東日本大震災復興支援事業(2015/4発行ジャーナル春号) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

東日本大震災復興支援事業(2015/4発行ジャーナル春号)

発災から4年が経過しました。2015年3月11日14時46分。ちょうど発災から4年となったこの日、事務所でも、フィールドに出ているスタッフも、それぞれの場所で黙とうをささげました。

現在も復興の途中にある東日本大震災の被災地に対して、AMDAでは、「第2次復興支援3か年事業」として「医療・健康」「教育」「生活」を柱とした、様々な復興支援事業を継続しています。

AMDA大槌健康サポートセンター


AMDA大槌健康サポートセンタースタッフ
写真左から大久保、佐々木、菅谷

「町民のこころとからだの健康をサポートするふれあいスペース」として運営を行っているAMDA大槌健康サポートセンターは、地元大槌町出身、大槌町在住のスタッフによって運営されています。コミュニティスペースと鍼灸院を併設した、複合的なセンターとして、2011年12月の開所から、活動を継続しています。

コミュニティスペースでは、地域の方の心身健康、食生活の改善、子育て支援、運動促進などに着目した「教室」や「イベント」を行っています。2014年度のコミュニティスペースの利用者総数はのべ1,394人となりました。

また併設の鍼灸院では、ゆっくりと話しをしながら鍼灸治療を行うことで、利用者の心身の健康増進につながっています。さらに鍼灸師が講師となって、コミュニティースペースを利用して行う健康体操教室も人気です。2014年度の鍼灸院の利用者はのべ1,399人となりました。  震災からの復興に向けて5年目に入った大槌のスタッフ3名からメッセージが届きましたのでご紹介させていただきます。

5年目に向かって

センター長 佐々木 賀奈子

あっという間だったような、重く長かったような4年間でした。この3月11日に町内で開催された慰霊祭に出席し、その帰り道は、亡くなった患者さんや親戚、友達の顔を想い出しながら歩きました。それぞれの家があった辺りを通る時は、手を合わせてきました。
震災から毎年、3月11日には亡くなった親友の家の跡地に行き、手を合わせていましたが、今年の3月11日、彼女の家のあった場所は、グランドとして埋め立てられています。グランドの中に入り、確かこの辺りだったというところで、手を合わせてきました。
町の風景はあの日から大きく変わりましたが、どんな形になろうが、私たちの故郷にはかわりありません。

震災のことを振り返ると、あの時もっと何か出来たのでは、一人でも、あともう一人でも助けれなかったかと、自分自身を責める思いが、こみあげてきます。でも、その思いを抱えているからこそ、今出来る事をさせていただこうと強い思いがこみ上げてきます。
時間の経過と共に、町内の方々の考え方には大きな温度差がでてきた様に感じています。だからこそ、私は一人ひとりに寄り添いながら、5年目に向かって行きたいと思います。

この場をお借りして、ご支援頂いている皆様への心から感謝申し上げます。

震災から4年を迎えて

スタッフ 大久保 彩乃

いつも東北を想いご支援してくださる皆様に心より感謝申し上げます。 震災から4年が過ぎ、現在の大槌町内はここ数か月の間で、土盛りが進み、以前の町の姿を知っている町民すら、以前の町が分からない地形となっています。
「やっと」工事が進みはじめたと思う一方で、自分の記憶でしか残らない震災前の風景に寂しさも感じます。

今年は4年前と同じ場所に立ち、黙とうをささげました。4年前に見た、あの悪夢のような光景と恐怖心。それを思い出しながらも、津波が町を襲った時刻を過ぎると、一転して、只々空しさだけがこみあげてくる4度目の3月11日となりました。
確実に見えてきている町や建物などの「再建」。しかし「再建」だけが復興だとは思っていません。 これからも町民の方々に寄り添い、皆さんと笑って過ごしたいと思っています。

 

“あの日”から…

スタッフ 菅谷 安美

2015年3月11日。忘れもしない”あの日”から、4年の月日が経過しました。 もう4年。まだ4年。 人それぞれ感じ方は違いますが、確実に言えることは、震災の風化が進む一方で、復興への道のりは未だ遠く長いということです。

今年の3月11日。町を一望できる場所から、黙とうし、目を閉じると、大切な人たちの笑顔、大好きな町並みが目の奥に浮かびました。
「復興とは何か」と、自分自身に問い続ける日々ですが、これからもみんなで手を取り合いながら、ゆっくり歩んでいけたらと思います。
被災地に想いを寄せてくださるすべての方に、感謝の気持ちを込めて。

 

AMDA大槌健康サポートセンター ホームページ開設!

毎月の行事予定や、スタッフのブログ、チャレンジショップのご案内など情報満載!ぜひご覧ください。
http://kensapo.jimdo.com/

 

被災地鍼灸支援活動


鍼灸治療を行う吉田鍼灸師

復興支援事業の一つとして、岩手県大槌町、宮城県石巻市雄勝町でそれぞれ地元鍼灸師の協力を得て、地域住民のための鍼灸治療を続けてきました。

石巻市雄勝町での仮設住宅の談話室などを活用した巡回による無料鍼灸プロジェクトの実施は、地元石巻市出身の吉田鍼灸師の協力のもと2012年4月から試験的にスタートしました。2012年9月から有料治療に切り替え、週に2回のペースで実施し、3月末まででのべ1,314人の患者を治療しました。

取り組みから3年。2015年4月からは吉田鍼灸師が本事業を引き継ぎ、鍼灸治療活動を継続してくださることになりました。吉田鍼灸師からの声をお届けします。

3年間の活動を振り返って

鍼灸師 吉田 悟

2015年3月末をもって、AMDAとして約3年にわたり実施してきた、雄勝町での訪問鍼灸プロジェクトを無事に終えることができました。
この3年の間、訪問鍼灸を続けるのが困難になりそうな時もありましたが、住民の方に必要とされ、喜んでいただけていた事が、私の原動力となり続けてこれたのだと感じます。
最初は鍼灸治療を受けることが未経験とう患者の方がほとんどで、恐怖心を抱いていた方もいた様ですが、今はそれも無くなり、体の調子が良くなると喜んでくださっています。
雄勝町の住民の方々をはじめ、AMDAのスタッフ、雄勝診療所の先生方、その他、ご協力をくださった関係者、支援者の方々には、大変お世話になりました。皆様のご協力無しには、ここまで続けることができませんでした。この場を借りて、心より御礼申し上げます。
AMDAのプロジェクトとしては、終了いたしましたが、今後はいち鍼灸師として、値段設定を改め、雄勝町で需要がある限り、訪問鍼灸を続けていきたいと思っております。

AMDA支援農家による震災ホームレス支援

AMDAの活動を農産物の提供を通じて支援する「AMDA支援農家」の皆様のご協力により、2014年度は米1,550kg、卵1,000個を55農家の方から提供頂くことができました。これらは全て、NPO法人「仙台夜まわりグループ」を通じて、震災の2次的被災者とも言われる「震災ホームレス」の方の支援に提供させて頂きました。