ホンジュラス洪水被害に対する緊急支援活動 3 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ホンジュラス洪水被害に対する緊急支援活動 3

ホンジュラス共和国政府によると、10月16日にホンジュラスを襲った熱帯低気圧16号の被害は、11月4日(現地時間、日本時間は+15時間)時点で死者34人、被害者27万9972人に上っている。 [pagebreak]

 AMDA緊急医療支援チームは、保健省エルパライソ県保健地域事務所の要請により、10月27日から29日の3日間、同県ダンリ市内の被災地で巡回診療を行った。27日はビジャ・リカ村の公民館で161人、28日はラ・リマ・デ・エスクァパ村の小学校で143人の診療を行った。29日に巡回診療を実施したオホ・デ・アグア・マタサノ村には、小学校や教会などの施設がないため、家庭訪問により51人を診療した。
 3日間の診療患者数は355人で、寄生虫症(24%)、急性呼吸器感染症(21%)、貧血(13%)、アレルギー性皮膚障害(9%)、頭痛(7%)が多くみられた。また、懸念されたリューシュマニア症については、診断の結果、リューシュマニア症ではなく、ダニの一種による疥癬症(かいせんしょう)であることが分かり、適切な治療を行ったため、大きな問題には至らなかった。

 AMDA緊急医療支援チームは、10月29日に同県保健地域事務所と協議した。ダンリ市内で避難所生活をしていた被災者の多くが既に自宅や家族・親戚の家へ移動したことや、アクセス可能な地域において医療ニーズに対応できたことから、同日の活動を最後に、巡回診療を終了することを決定した。一方、土砂崩れや河川の氾濫により、アクセスできないコミュニティーに関しては、今後の道路復旧状況などをみて活動を検討する。

【AMDA緊急医療支援チーム(10月27〜29日)】
 渡辺咲子  AMDA社会開発機構ホンジュラス事業  事業統括(看護師)
 浦上晶絵  AMDA社会開発機構ホンジュラス事業  業務調整員
                          (テグシガルパ事務所にて調整)
 レッサ・メディナ AMDA社会開発機構ホンジュラス事業      医師
 エメルソン・ロドリゲス AMDA社会開発機構ホンジュラス事業  調整員
 ヤーネル・カルデロン AMDA社会開発機構ホンジュラス事業  調整員
 ドゥニア・ゴンザレス エルパライソ県保健地域事務所       医師(キューバ人)
 ホセ・アルベルト・フルートス  エルパライソ県保健地域事務所 医師(キューバ人)
 ドリス・ロペス       エルパライソ県保健地域事務所     看護師
 パトリシア         エルパライソ県保健地域事務所     看護師
 エルビア・エストラーダ エルパライソ県保健地域事務所     准看護師
 バスタサル        エルパライソ県保健地域事務所     環境衛生技師
 ウイルフレド・フローレス エルパライソ県保健地域事務所    環境衛生技師
  *上記に加えて地元の警察官と軍人が安全管理のため同行した。

【AMDAがホンジュラスで実施している事業】
1.エルパライソ県母子保健向上支援事業 
    エルパライソ県トロヘス市、ダンリ市、エルパライソ市、
    2007年〜継続
2.世界基金エイズ予防事業運営管理
    全国、2004年〜継続

<皆様からの募金を受け付けております>
郵便振替:口座番号01250-2-40709
口座名「特定非営利活動法人アムダ」
*通信欄に「ホンジュラス・洪水」とご記入下さい

 


洪水による土砂崩れの跡


家庭訪問による巡回診療の様子


診療するレッサ医師(左奥)と
薬を手渡す渡辺事業統括(右)


診療を受けにきた患者