AMDAフィリピン台風19号20号緊急支援活動(2021/1発行ジャーナル冬号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDAフィリピン台風19号20号緊急支援活動(2021/1発行ジャーナル冬号)

フィリピン担当 岩尾 智子

11月1日に台風19号、11日夜に台風22号が相次いで上陸したフィリピンで、AMDAは緊急支援活動を行いました。コロナ禍のため日本からの人員派遣は行いませんでしたが、フィリピン支部や現地協力団体と密に連絡を取り合いながら活動を進めました。各台風に対する緊急支援活動およびオンライン報告会開催を以下の通りご報告いたします。

1)フィリピン台風19号緊急支援活動

11月1日、台風19号はフィリピン東部のカタンドゥアネス島に上陸し、甚大な被害をもたらしました。台風通過後、数日は電話やインターネットも繋がらず、島民は近所の頑丈な家に避難し身の安全を確保しました。このような中、フィリピン支部から支援要請があり、AMDAは支援活動にむけた調整を開始し、AMSA(アジア医学生連絡協議会)ジョネルタ支部、カタンドゥアネス州立大学とも協力して活動しました。

支援場所は自治体と協議の上決定。被災地の需要に合わせて、米、麺類、魚缶、石鹸などを購入し、準備をしました。11月8日、AMSAジョネルタ支部を中心に同島州都ビラクのバリテ地区で263世帯に物資支援を行いました。続いて、カタンドゥアネス州立大学を中心に、11月15日から27日にかけて、ビラク町で3か所、サンミゲル町で1か所の計3回、合計501世帯に物資を配布しました。

2)フィリピン台風22号緊急支援活動


11月11日夜、ルソン島北部に上陸した台風22号に よりカガヤン州、イザベラ州などで大雨や洪水被害が相次ぎました。フィリピン支部、WINDS(フィリピン開発安全女性委員会)からの要請でAMDAは被害の大きかった両州で支援活動を行うことを決定。同支部、医学生団体LCAT(ルソン緊急支援チーム)と被災地団体を中心に、両州において計566世帯に物資を届けました。また、WINDSとAMHOP(フィリピン市町村保健官協会)を中心とした活動では、両州で医療支援活動も行い計365人を診察し、計767世帯に物資支援も行いました。

3)フィリピン緊急支援活動オンライン報告会


11月12日、オンライン報告会を行い、約40人にご参加いただきました。フィリピン支部長からの挨拶と現地協力者4人による活動発表の合間に質疑応答の時間を設けました。参加者から「被災状況はどうやって確認したか?物資の輸送方法は?どうやって被災地のニーズを確認したか?」など質問があり、協力者から「被災状況は自治体からの情報に頼った。物資は現地で購入し大学の車両を使用した。ニーズも自治体の調査結果を参考にした。」など回答がありました。