GPSPキッズプロジェクト/人財育成事業 スリランカ紛争復興支援 スポーツ親善交流和平構築プログラム(2015/10発行ジャーナル秋号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
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国連経済社会理事会総合協議資格NGO

GPSPキッズプロジェクト/人財育成事業 スリランカ紛争復興支援 スポーツ親善交流和平構築プログラム(2015/10発行ジャーナル秋号)


スポーツ交流の様子

8月22日から24日の3日間にわたり、スリランカ北部キリノッチ市の中学校を会場に紛争からの復興支援の一環としたスポーツ、文化、宗教の交流和平事業を実施しました。

これは、1983年より26年間にわたる内戦によって、敵対し交流のなかったスリランカ国内の3民族の青少年を対象に、スポーツや文化などの交流を行うことで、民族間の対話を深め持続可能な平和構築を促進する目的としています。さらに今年度は、AMDA中学高校生会の2名が日本から参加し、和平事業と人財育成事業の側面を持ったプログラムとなりました。

今回で5回目となるこのプログラムは、キリノッチが開催場所なりました。キリノッチはスリランカの北部に位置し、停戦中であった2003年から3年間、AMDAが巡回診療と健康教育を実施した地域です。スリランカ国内の3地域の4中学校からイスラム教、仏教、カトリック、ヒンドゥー教の学生75名とAMDA中学高校生会2名が参加しました。


プレゼンテーションを行う
AMDA中学高校生会の2人

22日には、キノリッチ市内にある4宗教の施設を見学し、それぞれの宗教についての相互理解を進めることができました。23日には全員を8つの混合グループにわけ、2種類のワークショップ、各学校の代表とAMDA中学高校生会によるプレゼンテーション、バレーボール大会やキャンプファイヤーなどを実施しました。プログラム最終日には文化交流を行い、閉会式で締めくくられました。

次世代を担う学生たちが、このプログラムに参加した経験を生かし、平和的な多様性の共存を実現することに期待しています。

【派遣者一覧】
AMDA中学高校生会 黒田 良美
AMDA中学高校生会 渡代 隆介
AMDAグループ代表 菅波 茂
AMDA職員 ニッティアン ヴィーラバーグ
AMDA参与 竹谷 和子

【派遣者の声】渡代隆介(AMDA中学高校生会)

僕にとって、このプログラムは「1つの国における多様性、そして人と人、国と国のつながりがいかに重要でかけがえのないものなのか」という事を生で感じることの出来たものでした。それを踏まえて、今後、自分は日本で何が出来るのだろうか? それは、まず、スリランカと日本とのこれまでの関係をより多くの人に伝え、スリランカに実際に赴いて、見て、聞いて、感じて、考えたことを発信していくことだと思っています。このプログラムの参加を決めて半年間、迷い、戸惑い、準備に苦労する日々が続きましたが、参加できたことを誇りに思っています。

【派遣者の声】黒田良美(AMDA中学高校生会)

出発時には、事前に準備したものと、今回はいけなかったAMDA中高生会のメンバー全員の気持ちを持って飛行機に乗りました。プログラムでは、言葉が通じなくてもそれぞれの歌や踊りを通して仲良くなることができました。

スリランカの学生たちと一緒に泊まり、コミュニケーションをとる中、性別による教育の差があるのではないかと感じました。そして女性教育の必要性を強く実感することができました。また、滞在中に菅波代表がお話しくださった何気ない言葉でも、私にとっては一つ一つが今後の生き方に意味をもたらしてくれる大切な言葉となりました。今回お世話になった、多くの関係者の方々に感謝申し上げます。

【派遣者の声】引率 竹谷和子(AMDA参与)

国や民族文化が違っていても同世代として理解しあえる、仲良くなれることの素晴らしさに感動しました。和平構築の原点に触れた感じを受けました。言葉の壁は確かにありましたが、スポーツや音楽等でそれをはるかに超えたつながりを実感しました。引率の先生達からも、「すばらしい、またこのようなプログラムを開催してほしい。生徒達も良い学びになった」などの高い評価を頂きました。