ネパール中部地震被災者に対する復興支援活動(2015/7発行ジャーナル夏号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ネパール中部地震被災者に対する復興支援活動(2015/7発行ジャーナル夏号)


養成講座の様子

2015年4月25日にネパール中部で発生したマグニチュード7.8の地震発生から3か月。同国内では80年ぶりとなる大地震となり、7月に入っても余震も続いています。死者8,897人、負傷者22,309人と報告されており、建物の全壊は53万件以上、半壊28万件以上の大災害となりました。(ネパール政府6月発表)

AMDAでは緊急医療支援活動に続き、AMDAネパール支部、トリブバン大学教育病院、ネパール医師会などと連携し、復興支援活動を継続しています。

 

AMDA・日本医師会・ネパール医師会合同復興支援事業〜カウンセリングボランティア養成講座〜

復興支援の一環として、日本医師会、ネパール医師会と共同で、被災者の精神的ケアの充実を図るため、カウンセリングボランティアの養成講座に取り組んでいます。これは、緊急医療支援期こAMDA医療チームが診察した患者の中に精神的なサポートが必要な患者が多くみられ、継続的な支援が必要と判断したことから実施が決定したものです。

6月12、13日の2日間で、第1回目となる講座をカトマンズ郡ダディン町の地域保健事務所で間催しました。地域のヘルスアシスタントや地方の開発担当のスタッフなど30人が参加し、精神科の専門家からPTSDや鬱、喪失などの心の問題、ストレス対処法、カウンセリング技術を学びました。

この講座でカウンセリング技術を学んだボランティアの方々が、それぞれの現地集落で、精神的な問題に苦しむ被災者の心のケアに対応することを期待しています。今後も引き続き、同様の講座開催を継続していく予定です。

AMDA・トリブバン大学教育病院合同復興支援事業〜無料巡回診療の実施〜

AMDAはトリブバン大学教育病院との合同復興支援事業として、シンデゥパルチョク郡での無料巡回診療を実施しています。これは山間部の支援が行き届きにくいエリアに往む被災者を対象とした医療支援活動です。

国籍医療ミッションに参加して−AMDAカンボジア モネイ医師からの報告


患者の診察を行うネイ医師(写真中央)

4月25日に発生したネパール中部地震の被災地支援に対して、AMDAカンボジア支部から医師1名、看護師1名がAMDA多国籍医師団として参加しました。ネパール・ヌアコットでの活動に参加したモネイ医師から活動報告が届きましたので以下に紹介します。

ネパール地震に対する緊急医療支援活動への参加を求める緊急連絡が、日本のAMDA本部から入ったのは5月2日のことでした。5月5日、ネパールの首都カトマンズに到着した私たちAMDAカンボジア医療チームは、AMDAネパールの医師らと合流し、カトマンズから100キロメートルほど離れた近郊の村で、医療活動を開始しました。2つの村で100人の患者の診察を行いました。水の供給不足、衛生環境の不十分などが原因と思われる、胃腸炎、皮膚疾患、風邪などが主な疾患でした。私たちの行った医療支援活動は、現地の人々に歓迎されました。

続く5月7日からは、AMDAインドチームも合流し、ヌアコット郡へ移動。翌日からの3日間に述べ350人の患者を診察することができました。ここでは胃腸炎や風邪症状、皮膚炎の他に、外傷や精神的な症状を訴える人々も見られました

私が滞在できたのはたった1週間でしたが、このミッションに参加し、緊急救援にどう関わるかなど多くのことを学び、AMDAの一員として被災者に貢献できたことを誇りに思います。我々AMDAの理念である「相互扶助」の精神が永遠に続くことを願っています。



  *皆様からネパール地震のために頂いた寄付金は、ネパールの復興支援の為、今後2年間被災者支援活動に役立てて行きます。