モンゴル内視鏡研修事業 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

モンゴル内視鏡研修事業

東亜大学医療学部教授佐藤拓史医師(モンゴル国立医科大学招聘教授、消化器科スーパーバイザー)が3月15日から26日の日程でモンゴルを訪問し、モンゴル国立医科大学で内視鏡研修を行いました。

モンゴルでは、胃がん発生率が高く、死亡者数は肝臓がんに続いて二番目。モンゴル国民の健康に対して重要な役割を担うモンゴル国立医科大学付属病院では、年間約1050人が上部消化管内視鏡検査を、約200人が下部消化管内視鏡検査を受けています。発見される胃がんの3/4が進行がんであり、内視鏡的治療ができる状況を過ぎています。そこで保健省は、ガンの早期発見のための内視鏡医の検査、診断、治療の技術向上を図っています。







今回の佐藤医師の研修は昨年の9月に続き2回目で、内視鏡チームからの要望に応えたより実践的な研修となりました。内視鏡チームの診察に、同大学学長、副学長、同附属病院副医院長なども訪れ、佐藤医師の所見を求めました。今回の研修期間中に上部消化管内視鏡検査が109例、下部消化管内視鏡検査が20例、ポリープ切除術が3例、S状結腸捻転整復術1例が施行され、食道がん1例、早期胃がん1例、進行性胃がん1例が発見されました。また、81人のピロリ菌検査を施行し53名が陽性でした。

内視鏡実習の後は日本で行われている最新の内視鏡検査と治療についての講義も連日行われました。最終回の講義で佐藤医師は、「なぜ僕らは内視鏡の技術を身に付けることを志すのかよく考えてほしい。命を救うための技術であることを心にとめておいてほしい」と語りました。