2018年度年次報告 平和構築 その他(2019/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2018年度年次報告 平和構築 その他(2019/7発行)

第2回AMDA・赤磐市防災国際フォーラム


◇開催場所 桜が丘いきいき交流センター 岡山県赤磐市
◇開催日 2018年5月12日

◇参加者・団体 友實武則・岡山県赤磐市長、田中元(はじめ)・熊本県益城町立広安小学校元校長、赤磐市職員、一般市民
◇参加者数 約100人

◇事業内容
「第2回防災国際フォーラム」を赤磐市とAMDA主催で開催した。「私たちは熊本地震を忘れない。熊本地震から赤磐市の防災を考える」をテーマに、講演や対談、寸劇を通し、防災の心構え、事前準備の必要性などを参加者に伝えた。

当日、2016年4月の熊本地震でAMDAが活動を通じてお世話になった避難所の熊本県益城町立広安小学校の当時の校長、田中元先生が「地震後の様子と避難所運営」をテーマに講演。余震が続く中、恐怖とストレスで限界状態に追い込まれた避難民の表情、学校再開に向けた課題や対策、児童と避難民との交流など体験に基づいて話し「備えが不十分だった。油断があった。」と地震への備えの大切さを強調された。

講演に続き、田中先生と、益城町出身で実家が全壊する被害に見舞われた中で、広安小学校で長期にわたり避難民の支援などに取り組んだ難波妙・AMDA理事が登壇し、熊本地震発生から広安小学校での活動などを振り返り対談した。「命の大切さ、人の温かさを感じた。」「献身的なボランティアの活動に感動した。」「災害は忘れた頃ではなく、忘れる前にやってくることを肝に銘じたい。」と語った。

フォーラムの締めくくりとして、赤磐市職員による寸劇で、持ち出し袋の事前準備の大切さを伝え、参加した市民からも「楽しく防災が学べた。」「熱演ぶりに市職員の意欲が伝わってきた。」という声が聞かれた。

参加者は「講演内容は新聞やテレビで知る情報よりも詳しく現場の様子が目に浮かぶようだった。」「対談は有益な指摘が多かった。忘れないよう心に留め、事前準備に取り掛かりたい。」と、このフォーラムの感想について述べた。

 

第3回AMDA・赤磐市防災国際フォーラム


◇開催場所 桜が丘いきいき交流センター 岡山県赤磐市
◇開催日 2018年11月11日

◇参加者・団体 友實武則・岡山県赤磐市長、太田裕之・倉敷市真備町防災士、AMDA中学高校生会・岡山県赤磐市中学生・広島県立福山誠之館高校生計11人、赤磐市職員、一般市民
◇参加者数 約100人

◇事業内容
赤磐市とAMDAが2018年5月に引き続き、「第3回AMDA・赤磐市防災国際フォーラム」を主催。「自然災害への備え」「生徒が行った国際貢献活動」の2つをテーマに開催した。

2017年より赤磐市からAMDAへ出向した三宅孝士氏が、西日本豪雨災害被災者支援や北海道胆振東部地震被災者支援、そして2年続けて現地で参加したスリランカ平和構築プログラムについて報告を行った。

その後、赤磐市出身で真備町在住の防災士である太田裕之氏より、西日本豪雨災害にて自ら被災しながらも発災翌日から避難所の運営に携わるなどご自身の体験を含めて講演。避難所開設後に名簿整備を行う必要性、避難者の中で自治組織を作って運営に参画してもらうことや衛生管理の重要性など、活動中の苦労話も含めて話をされた。

最後に、2018年8月に「AMDAスリランカ平和構築プログラム」に参加したAMDA中学高校生会・岡山県赤磐市中学生・広島県立福山誠之館高校生計11人がこのフォーラムにて活動を報告。異文化体験の中で学んだ事や日常の当たり前のありがたさ、平和についての自分達の役割などを発表した。

参加者から講演について「避難所の運営について具体的によくわかった。」「自宅が被災されたのに防災士として活動されたことに頭が下がる。」などの感想が寄せられた。

 

ジャパン-テキサスリーダーシップシンポジウム出席


◇実施場所 アメリカ・テキサス州サンアントニオ
◇参加日 2019年3月27日

◇派遣者
難波妙/AMDA理事

◇事業内容
アメリカ、テキサス州で「ジャパン-テキサスリーダーシップシンポジウム」が開催された。このシンポジウムは、日米間において過去60年に渡り育まれた441組の姉妹都市による市民外交ネットワークの持続的連携と活性化を目指し、SCI (全米国際姉妹都市協会)が主催。当日は総勢250人が参加し、文化、教育、経済、投資など、様々な内容の議論が展開された。

このシンポジウムに、2018年12月に協力協定を締結したコヤマダインターナショナルファンデーションからの招待を受け、AMDAとして難波妙理事が参加。アメリカ合衆国副大統領夫人による基調講演の後に行われたパネルディスカッションのパネラーとして、災害時に実現した相互扶助について発言を求められた難波理事は、1995年のサハリン地震被災者支援活動での話を例に出し、ロシア政府から一旦受け入れを拒否されたものの、AMDAの活動は4か月前に発災した阪神淡路大震災にサハリンから支援を受けたお礼が目的であると力説すると、ロシア政府が快諾したことを語った。更に、2018年夏の西日本豪雨災害の際の岡山県総社市と他の自治体の対口支援の例を紹介。災害支援活動を支えた相互扶助の理念に、会場からは「災害時に実現する相互扶助が、迅速な対応につながる事に感心した。」「AMDAと一緒に今後何か活動が出来る事があれば。」など多くの賛同をいただいた。

また、今回のシンポジウムの開催地であるサンアントニオ市と熊本市が姉妹都市縁組を結ばれていることから、AMDAが2016年の熊本地震発生直後から緊急支援活動並びに復興支援活動を行っていたことについても感動された、と参加者の方よりお声掛けいただいた。