AMDA国際医療情報センターより新年のご挨拶 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDA国際医療情報センターより新年のご挨拶

特定非営利活動法人AMDA国際医療情報センター 理事長 小林米幸

皆さま、新年あけましておめでとうございます。昨年は早々から新型コロナウィルスの感染が騒がれはじめました。対岸の火事と思っていた感染の流行もあっというまに全世界へ野火のように広がってしまいました。欧米では感染者、死亡者が際立って多い国もあり、アジア諸国との違いに驚きを隠せなかった時期もあります。3月に始まり、5月には回復するであろうと思っていた各国との行き来も、8月、10月と延び延びになり、第三波に襲われた現在に至っています。新型コロナに襲われたことは悲しむべきことですが、国内感染者の増加を契機に、国内にいる外国人居住者に対する言葉や生活などのさまざまな支援策が国、厚労省、都道府県単位で考えられはじめたことは不幸中の幸いといえるかもしれません。願わくば、これらの雨後のたけのこのように乱立気味の外国人に対する支援が、外国人からみて利用しやすいように、また外国人と接する医療機関、医療従事者にとっても利用しやすいように、適切に運用されることを祈るばかりです。

この文を書いている1月4日の時点での全国での感染者数は3000人台で、急に減少する気配はありません。私自身、自分のクリニックで12月29日から1月3日まで毎日4時間、海外渡航と発熱患者の診療をいたしました。2日から3日にかけては市内のフィリピン人の従業員が6人、PCRで陽性。狭い空間に何人もが住んでいる彼らの中で広く感染が進んでいる実態を垣間見ることになりました。フィリピン人コミュニティの中に広く不安が広がっており、陽性者やその家族、コミュニティに適切な「指導」が届くのか、厚労省や県が用意した前記の医療通訳システムの成果が問われることでしょう。

AMDA国際医療情報センターも今年、「誕生30年」を迎えます。人間で言えばもはやよちよち歩きではなく、社会を支える役割を果たす年齢です。常に設立のときの気持ちを忘れず、目標を見失うことなく、日本人も外国人も等しく住むことができる日本であってほしいという願いを込めて、事務職員、電話通訳相談員ともども活動を続けていきたいと思います。新年にあたり、支えてくださる多くの方々、行政や医療機関、医師をはじめとする医療従事者等に心から御礼申し上げる次第です。また、昨年は新型コロナの外国人緊急支援対応に対し日本医師会よりご支援をいただきました。さらに、企業の社会貢献を推し進める団体のご紹介で複数の企業からの支援をいただくことができました。横倉義武日本医師会名誉会長(当時会長)様、松本吉郎外国人医療担当常任理事様、および高橋陽子日本フィランソロフィ―協会理事長様に、この場をもって深く感謝の意を表したいと思います。
 

令和3年1月4日
 

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