「岡山発! 世界教育元年」〜「公の閑谷学校、私の廉塾」 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

「岡山発! 世界教育元年」〜「公の閑谷学校、私の廉塾」


2016年5月31日。AMDAは備前市と包括協定を結んだ。主な目的は2つある。一つは「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォームへ」の参加。2つは人材育成と地域振興。具体的にはAMDAの閑谷学校世界遺産登録への協力。まず前者について。先般の熊本地震被災者救援活動の神髄は総社市を起点とした広域自治体連携である。阪神大震災や東日本大震災の経験から各自治体の災害対応能力が格段に進化。次の段階は広域自治体連携。最終段階は各種の医療団体、大学、公益団体、企業、NGO/NPO、宗教団体等そして海外との連携体制の構築である。「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォームへ」が更に昇華するように、岡山県における「西の総社市、東の備前市」になれば幸いである。

後者は一神教の民との対話である。一神教の特徴は預言者の存在である。預言者は神のメッセージ(言)を伝え、民がそれを実行する。民がわかりやすいのは有言実行、有言不実行、不言不実行、不言実行の順位である。日本人の特徴は不言実行。一神教の民の視点では妄動である。日本が世界でなかなか理解されない原因でもある。ちなみに、メッセージには時空を超えた普遍性がある。教育の重要性は普遍性のあるメッセージになる。13世紀にマルコポーロが元時代の中国を訪問し「科挙制度」に感動した。庶民でも誰でも科挙試験に合格すれば高級官僚として特権階級になれるからである。それならば、閑谷学校は18世紀に設立され、世界で初めての公による庶民教育の場である。民間の寺子屋教育と併せて「岡山発〜世界教育元年」と言っても過言ではない。メッセージをどのように具現化したのか。実行である。誰が教えたのか。誰が生徒だったのか。そして誰が支援したのか。備前市の隣の和気町には閑谷学校と関係の深い大國家があり、国の重要文化財に指定されている。閑谷学校交流・支援ネットワークの代表として大国家を閑谷学校と組み合わせてはどうだろうか。

閑谷学校が「過去の遺産」にならないためにどうしたらよいのか。「岡山発!世界教育元年」のメッセージを世界に広めては。現実に、教育を受けられない子どもたちが世界中にいる。具体的には、孤児、スラム児、災害児、少数民族児、障害児などである。「Shizutani Gakko. Now」の名のもとに教育の機会を与えた子ども達と備前市及び和気町が交流する合同の地域創生運動の一環としてはどうだろうか。GPSPネットワークがお役に立てば幸いである。

広島県福山市神辺町に日本三大私塾の一つである廉塾がある。他は緒方洪庵の適塾と吉田松陰の松下村塾。廉塾は儒学者として有名な官茶山が主催者。日本外史を著した頼山陽が塾頭をしていた。官茶山も閑谷学校を訪れている。「公立の閑谷学校、私立の廉塾」。この両者の交流関係から閑谷学校が担った役割を更に立体的に考証することにより、「岡山発!世界教育元年」としての江戸時代の庶民教育を浮き彫りにすることができるのでは。更に同時代の東アジアの教育の在り方に補助線を引いて考えてみたらどうだろうか。

日本の現代の繁栄の源流は江戸時代の庶民教育にありと言ったら過言だろうか。「悩むより飛べ!パリへ」。ユネスコの世界遺産登録担当者に直接に相談をしたらどうだろうか。

AMDAの持っている国連経済社会委員会認定総合協議資格である政策提言権をユネスコに活用できれば望外の喜びである。