AMDA 中学高校生会担当 アルチャナ ジョシ
2023年9月2日(土)、AMDA中学高校生会は、高知県黒潮町立大方高校、黒潮町立佐賀中学校、黒潮町立大方中学校との交流会を実施しました。2017年から始まったこの交流会は、毎年実施され、今年で7回目となります。今回、AMDA中学高校生会のメンバーは「防災食」と「海外の防災意識と被災時の在・訪日外国人の避難」について、黒潮町の中学・高校の生徒さんは、それぞれの学内で行っている「防災訓練・防災活動」について発表しました。続いて、全員が4つのグループに分かれ、大方高校独自のHUG(避難所運営ゲーム)を使用して避難所運営について学びました。高知県黒潮町の中高生や住民の方は日頃から防災を意識しており、地域の協力と意識の高さを実感しました。交流会後には、AMDA中学高校生会メンバー高知県幡多青少年の職員の方より野外炊飯で災害時を想定したアルミ缶炊飯やカレーの作り方を教えてもらい、実際に自分たちでも作ってみました。
また翌日、9月3日(日)には、黒潮町で町民一斉の防災訓練があり、AMDA中学高校生会のメンバーは伊与喜幼稚園の医療救護所訓練に旅行中災害に巻き込まれて被害に遭ったことを想定した患者役で参加。消防団、保健師、住民ボランティアの方とともに、トリアージと搬送までの訓練を体験しました。患者役としてトリアージを受けるのは初めてで、最初は戸惑っていたような感じもありましたが、どのような手順でトリアージの色分けをしていくのかを知る良い機会になったと思いました。訓練後に参加者の反省会に参加し、災害は突然発生するので、平時からの防災訓練の大切さを改めて実感しました。
以下、参加したAMDA 中学高校生会のメンバーからは感想を紹介します。
植野涼子、AMDA中学高校生会リーダー/高校2年生
今回の黒潮町での交流会を通して、防災について今までとは別の視点から考えることが出来ました。今まで、防災と聞くと負のイメージが大きかったです。しかし、黒潮町交流会に向けての準備や、黒潮町の方の発表、またhugを通じて、みんなと一緒に対策することで楽しみながら取り組める、ということを実感することが出来ました。 そして黒潮町の方々が防災に前向きに取り組んでいる、街をあげて取り組んでいる姿をみてすごいな、と思いました。 今回学んだことを、AMDA内で共有して終わりにするのではなく、AMDA以外の方にも伝えて行きたいです。また何かしらの形で私たちも防災活動に積極的に参加して行きたいです。
片山瑚子/高校2年生
黒潮町を訪れてみると私たちの住んでいる地域は防災への意識が低いことや防災について知らないといけないことがあることに気づきました。1日目に黒潮町の中高生と交流を行った際に現地の学校では防災委員会や、災害時を想定したワークショップなど学校が全体となって防災に取り組んでいました。岡山県ではそのような取り組みを行なっている学校をあまりみないので、生徒が自分から災害時について考える機会をおくことは大切だと思いました。
難波里帆/高校2年生
交流会では岡山と比べると黒潮町の防災意識は圧倒的に高く、危機感を感じました。特に印象的だったのは、幼小中合同の避難訓練や、家具固定の補助金が出されていることです。町全体で防災を日常的に考え、真剣に取り組んでいました。また負傷者という立場で参加した町の避難訓練では様々な事態を想定し訓練を行うこと、声掛けの大切さを学びました。発災した際、元気で歩けるとは限らないので、学校でもこのような訓練が必要だと思いました。皆の命を守るためには、私達に何ができるだろう、より自分事として考え、自ら行動し探っていきたいと思います。
藤田弥亜/高校1年生
ブレゼンの後にHUGという避難所運営ゲームをすることができ、自分達でどの家族をどこに置くのが1番なのかをほかの学校に生徒たちと一緒に考えるなどコロナ禍ではできなかったことが出来たのでいい経験になりました。また、2日目は実際にトリアージの訓練に参加することが出来ました 。演技をするのは大変でしたがスタッフなどが丁寧に誘導してくださり、サポートをしてくれて安心してできました。トリアージカードを持って帰ることもでき、日頃からの意識に高さの違いに気付かされました。
重田ジャック/中学3年生
今回、初めての黒潮町での活動だったので、緊張はしていましたが、それ以上に楽しみにしていました。不安だった交流会での発表も事前にみんなで練習していたおかげで良い発表をすることができました。また、現地の中高生の発表も良かったと思います。その後行ったHUGは、初めてだったのですが、楽しむ事が出来ました。2日目の防災訓練は負傷者の役という新鮮な体験をすることができました。とても良い思い出になりました。
大谷愛佳/中学一年生
岡山と黒潮町の防災意思気が違っていました。 黒潮町の人たちにとって防災委員会などは当たり前かもしれないけど、岡山では防災委員会はないので学校全体、地域を通して防災ができることがすごいと思いました。 また、避難するだけでなく怪我をした想定の避難で、どう動くか学校から避難するだけでなく避難所での動き、避難所で使われる、担架やトリアージに慣れておくことが大切だとわかりました。 防災食も、乾パン、袋にお水等を鋳られて食べるもののほかにもカップ麺や缶詰等を身近な防災食がたくさんあるから、貯えておくだけじゃなくて、普段から食べて慣れることです。また、買って食べて貯えるサイクルが大切。 Hugなどで人と関わりながら、避難所の動きも知れて良かったです。
大谷優莉/中学1年生
今回私が黒潮町にいって一番印象に残っていることはオリジナルバグです。初対面の人たちとするのはあまりうまく行かないと思っていました。しかしみんな自分から話したり役割を決めたり、話していない人に話しかけたりしていてみんなが話していてとてもうまく行ったと思いました。学校の配置や、避難してくる人の状況、家族などを考え、配置を決めました。みんなで話し合いながら決めたので、自分では思い付かなかった案も出てきました。時間は思ったよりも早くすすみ、あっという間に終わってしまいました。オリジナルバグの経験をいかし実際の場面でも役立てたいです。
常原拓真/AMDA「中学高校生会チーフコーディネーター」
高知県黒潮町を訪問し1泊2日の交流会、野外炊事(非常食)、トリアージ訓練を終えました。今回のプレゼンテーションでは、AMDAが世界各国で災害支援をおこなっていることから海外と日本の「防災意識の違い」を中高生が調べ発表を行いました。異なる文化や宗教、様々な環境下での防災に対するアプローチの違いを理解することができ、今後の課題点や改善点を明確にすることができました。また、高知県黒潮町の中高生や住民の方は日頃から防災を意識しており、地域の協力と意識の高さを実感しました。
今回初めて地元の医療救護所の訓練の参加し、患者役としてトリアージを受けました。実際にトリアージを受けたのは初めてで、どのような手順で色分けをしていくか知る機会になりました。今回の経験を経て、知るのと知らないのでは初動が大きく異なることを実感し、今後のAMDA中学高校生会の活動の中でも、防災に関して一つでも実践できる知識や経験が身につくようなプログラムを行いたいと思います。