理事長挨拶 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

特定非営利活動法人AMDA理事長 佐藤拓史

平素よりAMDAに対し格別なご支援を賜り、厚くお礼申し上げます。この度、AMDA理事会総会にて理事長に就任いたしましたことをご報告申し上げます。
私は岡山で生まれ育ち、岡山大安寺高校で学びました。当時は、アフリカでも東南アジアでも中東でも戦争が絶えることなく、世界では毎日多くの人々が犠牲になって命を落としていました。食べることすら難しい国々では、毎日栄養失調で亡くなっていく子供達が絶えません。本当なのか?どうして貧困はなくならないのか?高校生の頃、不思議で仕方ありませんでした。大学生になった頃から、世界で何が起こっているのか自分の目で見て知りたくて、世界中を旅することを始めました。自分で行動してみないと何も納得できないと思っていたからです。たくさんの国を旅して必死に生きる人々の現実を知り、自分に何かできることがあるのか、医師になった今でも考え続けています。
AMDAでは、これまで国内外の災害医療支援、海外への日本の医療技術移転に携わってきました。背景の異なる人たちと一緒に時間を共有することで深く理解し合い、初めて自分のできることが見えてきます。誰かが困っていたら、国籍や宗教の違いなど関係なく、自分のできることをするのは当たり前だと思っています。医師としてやることも、全く同じです。できることがある、それは嬉しいことです。
菅波先生の築き上げたAMDAが、世界の大きな変化の中でも普遍的な意義を持ち続け、未来に継続していくこと。そのための役割を担うことが、自分の天命かと考えています。まだまだ未熟ですが、いろいろな方々のご協力を賜りながら、少しずつでもお役に立てればと思っております。
前任者と変わらぬご支援ご高配を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

さとうたくし 1965年生まれ。
岡山県立岡山大安寺高校を卒業。東京大学卒業後、浜松医科大学を経て救急医療、国内外の災害医療に携わる。
2002年にアフガニスタン難民医療支援活動参加以降、スーダン(内視鏡支援活動)、カンボジア医療支援などの活動をする。
2015年ネパール大地震の緊急支援以来、特定非営利活動法人AMDAの緊急人道支援活動に参加し、熊本地震、ハイチのコレラアウトブレイク、熊本球磨地方豪雨、ウクライナ人道危機等に派遣される。
医療技術支援としては、ネパール東部のダマックでの内視鏡技術支援、モンゴル国立医科大学病院での内視鏡技術移転、またモンゴルの救急医に救命救急の講義と実践を実施。
2019年にはモンゴル保健大臣より名誉勲章が授与される。