2016年新春の挨拶(2016/1発行ジャーナル冬号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2016年新春の挨拶(2016/1発行ジャーナル冬号)

新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

AMDAグループ代表 菅波 茂

新春の夢は、AMDAが相互扶助の啓蒙普及のためにお世話をしている三つのプラットフォームの推進と連携です。

一つ目はAMDAの平和の定義に基づいた、人道支援のプラットフォームである「世界平和パートナーシップ(GPSP:Globa1 Partnership for Sustainable Peace)」。平和構築、生活支援、教育支援、健康増進の4分野で構成されます。

二つ目は高知県知事と徳島県知事との協定に基づいた「AMDA南海トラフ対応プラットフォーム」。広域自治体連携を基盤とし、国内外の医療機関が参加するもので、相互扶助の精神により海外の災害にも寄与するものです。

そして三つ目は、岡山県国際貢献推進条例に基づいた、国際医療貢献フォーラムから昇華予定の「国際医療貢献プラットフォーム」。産官学金連携により国際貢献、人材育成、地域振興を推進するものです。

これら三つのキーワードは「相互扶助」で、実現のためには海外の団体との協力関係が不可欠です。特にアジアには多くの優れた個人や団体が多く、相手にできる限り「NO」と言わない優しい精神風土があります。その尺度である「裏切らない、だまさない、助け合う」は民族、宗教、文化を超えた普遍性です。

AMDAは1994年に「西のジュネーブ、東の岡山」構想を提唱。岡山国際貢献トピアの会として「岡山貢献NGOサミット」を12年間開催し、岡山県、岡山市、倉敷市など多くの団体の参加が得られ、AMDA多国籍医師団や宗教者NGOネットワーク(RNN)等が発足する機会となりました。

西のジュネーブとは「人権」にもとづいて人道支援を行う国連機関や欧米のNGOの集積地、東の岡山とは「相互扶助」に基づいて人道支援を行うアジアなどのNGO/NPOの集積地を意味します。この両者を結ぶのが2006年にAMDAに認められた国連経済社会理事会総合協議資格であり、国連諸機関に対する政策提言権です。

さらに2009年スイス・ジュネーブで開催された国連NGO総会で「スリランカの医療和平」について政策提言をしました。そして2016年。機は熟し、三つの相互扶助プラットフォームの連携による活動実績をもとに、政策提言を国連諸機関にできる状況にあると思います。

さらにこれらの構想の継続に不可欠なのが次世代の人財育成です。先の三つの相互扶助プラットフォームは人財育成プログラムの受け皿として、大学教育等の人財育成プログラムを補完できます。

冒頭に掲げた三つのプラットフォーム形成には、多くの人たちの善意と支援がなくしては不可能でした。これらが次世代の人財育成の場を提供し、関与できることは最大の喜びです。

2016年の年頭にあたり

AMDA理事長 成澤 貴子

2015年にいただきましたご支援への感謝とともに新年のご挨拶を申し上げます。

本年も緊急救援で幕が開けました。フィリピン台風27号の被災地支援活動を12月実施し、年が明けてから派遣看護師が帰国しました。温暖化により、毎年のように12月に台風が発生し、寒い時期の台風は勢力が強く甚大な被害をもたらしています。日本からの派遣看護師はフィリピンで「皆が休みたいクリスマスの時期に、はるばる日本から支援に来てくれてありがとう。」と被災者や関係者の方々からお礼の言葉をいただきました。このお礼の言葉は、AMDAの活動をご支援くださる皆様へのものです。皆様からのお気持ちを被災地に届け、そして被災地の方々の言葉をご支援くださった皆様にお届けする。基本を大切に「相互扶助」の精神で2016年も活動してまいります。一層のご支援をお願い申し上げます。