2010年度年次報告 長期支援(2011/7発行) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2010年度年次報告 長期支援(2011/7発行)

2010年度年次報告 長期支援

AMDAピース・クリニック

◇実施場所 インド・ブッダガヤ
◇実施期間 2009年11月〜現在継続中
◇派遣者 ニティアン・ヴィーラヴァーグ AMDA本部職員
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成 スリランカ人アユルヴェーダ医師1名、現地セラピスト1名、アシスタント2名

◇事業内容
アユルヴェーダ治療を中心とする診察、無料医療キャンプ等の実施

2009年末の発足以来、AMDAピース・クリニックは、地元コミュニティーを対象にインドの伝統医学・アユルヴェーダの治療を行ってきた。単なる疾病の治療に留まらないアユルヴェーダは、何世紀にも渡って蓄積されてきたヒーリング科学の集大成といえる。アムダ・ピース・クリニックでは個人の心身の均衡を整え、免疫力の改善や心身のバランスを高めることで病気を予防することを主眼としている。

このクリニックは、国内はもとより世界24か国から500人の巡礼者や旅行者が来院するに至った。また地元コミュニティーにおいては無料医療キャンプなどの地域保健プロジェクトが根付いてきた。同クリニックでは、スリランカ人専門医を中心に、一名のセラピストと二名のアシスタントが月曜日から土曜日まで日々の診察にあたっている。診察料は最低料金で30ルピー、薬は直接購入価格で提供されている。料金は治療の内容と時間によって異なるが、地元住民には割引が適用される。

AMDAピース・クリニックでは無料医療キャンプや診療以外にも様々な活動を行っている。

栄養プログラム

このプログラムは写真の子供が発端となり2010年に始まった。子供の母親は自ら命を絶ち、父親は残された家族を養う為、幼子を家に残して早朝から働きに出なくてはならず、その結果、子供が栄養失調に陥ってしまった為、クリニックでは毎月栄養補助を行うことになった。

口唇口蓋裂手術の支援

ブッダガヤ近隣の村々で行った調査で約10件の口唇口蓋裂の症例が見つかった。その後、バラナシにあるスマイルズ病院の協力の下、クリニックでスクリーニングを行い、8名の患者を選出した。患者輸送の手配はアムダが行い、8名はバラナシで手術を受けるに至った。

恵まれない子供たちへの文房具の配布

アムダ・ピース・クリニックから約3キロの場所に位置しているサッダンマ学校に文房具の寄贈を行った。

 

AMDAモンゴル眼科医療奉仕団とAMDA医療と魂のプログラム

 


検眼する内田氏

◇実施場所: モンゴル、都市 ウランバートル
◇実施期間:
第1次2010年6月23日〜7月1日 白内障手術、検眼セミナー
第2次2010年8月21日〜8月24日 白内障手術後検診、医療と魂のプログラム
第3次2010年9月4日〜9月9日 モンゴル健康科学大学協力協定締結 菅波奨学金授与式
◇派遣者:
第一次 内田豪(めがねコンサルタント) 難波 妙(AMDA本部)
第二次 清水直樹(内科医)(内科検診と白内障手術後の聞き取り調査担当)岡山理科大学情報科学科 北川文夫先生、劉 渤江先生(プロジェクト全体の記録)AMSA(アジア医学生連絡協議会)Japanメンバー 岡山大学3年 村上 拓AMDA本部 難波 妙
第三次 菅波茂、菅波知子
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
医師6名、看護師2名、検眼師1名、現地調整員3名、日本側調整員3名、運転手1名、医学生6名(AMSA モンゴル)1名(AMSA Japan)
◇現地協力機関(市保健所、市役所など)
モンゴル国保健省、モンゴル眼科協会、モンゴル宗教省 ガンダン寺、
◇実施協力団体
人類愛善会モンゴルセンター、City Optic

◇事業内容
09年度の現地調査を踏まえ、2010度は、白内障手術、検眼師セミナー、眼鏡の必要な子どもへの眼鏡無償提供、ガンダン寺における平和祈願祭、モンゴル国立健康科学大学との協力協定締結、菅波奨学金の授与などを実施。

白内障の手術についてはハルハ河戦争従軍者を中心にその配偶者など合わせて24名に実施。8月には日本側から清水内科医に渡豪。白内障患者様を中心に内科検診をした。

検眼師セミナーについては、めがね技術コンサルタントの内田豪氏によるハイレベルのセミナーが実施され、120名のモンゴル各地から参加した眼科医に受講証と単位が認定された。今回のように外国人が検眼について講義するセミナーはモンゴル国初ということで、眼科医の先生方の関心も高く非常に熱心であった。

また、モンゴル国立健康科学大学との協力協定書締結が実現したことで、今後、モンゴルの医学生との協同プロジェクト実現の可能性が広がった。また同締結式で菅波奨学生1期生への奨学金授与も行われ、モンゴルの将来の医療界を担う人材を育成する一翼を担うことができた。

◇裨益者の声
白内障の手術を受けた方々の感想 第3病院
本当によくなりました。私は手術後、家へ帰ったのですが、家にある物が全部新しくなったように見えていました。

検眼師セミナー参加者の声
モンゴルの眼科医を含め、眼鏡店など全体に検眼技術の向上が必要だと参加者全体が認識した貴重な機会だった。 今年度だけに終わらず次年度も是非行ってほしい。(眼科協会会長のコメント)

 

アムダ・カンボジア支部 HIV/エイズおよび性感染症防止に向けた青少年育成スポーツプログラム

 

◇実施場所 カンボジア・プノンペン
◇実施期間 2011年1月から継続中
◇現地での参加者を含めた事業チーム構成
AMDAカンボジア支部
現地ボランティア団体The Happy Footbal Cambodia Organization (HFC)
プノンペン市内貧困地区の青少年達

◇事業内容
日常的に暴力や薬物依存、性感染症、とりわけHIV/エイズ感染の危機に晒されているプノンペン市内貧困地区の青少年を対象にサッカーを通じた啓蒙活動を実施。『薬物や暴力よりスポーツを』をテーマに、心身の健康、規律、物事への貢献、団結心を育むべく、市内プレア・シソヴァス高校にて毎週土曜・日曜の朝に練習を行っている。コーチにはカンボジアサッカー協会から専門家を派遣。また練習に必要な資材、Tシャツ、水の提供、練習場のレンタルの手配などを現地団体HFCが担当している。

また、参加者各々が自身のコミュニティーの教育者となるよう、HIV/エイズおよび性感染症防止に関する教育も行っている。

◇現地協力機関
The Happy Footba11 Cambodiaorganization(HFC)
カンボジアサッカー協会