第2回国際医療貢献フォーラム – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

第2回国際医療貢献フォーラム

2014年10月4日。岡山国際交流センターにて第2回国際医療貢献フォーラムを岡山県とAMDA共同で開催。
テーマは「人材育成」。「一人の医師が100人の患者を治療できる。100人の医師を育てれば10000人を治療できる」。前回に座長の岡山大学病院心臓血管外科の佐野俊二教授のコメントが契機である。

佐野教授がベトナム保健大臣の要請を受けて育成したE病院の心臓循環器医療チームが過去にベトナムではできなかった疾患の手術を多数実施している事実は感動的である。岡山では旭川荘がアジアの福祉分野、済生会グループがアジアの医療分野、そして日本・ミャンマー医療人育成支援協会がヤンゴン大学の研究者に関する人材育成の突出した実績を誇っている。当日は国際人道支援、国際保健や国際交流に関心のある多くの高校生や大学生も参加。彼らと岡山で研修の機会を得たアジアの医療や介護人材との協働関係ができれば最高の喜びである。

発表された内容を簡単に紹介したい。

広島県立福山誠之館高校生徒、国際医療勉強会ILOHAの大学生、AMSA(アジア医学生連絡協議会)の医学生、そしてAMDA高校生会などからの実践例が紹介された。
次に、医療機関による国際医療貢献として、岡山大学病院佐野教授、川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科の高崎裕子教授、岡山県済生会の岩本一壽支部長、そして旭川荘の末光茂理事長などから人材育成活動の紹介がなされた。
民間組織による様々な活動と人材育成として、御津医師会の森脇和久前会長、歯科ネットワーク岡山から世界への高柴正悟理事・岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授、RNN(人道援助宗教NGOネットワーク)の黒住宗道事務局長、岡山倉敷フィリピーノサークルの大山マージョリー代表、フィリピン-サカハンのホセリト代表からの活動紹介が行われ、AMDAからも人財育成プログラムを紹介した。
教育機関による人材育成として、岡山県立大学保健福祉学部看護学科長の二宮一枝学科長、岡山大学大学院環境生命科学研究科の頼藤貴志准教授、同大学院社会文化科学研究科の黒神直純教授などから活動紹介をいただいた。
岡山県からは保健福祉部医療推進課の則安俊昭課長、県民生活部国際課の上野和也課長そして広島県からは教育委員会事務局教育部教育改革推進課の寺田拓真課長に発言をいただいた。

「Global thinking, Local Actionに対してLocal thinking, Global Action」。
「改善に対して改革」。
「三人称に対して一人称」。

岡山県と広島県の風土の違いである。
違いがあるからこそ共存の価値がある。
多様性に富む国際社会において両県の連携が推進されることが日本の国際医療貢献の先行モデル形成になると信じたい。
なお、両県の知事が米国スタンフォード大学の同窓であることも吉兆である。

牛尾光宏厚生労働省大臣官房審議官(国際保健担当)の基調講演の結論は国際保健におけるプレーヤーの多源化と多様化だった。
これを受けて座長の佐野教授から国際医療貢献における産官学の連携を第三回のテーマにすることが提案された。
ちなみに牛尾光宏氏はAMDAの親ともいうべきAMSA(アジア医学生連絡協議会)の創設者の一人ある。
そのための名誉ある1年間の留年が私の責任であることも告白したい。
学生時代から今日に至るまでの国際保健に関するぶれない生き方は私たちの誇りであると共に心から敬意を表したい。