2011年度年次報告 被災地フォローアップ活動(2012/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2011年度年次報告 被災地フォローアップ活動(2012/7発行)

2011年度年次報告 被災地フォローアップ活動

インドネシア・メラピ火山噴火被害に対するフォローアップ活動

◇実施場所 インドネシア共和国ジャワ島中部 マゲラン県バンジュドノ村、ボヨラリ県セロ郡クラカー村
◇ 実施期間 2011 年5 月5 日〜 8 日、2012 年2 月13 日〜 14 日
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成 現地NGO「YKP スラカルタ」

◇事業内容
2010 年11 月に発生したインドネシア・メラピ火山噴火による被災者に対して災害直後に緊急医療支援活動を行った。

そして今年度、2回のフォローアップ活動を行った。5月にマゲラン県で、周辺の村の参加者も含めて100 人が参加し、溶岩の被害を受けた墓地の移転作業や、排水溝の整備を行った。

2012 年2 月には、メラピ火山の山頂から3 キロの距離にあるボヨラリ県セロ郡クラカー村からの上水設備の整備支援要請に応え、上水道整備をトラック2 台で運び込み、設置した。

クラカー村長からAMDA とYKP スラカルタへ感謝状が贈られた。

◇受益者の声
5 月の活動に参加したボランティアの一人は「日本の人びとは津波の被害を受けたにも関わらず、まだ私たちのことを考えてくれている。日本の人びとの支援に大変感謝します」と語った。

ハイチ共和国 無料歯科診療


フォンデヌグル市救世軍病院内で
歯科治療を行うAMDA歯科チーム

◇実施場所 ハイチ共和国ニップ県ミラグラン郡フォンデヌグル市
◇実施期間 2012 年2 月3 日〜 2 月4 日
◇派遣者 日本からの派遣者はなし
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
マック・ケビン・フレデリック歯科医師/AMDA ハイチ支部長、レンズ・パトリック・エチエンヌ医師、その他、歯学生2 人、助手3 人、運転手1 人、調整員5 人のチーム13 人

◇事業内容
AMDA ハイチ支部は、2012 年2 月3日と3 日の2 日間、ハイチ南西部に位置するニップ県ミラグラン郡フォンデヌグル市の救世軍病院で、無料の歯科診療を行った。AMDA は2010 年1 月のハイチ地震以降、ハイチにおける復興支援を続けており2010 年度には、コレラ対応医療チームを救世軍病院に派遣した経緯から同病院での実施に至った。同病院には歯科がなく要請をうけ2012 年2 月に無料歯科診療を実施。AMDA ハイチ支部の支部長で歯科医師のマック・ケビン・フレデリックが中心となり、13 人から成るチームを形成した。歯科チームは、歯科診療に必要な医療器具・消耗品(5 万円相当)をポルトープランスで調達し、114 キロ離れたフォンデヌグル市の救世軍病院まで陸路で移動し、救世軍病院で無料歯科検診を行った。

2 日間の無料歯科検診には、病院があるフォンデヌグル市のほか、周辺の南県アカン郡やニップ県ミラグワーヌ郡からも、片道20 キロあまりの距離を移動して受診に訪れる人びとがいた。フォンデヌグル市周辺には歯科がなく、通常歯科を受診するためには、47 キロ離れた西県レヨガーヌ郡プチゴアーブ市もしくは、首都ポルトープランスまで行かなくてはいけない。AMDA歯科チームは、救世軍病院を訪れた合計58 人の患者に対して、歯科検診や抜歯などを行った。同時に患者に対して虫歯の予防法についても指導した。

◇受益者の声
なかなかこういう機会は無いので歯科検診は良かった。大変満足しました。
25 歳のオーガスト・シャングレール

◇現地協力機関
フォンデヌグル市救世軍病院

ハイチ地震復興支援 義足支援・スポーツ親善交流フォローアップ活動


AMDAハイチ支部フレデリック支部長(右から3人目)

◇開催場所 ハイチ共和国西県ポトプランス郡ポルトープランス市
◇開催時期 2011 年12 月24 日
◇派遣者 日本からの派遣者はなし
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
マック・ケビン・フレデリック歯科医師/AMDA ハイチ支部長、アシスタント4人の計5 人

◇事業内容
2011 年12 月24 日にAMDA ハイチ支部主催のクリスマス会がポルトープランス市内で開催された。クリスマス会には、AMDA の「義足支援事業(2010 年5 月〜 2011 年1 月)」で、義足の無償提供を受けたハイチ地震の被災者の人びとが招待された。ドミニカ共和国で開催されたAMDA の「日本・ハイチ・ドミニカ共和国スポーツ親善交流プログラム(2010年8 月)」に参加したハイチの子どもたちも招待された。合計で62 人が出席した。義足の無償提供をした被災者の人びとや、スポーツ交流に参加した子どもたちを招いて、AMDA ハイチ支部がクリスマス会を開催するのは2010 年12 月に引き続き2 回目になる。

クリスマス会ではAMDA ハイチ支部のマック・ケビン・フレデリック支部長からAMDA ハイチ支部の活動報告が行われた後、飲み物や食事が振る舞われたり、皆でダンスを踊ったりした。義足をつけた人もダンスに加わり、参加者は皆満足している様子だった。

◇受益者の声
AMDA が義足を提供したデュラ・ミルダー(31 歳・女性)
「AMDA から義足を提供された人たちのためのクリスマス会に参加するのは、私は2 回目になります。大変満足しました。楽しかったです。」

AMDA が義足を提供したガエル・エズナール(19 歳・女性)
「昨年1 月に神戸の式典に参加しました事をしっかりと覚えており、心から感謝し、またその日の事を今は懐かしく思い出しています。よろず相談室(注)の皆さまそして他の団体の方々が私の事を気にかけてくださいました。私は、神戸が1995年の1 月17 日の被災からこれほど早く復興した事に驚くとともに、ハイチはあと復興には50 年はかかるだろうと思いました」
(注)阪神・淡路大震災の震災被災者の方々の会

◇現地協力機関
ハイチ日本社会文化普及協会(CUSOPHAJ,Haitian Japanese Association for Social and Cultural Promotion)