東日本大震災復興支援活動(2016/12発行ダイジェストNo.47) – AMDA(アムダ)
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東日本大震災復興支援活動(2016/12発行ダイジェストNo.47)

 

第13回復興グルメF-1大会開催


たくさんの方で賑わったF-1大会

東日本大震災の被災地の商店街や高校生らが丹精を込めた料理をふるまい、来場者が投票しナンバー1を決める「第13回復興グルメF-1大会」(同実行委主催、AMDA協賛)が10月9日、宮城県石巻市で開かれました。

出品された料理は、地元の特産品を材料に創作した「タコ味噌担々麺」や「夢の海鮮パエリア」など15品目。チケット(1枚300円)には午前10時40分の売り出しと同時に、約100人の行列ができる盛況ぶり。販売開始から1時間半足らずで「完売」の張り紙を出すブースもありました。ステージではダンスや和太鼓、バンドなどが次々と催され、フィナーレは宮城県沿岸部の被災地の中学・高校生で結成したアイドルグループが「復興支援ソング」を熱唱、会場から大きな手拍子が起こりました。各地の復興イメージキャラクターも勢揃いし、子どもたちも大喜びでした。

優勝チームは福島県から参加した小高商業高校で、料理は「野馬追田楽」でした。

岡山からもボランティアバスを運行しました!


岡山からのボランティアさんも大活躍

今回も高校生や大学生、社会人の方まで様々な年代の方がボランティアとしてご参加くださいました。

バスの中では、「今回なぜ参加したのか」、一人ひとりの真剣な想いを聞くことができました。そこには、震災から5年半を経過してなお東日本の復興に思いを寄せ、何度もこの支援活動を一緒に応援し続けてくださる方、そして新たに東北で何かを感じ考えたいと思われている方の姿がありました。

8日(大会前日)は一日中雨でしたが、震災で被害を受けた牡鹿半島周辺部や石巻市内の様子を見て回りました。建設が進む防潮堤。動きまわる工事車両。それらとは対照的なかつての居住区。道路だけが残る街並みのあと。震災時の様子や、斎藤さんが船で津波を乗り越えたお話などに、ボランティアの皆さんは真剣に聞き入っていました。

大会当日は、テーブルやイスの配置作業や、各自担当のブースに入りました。お客さん方がグルメを買う列にスムーズに並べるようお声がけをするなど、ボランティアの皆さま大活躍でした。

次回、第14回復興グルメF-1大会は来年3月か4月に開催予定です。

感想 40代女性

5年経っても地域によっては復興が進んでいるところもあれば、今回の牡鹿半島のようにまだ復興半ばの現状を目にして、自分の目で見たことを伝えるのも役目だと思いました。

 

復興へ新たな知恵を結集

復興グルメF-1大会 運営事務局代表 坂本正人(AMDA参与)

大会は優れた食文化が自慢の郷土の再興をめざし、被災地同士で地域間交流が出来ないかと考えたのがきっかけです。AMDAの方の仲立ちで岩手県大槌町のキラリ商店街と姉妹提携を結び、開催にこぎつけました。

最初の大会の参加はわずか4団体でしたが、その後、参加が増え、高校生も加入するなど裾野が広がっているのは嬉しい限りです。

大会開催を通してお互いが交流し、各地の復興の状況の共有もでき、支え合うことで頑張ろうという気持ちがわいてくる一方で、課題もあります。

出店する店舗は商品パッケージのデザインなど商品開発に難しさを感じています。大会はアンテナショップ的なPRの場ですが、なかなか利益に結びつかないのも悩みのひとつです。

日頃の仕事をしながらの参加で準備も大変ですが、商店街が仮設から本設になっても続けていくつもりです。復興に向けて新たな知恵を結集し、全国に誇れる地元特産品が生まれることを期待しています。

 

AMDA大槌健康サポートセンター開所から丸5年がたちました

センター長である佐々木賀奈子鍼灸師は、被災後流出人口の多い大槌町で鍼灸治療に加えて、地元の方々を集め瓢箪ランプづくりなどを通じて、コミュニティ活動にも尽力しています。

先日、東北に台風が上陸した際にも避難所に行けないご高齢の方が大槌健康サポートセンターに身を寄せ合っていました。また、AMDA大槌健康サポートセンターから、被害を受けた農家の方などに対してマスクや掃除道具などを提供しました。大槌町に残っている者同士がつながり合うことも、復興に向けての大切な一歩であると信じています。