2016年度年次報告 人材育成・研修事業(2017/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2016年度年次報告 人材育成・研修事業(2017/7発行)

ベトナム人研修生受け入れ


◇実施場所 岡山県岡山市、熊本県上益城郡益城町
◇実施期間 2016年5月1日から6日

◇招聘者 リュウ・トゥイ・ホア
◇受益者数 1人

◇事業内容
日越関係などのリーガルアシスタントを務めるベトナムのリュウ・トゥイ・ホアさんが2016年5月1日、研修生として日本を訪問。震災で大きな被害を受けた熊本県益城町の避難所・広安小学校で3日から4日間、AMDAボランティアとして活動した。

岡山の学生らと一緒にバスで広安小に到着。介護士の手伝いをしたり、トイレの清掃、段ボールベッドの組み立て、体育館の片づけなどに汗を流した。

ホアさんは「AMDAの医師や鍼灸師、介護福祉士らは患者の状態をそれぞれの視点から分析、意見交換をしたうえで、質の高い医療を目指すチームワークの良さを発揮していた。素晴らしい試みで勉強になった」と話した。

◇受益者の声 AMDAはチームワークを活かし、患者の状態をそれぞれの視点から分析、意見交換したうえで、質の高い医療を目指している。今回の経験が無駄にならないように、これからも頑張っていこうと思います。

 

アフリカ・ルワンダへ小児医療専門家を派遣

(平成28年度岡山県国際貢献ローカル・トゥ・ローカル技術移転事業)


◇実施場所 ルワンダ国 キガリ州、西部州
◇実施期間 2016年9月3日〜9月11日

◇派遣者 中原康雄医師(国立病院機構岡山医療センター、岡山県国際貢献ローカル・トゥ・ローカル技術移転事業)、頼藤貴志医師(岡山大学大学院環境生命科学研究科、AMDA派遣)
◇現地協力団体 ウムチョムウィーザ学園

◇受益者数 91人

◇事業内容
9月5日、岡山からルワンダ西端のルシジ郡に医師2人が訪れた。小児外科の中原康雄医師(国立病院機構岡山医療センター、平成28年度岡山県国際貢献ローカル・トゥ・ローカル技術移転事業)と、小児科の頼藤貴志医師(岡山大学大学院環境生命科学研究科、AMDA派遣)。新生児や乳幼児らの死亡減少に向けた小児医療のレベルアップと、集団学校健診・母子手帳導入のためのルワンダ政府への働きかけが目的だった。

この活動にいたる背景として1994年4月、ルワンダ国内で勃発した民族紛争により、ルワンダの人口750万人のうち50万人が虐殺される事態となったことがある。死体が山積みとなった画像が世界に広がり、衝撃を与えた。

AMDA岡山はカリタス岡山(岡山カトリック教会の人権福祉団体)との合同事業として、多国籍医師団による緊急救援活動を実施。この紛争で当時、難民だったマリールイズさんはAMDA医療チームと出会い、通訳として活動に参加。それ以来、現在までAMDAとの協力関係が続いている。

ルワンダ西部にあるミビリジ病院は、周産期医療を中心に開設された地域の総合中核病院。ベッド数203床、管轄エリア30万人に医療を提供しているが、医師8人は全員が一般医で、小児科の専門知識を得る機会はほとんどなかった。今回は小児科疾患に関する講義を中心に、地方病院でも実施可能な超音波を利用した診断・治療が可能な話などを現地の医療従事者35人に行った。

9月7、8日は首都キガリの幼稚園、小学校で、昨年に続き2回目の学校健診を実施。小児保健の現状を述べ、健診の必要性や診る項目について説明した。

その後、一行は保健大臣、厚生大臣と面会して意見交換をした。母子手帳の有用性や妊婦健診、予防接種など一連の健康管理の重要性を訴えると、大臣は意義について理解を示した。健診で見つけた病気の対応についても共通認識を得た。

◇受益者の(保護者の)声 この学校を皮切りに健診や母子保健手帳が拡がっていくことに期待しているということや、親がしていけることは何でもしていきたい、病気の予防をしていきたいのでアドバイスをして欲しい、虐殺もあったために心理的な面も保護者の方も抱えており心理的な面のサポートも必要かもしれない、など

 

ネパール医師の研修員受け入れ事業

(平成29年度岡山県国際貢献ローカル・トゥ・ローカル技術移転事業)


◇実施場所 岡山済生会総合病院
◇実施期間 2016年9月5日から11月7日

◇招聘者 ディワス・ラズ・ボホラ医師(岡山県国際貢献ローカル・トゥ・ローカル技術移転事業)
◇現地協力団体 AMDA ネパール支部

◇受益者数 1人

◇事業内容
ネパールのディワス・ラズ・ボホラ医師が岡山市を訪れ、9月5日から11月7日まで研修した。平成28年度の岡山県国際貢献ローカル・トゥ・ローカル技術移転事業(研修員受け入れ)の一環。

ディワス医師は首都カトマンズから約500キロ東にあるAMDAダマック病院に所属する内科医。高度な医療機器や診断、治療技術を持つ人材が不足しており、治療の困難な患者をカトマンズに紹介せざるを得ないのが実情だった。

ところが、同病院が在ネパール日本大使館からICU増設のための支援を受けることになり、ディワス医師は学んだ技術をネパールの医療従事者に広く普及させ、効果的な病院運営にも役立てるため来岡した。

ディワス医師は岡山済生会総合病院で内視鏡技術を中心にICU、循環器関係の研修を受けた。修了後、AMDA本部を訪れ「身に付けた技術をネパールの人々のために生かしたい。残りの職業人生を消化器分野の医療に尽くす」と抱負を述べた。

◇受益者の声 ディワス医師が日本で内視鏡の優れた技術を学ぶことができ、「貴重な機会をいただいたことに敬意を表します」と語った。また、「日本で身に着けた技術をネパールの患者の治療に専念したいと」話した。

 

海外よりインターンシップ生受け入れ


◇実施場所 岡山県岡山市(AMDA本部)
◇実施期間 2017年1月10日から2月6日

◇招聘者 キム・リャンヒョン(韓国 国立ハンバット大学 4年生)
◇受益者数 1人

◇事業内容
大学の研修制度で約1か月間、AMDA本部で会計・翻訳・イベント参加などを経験した。キムさんは韓国でも近年、前例のない大きな地震が相次いで起こり、災害対応準備について深い関心を持っていたところ、国内外で起こる災害の救援活動をしているAMDAでのインターンシップを希望した。約1か月間、様々な業務に携わり、貴重な経験を積むことができたとキムさんは話した。

◇受益者の声 短い期間でしたが私の考えに大きな影響を与える経験でした。将来は、韓国で日本と共に地震などの災害対応に関わる仕事をしたいと思いました。