「行こうという気持ち」が大事
医療法人アスカ会看護主任 看護師 小堀他津子
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私は今回で、海外での医療支援活動が4度目となりました。これまで、台湾大地震緊急救援(1999年9月)、インドネシア・ニアス島緊急医療支援(2005年3月)、インドネシア・スラウェシ島洪水緊急医療支援(2006年6月)に参加しました。
これまでの活動と大きく違った点が3つあります。
㈰軍事政権下で活動の制約が多く、ミャンマー入国後4日目からやっと被災地に入れました。保健省の役人の方が同行されました。国際NGOで活動許可が出たのはAMDAだけと聞きました。これもひとえに1995年からミャンマーで支援し続けているAMDAの活動があるからこそだと思います。
㈪地域のコミュニティ組織がしっかりしている点です。巡回診療において、準備から片付けや診療の受付、患者の誘導など、村人でボランティアをされる方がどこの村でもいらっしゃいました。そして診療が一段落すると、最後に自分たちが受診票を持って並びます。またその村に住む助産師や看護師が一緒に巡回診療補助業務をされていました。
㈫巡回診療のローカルスタッフのチームと保健省の人たち、日本のチームが違和感なくチームワーク良く活動できていました。過去3回の活動で多く感じた「日本からわざわざ来てくれてありがとう」と言うメッセージではなく、ごく普通にすんなり自然にチームに入れた感じがしました。同じ時代を生きる人として、国境や人種や言葉は関係なく、同じ目的で同じ時間を共有するという連帯感がありました。特に看護師は看護師同士通じるものがあったように思います。何よりも人々が優しく、こちらの方がたくさんお世話をしていただきました。仏教国だからでしょうか。ボランティア精神=功徳を積む事だと聞きました。
4度の活動を通して、今は「行こうという気持ち」が大事だと考えるようになりました。現地の人と同じ食べ物を食べ、同じように生活する。このような機会が無かったら一生出会わなかったであろう人との出会い。日本の生活や医療のありがたさを痛感し、アスカ会に勤務しているからこそ経験できる貴重な体験と感謝しています。