMDAは「ローカルイニシアチブ」というコンセプトを大切にしています。それは被災した国にあるAMDA支部による解決方法を尊重することです。

 

フィリピン大統領府にてエバスコ長官と(2017年)

尚、AMDAの1984年設立から現在までの活動の集大成となる「世界災害医療プラットフォーム:アジア・大洋州版」を目下構築中です。このプラットフォームは国連、各国政府、各国医師会、大学、NGOおよびNPO、公益団体、企業の7者連携によって構成されるものです。次の機会には、皆様方にその詳細についてご報告したく思っています。

本年も世界の人たちと協力し合って頑張ります。ご支援をよろしくお願いします。