熊本地震を教訓に 赤磐市で防災国際フォーラム(2018/06発行ダイジェストNo.50) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

熊本地震を教訓に 赤磐市で防災国際フォーラム(2018/06発行ダイジェストNo.50)

参与 今井 康人


講演する広安小学校元校長・田中元先生

AMDAと赤磐市が主催する「第2回防災国際フォーラム」が2018年5月12日、赤磐市桜が丘東の桜が丘いきいき交流センターで開かれました。テーマは「私たちは熊本地震を忘れない。熊本地震から赤磐市の防災を考える」。参加した市民ら約100人は講演や対談、寸劇を通し、防災の心構え、事前準備の必要性などを学びました。

講演は、16年4月に震度7の地震に2度見舞われた熊本県益城町立広安小学校の当時の校長、田中元先生に依頼、快諾を得て実現しました。同小学校には約800人が避難、グラウンドは二次災害を懸念し、車内で就寝する家族の車で埋まりました。

田中先生の講演テーマは「地震後の様子と避難所運営」。余震が続く中、恐怖とストレスで限界状態に追い込まれた避難民の表情、学校再開に向けた課題や対策、児童と避難民との交流など体験に基づいて話し「備えが不十分だった。油断があった」と地震への備えの大切さを強調しました。地震後の取り組みを事実に基づいて淡々と話す田中先生の講演はリアルで臨場感にあふれ、ハンカチで涙をぬぐう市民の姿が見られました。

対談は田中先生とAMDA本部GPSP支援局長の難波妙が担当。難波は益城町出身で実家が全壊する被害に見舞われた中で、広安小学校で長期にわたり避難民の支援などに取り組みました。2人は「命の大切さ、人の温かさを感じた」「献身的なボランティアの活動に感動した」「災害は忘れた頃ではなく、忘れる前にやってくることを肝に銘じたい」―などと述べました。