フィリピン南部のマヨン火山の噴火を受け2月8日、岡山を出発したAMDAの調整員1名は現地時間2月9日未明フィリピンのマニラに到着した。AMDAフィリピン支部と合流後、調整員は2月10日、マニラから南に約500キロの位置にあるマヨン火山ふもとのカマリグ県(Camalig)に到着。フィリピン支部が事前に視察を行った、避難所 (Cotmon National High School)で支援活動を開始した。
今回の活動には、AMDA及びAMDAフィリピン支部のほか、AMSA(アジア医学生連絡協議会)、AMSA Alumni(アジア医学生連絡協議会卒業生部会)、地元にあるBicol University医学生、及び現地ボランティアの、計100名近い方々が参加した。医師・看護師・薬剤師などで構成される医療チームが避難所内の全家族 266世帯1071名に対し巡回診療を実施、長引く避難生活で病気にかからないための予防教育も行った。避難した人々の中には、上気道感染が最も多く、消化器系疾患なども見られた。この活動では、上記医療支援活動に加え、避難所では清潔な水を得ることが困難である等の状況を踏まえ、食糧に加えて、バケツや石鹸等の物資も配布した。
避難者の方々は、ひとつの教室内で他の家族たちを含めて約40名で避難生活を送っており、プライバシーの確保が難しい。さらに、政府が仮設トイレを増設してはいるが、清潔に維持できていないとの声も聞かれた。また、被災者の中には農家も多く、今回の降灰により今後の農作物への影響も心配されている。
このような状況下で支援に入った合同チームに、避難者の方々より「AMDAの医療チームが来て活動してくれて嬉しい。私たちが、自分たちの地区に戻って、生活再建をしていく際にも協力してもらえたら」と言われていた。
今回の活動はいったん終了し、調整員は帰国の途に就いたが、今後も引き続きAMDAは状況を注視していく。
フィリピン国家災害対策本部(NDRRMC)によると、2月10日時点で被災者数は8万8490名。53カ所の避難所には1万5095世帯、5万6555名が生活している。
■AMDA本部からの派遣者
西 アニー(にし あにー)/調整員 / 岡山倉敷フィリピノサークル副代表 / 1967年7月生