私がAMDAに入職してから半年以上が経ちました。この仕事を通し痛感することがあります。それは「今までの人たちのご支援によって、今のAMDAが存在する」ということです。
最初にそれを感じたのは、昨年4月の熊本地震発生後に街頭募金に立った時でした。多くの方が「頑張ってください」「応援しています」とお言葉をかけていただきながら、私が持つ募金箱の中にお気持ちを入れてくださいました。その方々の中に、「あなたたちは昔、私たちを助けてくれた」とお話かけてくださった方がいらっしゃったのです。その方は中国から来られた方で、四川省地震の時にAMDAが支援に行ったことに感謝され、そして今度は自分が熊本を助ける番だと感じ募金してくださったことをお話ししてくださいました。私はその時、「困ったときはお互いさま」というその方のお気持ちに感銘を受けると同時に、その方を含む国内外の多くの方を助けてくださっているAMDAからの派遣者、支援者、ご協力いただいている方々にも深く感謝しました。
私自身は医療関係者ではなく、困っている方々を直接助けることはできないかもしれません。それでも今まで支援してくださった皆様に続くべく、事務所で被災地への派遣者の募集や派遣準備などに携わっています。また、現在AMDAが取り組んでいる「南海トラフ災害プラットフォーム」でも同様、地震が発災した場合になるべく早く被災地へ医療チームを派遣できるよう準備を行っています。そしてその取り組みの中で、既にいくつかの医療機関並びに個人の方が南海トラフ発災時に医療活動に参加していただけると表明いただいており、皆様の「何かあったら助けに行く」というお気持ちと行動にありがたく感じています。
南海トラフ地震のほか、地震、洪水などこれから何が起きるかはわかりませんが、今も昔も困った人を助けるのは「人を思うこと」であると、私は今までのAMDAの活動を知り強く信じています。「困った人がいれば助けに行く」というお気持ちで支援していただいた方々への感謝を忘れず、そしてこの熱い気持ちを受け継ぐべく、これからも与えられた場で与えられた業務を行っていこうと改めて感じています。