世界平和に寄与する「市民参加型相互扶助人道支援外交」(2009/7発行ジャーナル7月夏号掲載) – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

世界平和に寄与する「市民参加型相互扶助人道支援外交」(2009/7発行ジャーナル7月夏号掲載)

世界平和に寄与する「市民参加型相互扶助人道支援外交」

AMDAグループ代表 菅波 茂


北京で開催された国連経済社会理事会
「アジア・太平洋地域における
衛生知識普及のため年次報告会」
に出席した菅波代表

 2009年は国連機関や国際機関が主催する会議に立て続けに参加する超多忙な年となりました。具体的には、3月にスリランカ・コロンボで開催されたスリランカ政府と国連経済社会理事会との閣僚級会議、4月にはスイス・ジュネーブで開催された世界保健機構の新興感染症に関する会議と中国・北京で開催された国連経済社会理事会の会議、そして7月にはジュネーブで開催された同理事会と各国政府との会議です。これらの会議のテーマは「健康」でした。

 国連と各国政府の政策形成にNGOが参加できる資格が、国連経済社会理事会の総合協議資格です。AMDAは、2006年8月に世界で137番目の団体として、日本では最初の医療NGOとして認定されました。この資格を有するNGOはアジア地域では少数です。1984年、AMDA発足以後、緊急人道支援のみならず貧困対策などの社会開発の実績が認められた成果です。AMDAを支えてくださっている方々にあらためて感謝申し上げます。

 2009年はAMDA創設25周年となります。25年間に世界の人たちのお役に立てたことを幸せに感じると共に気が付いたことがあります。それはAMDAに関与してくれた人たちが日本のみならず、国連や国際機関などの世界中で活躍している事実です。医学生の時にAMDAの前身であるアジア医学生連絡協議会(AMSA、1980年設立)に参加していた最年長の医学生がもう50歳前後です。AMDAに関与してくれた人だちとの総数を累積すれば数千人になります。驚くべき数字です。

 AMDA創設25周年記念資料室として25年間の活動実績と共に、AMSAを含めて、AMDAに関与していただいた人たちの人名録を整備中です。そして日本のみならず世界のAMDA支部の活動と人名録を5年間かけてAMDA創設30周年大会までに整備したく思っています。

 国連経済社会理事会の総合協議資格によって形成される国際機関及び各国関係者とのネットワークとAMDA関係者の国内及び海外ネットワークが融合することによって、AMDAの掲げる「市民参加型相互扶助人道支援外交」が世界平和に寄与することを目指します。「市民参加型相互扶助人道支援外交」の中核は相互扶助です。困った時の真の友は誰か。それは、困難を共に解決しようと歩み寄る人たちです。困難を共に解決する過程により生まれる尊敬と信頼のネットワークが世界平和実現に向けた確実な歩みとなる、と考えます。相互扶助という「日本人の常識」が[世界の良識]でもある、と信じています。

 今秋、AMDA創設25周年大会が企画されています。世界各国からAMDA支部長たちが岡山に集まり、「市民参加型相互扶助人道支援外交」の理念とコンセプトを世界へ発信する大会になるのでは、と期待しています。

 皆様方の今後共に変わらぬご理解とご支援を心からお願い申し上げます。