2013年度年次報告 会議、セミナー(2014/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2013年度年次報告 会議、セミナー(2014/7発行)

2013年度年次報告 会議、セミナー

アジア相互扶助災害医療ネットワーク会議

◇実施場所 岡山市、総社市、新庄村
◇実施期間 2013年4月12日〜4月18日
◇主な参加団体 韓国キョンギドー医師会、台湾IHA、アフガン健康開発事業、AMDAバングラデシュ支部、インドネシア 財団法人118EASファウンデーション、キルギスタン インタービリム国際センター、マーシーマレーシア、モンゴル救急医療サービスセンター、ミャンマー医師会、パキスタンNRSP、フィリピン農村地域再建運動、韓国メディピース、AMDAインターナショナル、岡山市、総社市、新庄村、AMDA


参加者とともに

◇事業内容
アジアのさらなる多様性の共存の実現に向けて「開かれた相互扶助」をさらに深化させ、ネットワーク強固なものにすべく、国や地域を代表するローカルNGO等を日本に招へいして、積極的な意見交換や経験交流などを実施した。AMDAが各団体間の橋渡し役となり、各国の文化背景を基に各団体の得意分野を共有しながら、今後の相互協力に向けた実施体制を作り、参加者による宣言を採択した。

女性の人権と相互扶助 AMDA-VSCO合同プログラム


ディスカッションの様子

◇実施場所 岡山国際交流センター
◇実施期間 2013年9月21日
◇主な参加団体 国連人口基金、岡山県、岡山市、総社市、岡山弁護士会、岡山県産婦人科医会、公益社団法人被害者サポートセンターおかやま(VSCO)、AMDA
◇共催 AMDA、公益社団法人被害者サポートセンターおかやま(VSCO)、特定非営利活動法人アムダ(AMDA)
◇後援 岡山県、岡山県教育委員会、岡山市、岡山市教育委員会、倉敷市、倉敷市教育委員会、総社市、総社市教育委員会、岡山弁護士会、岡山県産婦人科医会

◇事業内容
女性の人権と社会的地位の向上に目を向けて、事件のために奪われた人権を取り戻すための支援活動を行っている自治体、団体から、それぞれの活動をふまえた活動報告を実施。シンポジストによるこれからの女性の人権と相互扶助についてのディスカッションが行われた。

食糧と人道支援シンポジウム 東日本大震災を通して見えたもの AMDA-夜まわりグループ合同シンポジウム


AMDA支援農家の方々へ認定証の授与

◇実施場所 岡山国際交流センター
◇実施期間 2013年11月2日
◇主な参加団体 WFP国際連合世界食糧計画、特定非営利活動法人夜まわりグループ、日蓮宗太生山一心寺、生活協同組合 おかやまコープ、AMDA支援農家、AMDA
◇共催 AMDA、特定非営利活動法人仙台夜まわりグループ

◇事業内容
「食は命の源」の認識のもとに、東日本大震災を通じて改めてクローズアップされた「災害後の食料支援」について、直接被災地支援に関わった3団体からの基調講演および活動報告から、改めて食料支援の重要性などを考える会議の場となった。さらにAMDAが実施する人道支援活動を農産物(米)の提供で支援を行う制度として「AMDA支援農場制度」を確立。会議当日は、支援農場に名乗りを上げてくださった46の個人および団体の方々から預かったお米を囲んでの会議となり、それぞれに「AMDA支援農場」としての認定証を贈呈した。なお2013年度に集まったお米は、東日本大震災の震災ホームレス支援として本会議を共催したNPO法人夜まわりグループを通して被災地の支援活動に充てられた。

第1回国際医療貢献フォーラム


会議の様子

◇実施場所 メルパルク岡山
◇実施期間 2013年12月14日
◇主な参加団体 岡山県副知事、総社市、新庄村、岡山県立大学、ネパール・トリブバン大学、岡山大学、高知大学、岡山大学病院、社会福祉法人恩賜財団済生会 岡山県済生会 、川崎医療福祉大学、独立行政法人労働者健康福祉機構岡山労災病院、社会福祉法人旭川荘、社会医療法人財団MIU麻田総合病院、日本・ミャンマー医療人育成支援協会、歯科ネットワーク岡山から世界へ、RNN(人道援助宗教NGOネットワーク)、岡山倉敷フィリピーノサークル、AMSA(アジア医学生連絡協議会)、AMDA、岡山経済同友会、ナカシマメディカル株式会社、メガネの三城ワールドオプティカルカレッジ、厚生労働省
◇共催 岡山県、AMDA

◇事業内容
国際医療貢献に取り組む自治体、団体、企業等が一堂に会して各々の取組について発表し、意見交換、情報交換を行った。医療分野に留まらず様々な分野との協働に発展させ、国際貢献先進県・岡山の実現に向けて大きなきっかけとなるフォーラムとなった。「自治体医療外交」「大学による国際医療貢献とグローバル人材育成」「医療機関による国際医療貢献」「NPO/NGOによる国際医療貢献」「岡山モデルの世界展開」の5つのグループ分けを行いそれぞれの立場からの24件の発表ののち「国際保健の最新の動向」として厚生労働省の高崎氏より講評を頂いた。いずれの発表からも次世代の人材育成が今後の国際医療貢献に非常に重要であることが述べられ、第2回国際医療貢献フォーラムの開催に向けた投げかけとなった。

フィリピン台風30号復興支援会議“開かれた相互扶助/バヤニハン”


会議の様子

◇実施場所 フィリピンマニラ市内
◇実施期間 2014年3月8日
◇主な参加団体(メッセージ提供含む)
フィリピン農村再建運動(PRRM)、民間防衛局首都圏地方局、レイテ州(州議会議員)、東サマール州ギボロス町(町長)、レイテ医師会、タクロバン市(市議会議員)、市農業委員会(委員長)、フィリピン保健省国際保健課、フィリピン陸軍軍予備役軍、フィリピン海軍予備役軍、イロイロ市ライオンズクラブ、マーシーマレーシア、台湾ルーツ代表、AMDAインドネシア支部、AMDAインド、AMDAバングラデシュ、AMDAカンボジア、AMDAフィリピン、福山医師会、日本医師会、フィリピン医師会、タクロバン市、メディピース、AMDA
◇共催 フィリピン農村再建運動(PRRM)、AMDA

◇事業内容
2013年11月に発生したフィピン台風30号復興支援および今後のフィリピンにおける災害に対する協力について話し合うことを目的とした本会議には、国内外を含め110人の参加があった。

開会の挨拶後、政府・非政府合わせて12の組織がフィリピン台風30号に関する体験、活動、計画を発表し、グループディスカッションを行い、フィリピン台風30号復興支援や今後のフィリピンにおける災害対策と対応について話し合った。会議の最後には「相互扶助/バヤニハン」の精神のもと提唱された「フィリピン台風30号復興支援マニラ宣言」”が採択された。マニラ宣言では、?フィリピン台風30号被災者への支援?今後の災害に対する備え?皆が共有するより良い世界の実現、という3つのことが示されている。

国連本部委員会でプレゼンテーション

◇実施場所 ニューヨーク国連本部
◇実施期間 2014年2月12日
◇派遣者 AMDA名誉顧問・田島幹雄

2014年2月12日、ニューヨーク国連本部で行われた第52回社会開発委員会において、田島幹雄AMDA名誉顧問が「貧困撲滅・社会融合・雇用安定」をテーマにプレゼンテーションを実施した。プレゼンテーションの内容は以下の通り。

AMDAは世界65か国において医療と健康を中心に活動を実施し、これまで154回の緊急救援活動や復興支援等を行っている。AMDAは世界中の人々が、未来への成功、努力、考えを実現できるために活動を展開しています。

自然災害、人為的災害が起これば、緊急人道援助の必要性は日々大きくなります。約3年前、マグニチュード9.0の東日本大地震の津波は、壊滅的な被害をもたらし、住民、住宅、車、すべてを飲み込み、押し流してしまいました。これは明らかに、過去何十年の間に起こった最も恐ろしい自然災害のひとつだと言えます。被災地に最初に入った団体のひとつであるAMDAは、現在も救援活動や復興支援を積極的に行っています。私たちは、思いも寄らない自然の威力を目のあたりにして、あまりにも人間が無力であることに、絶望しました。しかし同時に私たちは、東北の人々の、困難から立ち上がために努力する強さや勇気を見せられました。

今日、災害による過酷な現実は、直接的被害を受けた被災地に今もなお、深刻に残っています。

地元自治体が、高い失業率や、地震や津波によって完全に破壊された地元企業の再編に苦心しているために復興は遅れています。被災した人々にとって、生活は未だに厳しい状況です。人々は災害の犠牲になった家族や友人への、終わることのない悲しみの中にいます。人々はこの厳しい試練の時を乗り越えるために力の限り闘っています。彼らを支えているのは、地域の人々、また地域以外の人々でもあります。

「隣人」を結びつける強い信頼や絆は、現代の日本の地域社会に今も残っています。伝統的に、日本社会は隣人同士の相互支援のシステムを作りました。私たちはこれを「相互扶助」と呼び、AMDAの活動指針のひとつであります。これは確実に国境を越えて、日本や他国からの多くのボランティアが被災地に支援に来ています。

私たちの記憶に残る、深刻に被害を受けた地域のひとつが原子力発電所のある福島です。ところが最近、福島からの心強いニュースが届きました。それは、ローカルイニシアチブや地元の人々の決断によってAMDAがこれまで被災地域の商店街と5回にわたっておこなってきた、福島県内外での被災地間交流を強化する復興事業を2週間前に福島で開催したというニュースです。

風評被害の逆風の中、過去最多となる8000名以上が参加しました。しかもその9割は、福島県内からの参加者でした。参加者は美味しい食事、スポーツ大会、子どもたちのゲームなど、終日楽しい時間を過ごしました。これは明らかに、何としても困難を乗り越えていくという地域住民の決意の表れであると思います。このローカルイニシアチブは、またAMDAのもうひとつの重要な指針です。このような「地域交流事業」が進められていくべきだと思います。

災害危機管理の面から言って、地震津波発生後どの様な外部の団体が被災地の団体にどの様な支援を行なうべきか、どの段階で誰が撤退し、誰が引き継ぐかを関係者が一同に会して「復興への道筋」の作成に努める。これと関連して地元の雇用も出来るだけ早い段階に実現させる努力が必要。又被災地の若者に希望を与えるという面からも「アムダの医療獎学金制度」設立案は望ましいものです。

イニシアチブ。但し最終的に最も価値を置くべきなのは、ローカルイニシアチブ、被災地の人々の決断,そして地元の人々を失望させないことです。私はこの相互援助の輪に参加していく人々を見て、大きな喜びを感じます。これが相互扶助の最も理想的な形です。

私たち人間は自然の脅威の影響を避けることはできません。しかしそのような危機的状況の中でお互い助け合い、連携することで、私たちは希望を持ち、前に向かって進むことができるのです。

ありがとうございました。