インド担当 岩尾 智子
インド・ビハール州AMDAピースクリニック外観
母子保健活動
釈迦牟尼が悟りを開いたとされるインド・ビハール州ブッダガヤ。総レンガ造りの高さ52mの寺院がそびえ立っています。仏教徒憧れの聖地「大菩薩寺(マハーボディー寺院)」で、ユネスコから2002年、世界遺産に登録されました。
この寺院から南西へ約1?。2009年に開院されたのが、AMDAピースクリニックです。地元民から「ブッダガヤは貧しい。近所に気軽に行けるクリニックが欲しい」という声に応え、日本の篤志家から支援を受けて実現しました。
活動を行う中で、現地で目立つ早産や流産を未然に防ぐため、2014年から母子保健活動に重点を移すことになったのです。取り組みは「月2回の妊産婦健診」「毎月1回程度の家庭訪問」「健康教育・栄養プログラム」の3本柱で、受診料は栄養サプリメント・医薬品を含め1回20ルビー(約30円)と、受診しやすい価格設定にしています。ビハール州の農村部では、州人口の3分の1が1カ月778ルピー(約470円)で暮らしています。
主な産業は農業・酪農。女性の約半数は字が読めません。そのため、活動の中で妊産婦に情報を伝達する際には工夫が必要です。
ビハール州では、10万人の出生あたり妊産婦208人(日本は34人)が死亡している深刻な状況にあるのです。AMDAは母子が健康で住みやすい環境づくりに向け、中長期的な視点で取り組みを継続する方針です。
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AMDAピースクリニックの挑戦は、今回を含め3回シリーズで報告させて頂きます。ジャーナル秋号で「支援医師の思い」、冬号で「信頼関係の構築」を掲載します。