台風19号被災者緊急支援活動
◇実施場所: カタンドゥアネス州ヴィラク町・サンミゲル町
◇実施時期: 2020年11月2日〜11月27日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDAフィリピン支部、AMSA(アジア医学生連絡協議会)ジョネルタ支部、カタンドゥアネス州立大学
◇受益者数: 764世帯
◇受益者の声:
「私たちの住んでいる地区まで支援を届けてくれてありがとうございます。AMDAは大変な状況にある被災者に手を差し伸べてくださいました。本当に助けが必要な時にありがとうございます。」
◇事業内容:
活動地にむけ悪路を進む支援チーム
11月1日早朝、勢力の強い台風19号がフィリピン東部カタンドゥアネス州に上陸。翌2日、AMDAフィリピン支部からの連絡を受け、AMDAは緊急支援活動を行うことを決定。通過後数日は台風の影響で一般の電話やインターネットなどコミュニケーション手段が遮断され、メディアやSNSで流れる情報が全てだった。
現地協力団体として医学生団体であるAMSAジョネルタ支部とカタンドゥアネス州立大学も加わり、被災地のニーズに沿って物資を購入。それらを小分けにし、各世帯に配布しやすいよう現地協力団体が中心となり準備した。支援物資は米、イワシや肉の缶詰、焼きそば、インスタント麺、ビーフン、ビスケット、チョコ、キャンディーなどの食料品と石鹸。活動期間中、物資の配布予定地への道が地すべりにより通れず、支援の対象地域を変更したり、後続の台風による影響から支援の日程を変えざるをえない状況にあったものの、現地協力団体らによって、4度に渡り食糧・物資配布を実施。カタンドゥアネス州ヴィラク町とサンミゲル町に住む計764被災世帯に物資を届けた。そして、支援活動は11月27日をもって終了した。
台風22号被災者緊急支援活動
◇実施場所: カガヤン州ペニャブランカ町・エンリレ町・ツゲガラオ市、イサベラ州イラガン市・トゥマウイニ町
◇実施時期: 2020年11月14日〜11月30日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成:
AMDAフィリピン支部、フィリピン開発安全女性委員会(WiNDS)、ルソン緊急支援チーム(LCAT)、AMSA(アジア医学生連絡協議会)フィリピン支部、フィリピン市町村保健官協会(AMHOP)イサベラ州支部、他多数の現地協力団体
◇受益者数: 医療支援 365人、物資支援 1,433世帯
◇受益者の声:
「この辺りの、中心部から離れた地域には、特に支援を必要としている人がたくさんいます。」
◇事業内容:
11月11日夜、台風22号がフィリピン・ルソン島に上陸し、通過後もルソン島全土で大雨や洪水被害が相次いだ。AMDAフィリピン支部とフィリピン開発安全女性委員会(WiNDS)の要請により、AMDA本部は緊急支援活動を行うことを決定。協議の上、ルソン島北部のカガヤン州・イザベラ州で医療・物資両面から支援を行えるよう準備を開始した。
AMDAフィリピン支部と現地協力団体であるルソン緊急支援チーム、AMSAフィリピン支部など学生が中心となり行った緊急支援活動は、11月20日から22日までにカガヤン州ペニャブランカ町、イサベラ州イラガン市とトゥマウイニ町内の計6地区で食糧や石鹸などの衛生用品を566世帯に配布した。コロナ禍であったため、AMDAフィリピン支部メンバーが病院を離れられない中、地元の大学生が中心となり物資の購入、準備、自治体との調整、運搬から配布まで行った。
WiNDSと現地協力団体であるフィリピン市町村保健官協会イサベラ州支部が中心となり行った緊急支援活動は、事前に地元自治体との調整を重ね、支援が届いていない地域を優先して実施した。11月28日と30日の2日間で、カガヤン州エンリレ町、ツゲガラオ町、イザベラ州トゥマウイニ町内の計4地区で活動し、のべ約70人のボランティア(医師、看護師を含む)からなる現地チームが、米などの食糧、衛生用品、バケツなどを867世帯に配布した。また、医療支援活動では365人を診察し、薬の処方が必要な慢性疾患の方、上気道感染症や皮膚感染症の方が多くみられた。
活動後、AMDAフィリピン・ナバロ支部長は「今回もまた緊急支援活動を通じて、私たちはローカルイニシアチブの重要性を改めて認識し、国境を越えた相互扶助の意義を力強く訴えることができました。この中に私達フィリピン人の誇りであるバヤニハン(相互扶助)の精神が息づいていることは言うに及びません。」と話した。