平成30年度全日本病院協会救急災害訓練に参加しました。 – AMDA(アムダ)
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平成30年度全日本病院協会救急災害訓練に参加しました。

南海トラフ災害対応プラットフォーム合同対策本部 副本部長 三宅 孝士

2019年1月19日、平成30年度全日本病院協会救急災害訓練が全日本病院協会・全日本病院協会徳島県支部・ホウエツ病院主催、徳島県医師会・徳島県・美馬市共催でホウエツ病院及び4つの会場で実施されました。

全日本病院協会は、災害時医療支援活動班(AMAT)を持ち災害時の急性期~亜急性期において災害時要援護者にも配慮した医療救護活動を実施できる医療チームとして協会会員病院支援・災害時要援護者支援・患者の病院間搬送を担います。

徳島県美馬市は公的病院が無く小規模民間病院のホウエツ病院が二次病院を担っています。県内の基幹病院、地域の医療、介護、福祉と常に連携を取っており南海トラフ災害が起きた際、これらの連携をどう活かし急性期から対応していくかを中心に訓練は進みました。このホウエツ病院の林秀樹理事長には、AMDA南海トラフ災害対応プラットフォームの運営委員長をして頂いており、AMDAも徳島県・美馬市と協定を締結し災害支援に入る予定となっていることから一昨年に引き続き、今回の訓練に参加する運びとなりました。


AMDAからの参加者

AMDA災害鍼灸ネットワーク代表世話人(帝京平成大学) 今井賢治氏

朝日医療大学校 副学校長 山口 大輔氏 に調整員として参加いただきました。

(当初予定されていた、倉敷平成病院板谷事務長は都合により参加が叶いませんでした。)

AMDA本部からは

橋本千明(看護師) 岩尾智子(調整員) 大西 彰(調整員) 神倉裕太郎(調整員) 三宅孝士(調整員)

が参加しました。

美馬市災害対策本部での到着報告の様子









四国は発災当初、外からの陸路・海路を使用した支援は難しい事が予想されています。特に徳島県民は約87%が沿岸地域に居住し、自衛隊・海上保安部・防災ヘリ・警察ヘリ・ドクターヘリが1つに統制されお互いが連携しなければ被災された方々を搬送できません。この中で緊急の医療を要する方をホウエツ病院ヘリポートへ空輸、また徳島県内で対応困難な方を県外へ搬送します。AMDAは地元の相互扶助組織である「地域連携の会~絆~」との関わりが強い福祉避難所として指定されている「特別養護老人ホーム家康」で福祉避難所の救護室立ち上げ及び施設内の巡回を担当し、緊急医療が必要な方をホウエツ病院へ搬送するという訓練を行いました。

これらを実現する為に徳島県・美馬市・徳島県西部総合県民局・関西広域連合・美馬保健所・徳島県警察本部・美馬警察署・美馬市消防本部・DMAT・陸上自衛隊第14旅団・徳島県消防防災航空隊・海上自衛隊・徳島県医師会・地域連携の会~絆~・AMATなどが集まった大規模訓練となりました。



<想定>

平成31年1月19日(土)午前5時22分、和歌山県南方の南海トラフ付近にてマグニチュード9.0の地震が発生し、徳島県内で震度7を記録した。

同県内においては地震による家屋の倒壊・沿岸部における津波等により、大きな被害を受けた。東部・南部地域においては、主要道路を含み、道路等は流入瓦礫・倒壊物等により通行不能となっている。


<AMDAチームの動き>

1月19日(土)午前10時に岡山の本部を出発し吉野川市のさくら診療所に集合・ミーティング後、13時30分美馬市役所に出向き市役所内に設置された美馬市災害対策本部へチーム到着を報告、福祉避難所での救護室立上げの指示を受けました。14時20分「家康」に到着、同時に「家康」が福祉避難所として立ち上がることとなりました。医療チーム到着前より避難所へ続々と避難者がやってきており、施設は電気、ガス、水道は使用不可という設定で実際に停電の中訓練が開始となりました。まず福祉避難所内で「家康」の職員の方に施設をご案内頂いた後、避難所内巡回・救護室と2チームに分かれ活動を行いました。

チームは持参した電源を使用して照明を確保、その後救護室の立上げ、施設内の巡回、急病患者の対応、通信機器(衛星携帯電話)を使用した報告訓練等を実施しました。

一昨年の経験を踏まえ、「家康」内での施設職員さんとの情報の共有や他組織への連絡等、動きがよりスムーズに行えたと思います。







訓練参加者(調整員)からは「AMDA本部や現地の対策本部等との連絡のタイミング・方法がわからず、出来ていない部分があった。」「今回のような訓練はかなり有意義だが、事前に何をするか(調整員の役割)を共有する研修会・ワークショップなどの機会を設けるとより訓練が充実できるのでは。」と振り返りがありました。発災後可能な限り早い段階での避難所医療支援を目指すAMDAにとっても避難所内外での効率の良い患者情報の共有、災害対策本部との連絡共有という課題も明らかになり今後に繋げていきたいと考えています。

また、調整員としての役割・業務内容について今後、ワークショップ等を利用して参加者に必要な知識・技術を修得していただく必要性を強く感じました。

徳島県西部総合県民局での医療調整会議









なお、当日は訓練前に南海トラフ発災時に徳島県側の後方支援拠点となる吉野川市のさくら診療所に立ち寄り、吉田診療所長との面会・備蓄倉庫の確認作業を行いました。