スマトラ島沖で30日発生した地震被害について、インドネシアのスパリ保健相は、今後死者数はさらに増えて4,000人近くになるとの見方を示した。人口約90万人のパダンでは救出作業が続いたが、崩れた建物の下になお数千人が埋まっている可能性があるとみられている。インドネシア当局は、これまで確認された死者と行方不明者が809人に上ると発表。また数千人の人々が建物の下敷きになっている恐れがあると述べた。一方、国連のホルムズ人道問題調整官は、今回の地震による死者は1,100人前後に達したとの見方を示した。[pagebreak]
AMDAでは、1日の岡山からの第1次医療チーム2名の派遣に続き、第2次医療チーム5名を4日派遣した。第1次チームはAMDAインドネシア支部医師とともに既に巡回診療を実施している。本日5日第2次チームは既にジャカルタからパダンに移動した。パダンで第1次チームと合流し、巡回診療地に向かう予定。AMDAインドネシアからの外科医チームはパダン市のジャミールGeneral Hospitalで3日から手術室に支援に入っている。ここでのインドネシア支部医師からの報告により、ここでの整形外科手術後に必要なシーネ(患部の固定を行うための添え具)が不足していることがわかったため、急ぎインドネシア国内で調達することを決定した。また、AMDAインドネシア支部もさらに3名の医師(ハサヌディン大学病院所属)を5日派遣し、日本からの第1次、2次医療チームとパダンで合流した。
<第1次医療チーム/巡回診療/からの報告> パリアマン県の2箇所の村、カンポン コトとコロン パリットでインドネシア地元NGOのドンペットドゥアファとともに、巡回診療を実施した。各村約100人づつ200名以上を診察した。疾患は落下物や転倒による骨折や外傷、ショックによる頭痛やめまいなどの不定愁訴、喘息や肺炎とみられる呼吸器感染症、糖尿病、高血圧などの慢性病、緑内障・白内障が重度化したと見られる眼科疾患、腸内寄生虫疾患、皮膚病などであった。ことに小児には寄生虫による疾患が多く見られた。パダンからパリアマンに向かう地域には、無傷の家の方が少ないと思われる程の損壊の印象があり、まだ同地区には援助が入っておらず引き続き医療援助が必要と思われる。 |
パダン市建物被害 |
パリアマン市近郊、カンバンコト村 |
パダンのジェネラルホスピタルにて |
パダン・パリアマン県カンポンコト村での診療 |
パダン・パリアマン県
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コロン・パリット村での診療
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【日本からの派遣者】 いづれもAMDA ERネットワーク登録者 <第1次医療チーム> 津曲兼司(つまがりけんじ)医師(医)アスカ会 AMDA多国籍医師団上級顧問 /岡山市在住 光島宏美(こうしまひろみ) 医療調整員(医)アスカ会・老健施設すこやか苑 作業療法士/岡山市在住 2005年新潟中越地震緊急医療支援 <第2次医療チーム> 渕崎祐一(ふちざきゆういち)医師/内科/福岡市在住 1994年ルワンダ難民緊急医療支援活動 細村幹夫(ほそむらみきお)医師/内科/埼玉県・越谷誠和病院/越谷市在住 08年ミャンマーサイクロン緊急医療支援/06年ジャワ島中部地震緊急医療支援/03年イラン南東部地震 米田 哲(よねだとおる)医師/神経内科/群馬県立小児医療センター/群馬県渋川市在住/2001年カンボジア保健医療事業インターン 工藤(くどう)ちひろ 看護師/東京都目黒区在住 2001〜03年アフガン難民医療支援パキスタン事業 平井麗子(ひらいれいこ) 健康運動指導士/(医)アスカ会・アスカ国際クリニック/岡山市在住/青年海外協力隊マレーシア滞在(03年12月〜2年間) 【皆様からの募金を受け付けております】 ●クレジットカード募金: Give One(VISA、Master、ジャパンネット銀行): お問い合わせ:AMDAボランティアセンター |