2020年度年次報告 教育支援 グローバル人財育成事業(2021/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2020年度年次報告 教育支援 グローバル人財育成事業(2021/7発行)

AMDA中学高校生会

概要

◇実施場所: 岡山県岡山市、オンライン

◇実施時期: 1995年〜継続中



◇事業内容:

AMDA中学高校生会(以下、中高生会)は2020年度、県内中学生高校生38人、県外3人合計41人のメンバーで活動した。リーダー、副リーダーを中心にほぼ毎月定例会を開催、活動の計画や具体的な内容、一つの活動が終われば報告会や振り返りを実施した。しかしながら、今年度は新型コロナウイルス感染予防のため対面での会は開かずオンラインで行った。今年度の活動は以下の通り。

 

1)高知県黒潮町中学生高校生と防災教育取り組み交流会

◇開催場所: オンライン (AMDA本部及び高知県黒潮町役場内)

◇開催日: 2020年10月24日

◇参加者:

中高生会4人 黒潮町立佐賀中学、黒潮町立大方中学、高知県立大方高校各6人、 他黒潮町、AMDA関係者



◇参加者の声:

(中高生会)

「黒潮町の中高生との交流会はお互いの活動への理解も深まり、交友関係を築く点からも非常に意義があったように考えている。まさに、自分ごととして災害への対応に取り組んでいる姿勢は見習いたいと感じた。学びを活かして、身近なところから地域、特に中高生の防災・減災に対する意識の向上を図っていきたい。」



(黒潮町大方高校)

「AMDAの中高生や黒潮町の中学生の活動について今回たくさんのことを知り本当にすごいと思った。一番意味があることは交流したこと自体。これからも一緒に考えていきたい。」



(黒潮町大方中学校)

「今はコロナの影響で対面の交流はできない。リモートでおこなう機会は大切。今回の交流で南海トラフ地震発生時、どのような対応が行われるか知ることができてよかった。」



(黒潮町佐賀中学校)

「AMDAとの交流は初めての参加で、今年はリモートの交流会だったがとてもよい機会だった。いろいろな人との交流を大切にしていきたい。大方中、高校、保・小・中・高が合同で避難訓練をし、自分だけでなく他の命も気遣うことができる心が生まれると感じた。自分たちも参考にして防災活動を充実させていきたい。」



◇事業内容:

2017年より毎年、黒潮町の中学生高校生との交流会を行ってきたが、今年度は新型コロナウイルス感染予防のためオンラインで実施した。交流会に際し松本敏郎黒潮町長からのご挨拶からスタートした。中高生会からは2019年に東北を訪問し感じたことや2020年の熊本豪雨災害の支援活動に参加した看護師からの報告をまとめ、中高生ができる防災の取り組みをより深く考える必要性を報告した。また黒潮町からは佐賀中学校、大方中学校、大方高校よりそれぞれの取り組みを活発に報告した。今後もSNSなどを使い顔の見える関係を継続していく予定。

 

2)AMDA中学高校生会によるオンラインフォーラムの取り組みについて

「AMDA平和構築プログラム:OnlineForumforWorldPeacefromBangladeshandJapan」

◇開催場所: オンライン (岡山県国際交流センター(岡山市北区)及びバングラデシュ ダッカ)

◇開催日: 2021年2月28日

◇参加者: 中高生会12人、バングラデシュ学生10人 他学生会2人、通訳1人、AMDAバングラデシュ支部、AMDA関係者



◇参加者の声:

(中高生会)

「先輩方の海外での平和構築プログラムの体験を聞いて参加したいと考えていたが都合が合わず、今回オンラインという形ではあるものの初めて参加することができた。やはり、実際に同世代の海外の方との平和に関する交流というのはなかなかできる体験ではなく、自分にとって大きな経験となった。特に互いに自分たちの平和に関する歴史や文化などを共有でき、互いの文化や歴史的な違いなどといった大きな発見をすることができたと思う。歴史や文化が違えど平和を求める思いというものが共通するものであるのだということを強く実感した。」



「新型コロナウイルスにより現地に行って交流することは出来なかったものの、リモートという形でも交流ができたことを本当に嬉しく思った。バングラデシュの学生から地形や気候、問題点や課題を聞いた時に日本と異なる点がたくさんあったが、「自分が思う平和」について聞くと私たち中高生会で出た意見と共通することばかりだった。国は違ってもお互いを尊重し合い、手を取り合って生きる世界を願う気持ちが同じだということを知れたことがなによりも嬉しかった。この思いが同じということは世界というとても広い空間であってもいつかはみんなが願う平和を実現できると思う。」



(バングラデシュの学生たち)

「この現在の新型コロナウイルスの状況で私たちが集合することは不可能だったが、AMDA本部の段取りは素晴らしかった。日本の文化はとても魅力的で、AMDAの学生はとても活発だった。私は多くの貴重なことを学ぶことができた。今回のAMDA平和構築プログラムをきっかけに、AMDAバングラデシュ学生クラブが結成され、「開かれた相互扶助」の理解をもって活動を開始した。日本とバングラデシュのように、国家間の真の平和は、人々の魂の中に真の平和があるときにのみ起こると思う。」



「AMDA平和構築プログラムに参加できて本当に良かった。このプログラムでたくさんの日本人学生と出会い、彼らの文化を学ぶことができた。この機会を与えてくれたAMDAバングラデシュ支部に感謝。今後、AMDAバングラデシュ支部とのセミナーにもっと参加したいと思う。」



◇事業内容:

中高生会はスリランカでの平和構築活動に参加し今年度はバングラデシュでの活動を予定していたが、新型コロナウイルス感染予防のため現地の訪問を中止しオンラインの活動に切り替えた。活動内容として先ず自己紹介を兼ね平和についての思いをそれぞれ絵で紹介。自分がそれぞれの国の歴史や文化など紹介しあう。そして平和についての考えや今後の世界平和についてお互いプレゼンテーションで理解しあい今後に繋げた。

 

AMDA菅波理事長、AMSAJapanメンバーとオンラインミーティング

◇開催場所: オンライン

◇開催日: 2020年9月29日

◇参加者: (AMDA本部)菅波茂/AMDA理事長、難波妙/AMDA理事

(AMSAJapan)メンバー約10人

◇参加者の声:

(AMSAJapan代表 宮井秀彬さん(当時自治医科大4年))

「話を聞いているうちに、みんなのめり込んでいっている様子が感じられましたし、菅波先生もみんなに質問しながら話を進めてくださったので、聞き手の役員も楽しみながら聞いていたと感じています。」



◇事業内容:

9月29日、AMSAJapanのメンバー約10人が菅波理事長とオンラインでミーティングを行った。AMSA(アジア医学生連絡協議会)は1980年に菅波理事長らが設立し、アジアを中心に各国の医学生が保健医療の向上を目指して集う団体。今回のミーティングでは各メンバーの自己紹介の後、菅波理事長が22歳のころ、大学紛争の嵐が全国に吹き荒れた間、1年間休学して、紛争前の平和な時代のアジアを放浪する中で、それぞれの国の環境や医療事情を視てきた経験が今のAMDAの災害支援に活かされていることなどを紹介した。その上で、これまで40年に渡って培ってきた自らの学びから得られた、「災害支援のコンセプト:ネガティブリスト」や「援助を受ける側にもプライドがある」など、人道支援活動の物の見方や考え方を、様々な切り口でメンバーに語りかけた。

 

AMDAインターン

四宮 愛子さん (徳島大学 学生)

◇実施場所: オンライン

◇実施時期: 2020年8月24日〜9月30日



◇インターンの声:

「AMDAを知ったきっかけは、徳島大学にあるA-TIMSというサークルに参加したことです。このサークルは国際医療や国際協力に興味がある医学部生が参加するグループです。そこでは、国際医療に携わる様々な人々の話を聞く機会があり、その一つがAMDAでした。現在学生という立場の私でも、何か国際協力や災害医療に携わることができないかと考え、夏休みの長期休暇を利用して、インターンシップに参加しました。携わった業務は、国際フェスタでのAMDAの広報活動、防災関連のスライド作成やインド関係の記事を日本語へ翻訳(ウェブ用)することでした。短い期間でしたが、AMDAのインドでの支援や日本での災害支援、活動意義について知ることができました。また、スライドを作成することによって日本の防災について改めて勉強する機会となりました。自分の知識や考えを広げることができました。自分のペースで無理なく参加させていただき、感謝しています。また機会があれば共に活動したいと考えています。」

 

道広 咲さん (就実大学経営学部 学生)

◇実施場所: AMDA事務所及びオンライン

◇実施時期: 2020年9月14日〜11月19日(内35日間)



◇インターンの声:

「今回は新型コロナウイルス感染防止対策として、週1日のAMDA事務所での活動以外はテレワークでインターンとして入りました。「令和2年7月豪雨(熊本県球磨地方)被災者緊急支援活動」の報告書作成に加え、AMDAについて週一回SNSで配信すると同時に、AMDAホームページ内の「ボランティア募集ページ作成」も担当させていただきました。



今までの経験を活かしつつも、状況に応じて支援を受ける側に寄り添い、臨機応変に対応することの大切さや、色々な人が協力して活動を行う上で「パートナーシップ」がいかに重要であるか、外部の人に分かりやすくAMDAの活動、それに対する思いを伝えることの難しさなど、多くのことを知り、学びました。この2か月で、今まで縁のなかったボランティアのことや、災害支援の実態に触れることで沢山の「知らなかった世界」に出会え、今まで何事にも消極的だった自分の変化も感じることができました。」