ハイチコレラ対応 緊急医療活動開始 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ハイチコレラ対応 緊急医療活動開始

 12月7日12 時(ハイチ時間)にAMDA医療チーム(菅波代表、朴医師、松本看護師、ニッティアン調整員)はポルトープランスを出発し、15時半に活動拠点となるフォンテネグ市(Fonds-des-Negres)サルベーションアーミー病院(Salvation Army Hospital)に到着。所長から説明を受けた後、病院内を視察し、小型トラック2台分のAMDAの医薬品は、病院に寄贈した。[pagebreak]

 当病院ではこれまで16人のコレラ患者を診療し、そのうちの6人が現在入院している。今後はコレラ患者が増加しないように監視し、予防活動も行っていく予定。

 

コレラ患者の処置にあたる朴医師 現地通訳と一緒に対応にあたる朴医師
コレラ患者の処置にあたる朴医師 現地通訳と一緒に対応にあたる朴医師

 当初予定していたハイチ北中部のアルティボニット県・サンマルクへは、ニッティアン調整員が12月3日に出向き、現地病院とコレラ治療センターを視察。十分な医療サポート体制や薬品もそろっていたことから、ポルトープランスへ戻り、ハイチの医療団体やWHO・PAHO(汎米保健機構/WHOアメリカ事務局 The Pan American Health Organization)と協議し、フォンテネグ市のサルベーションアーミー病院で医療活動を行うことが決定した。

 この病院は、ポルトープランスから西に約120キロ、ハイチ南西部のニップ県(Nippes)ミラグワン郡(Miragoane)フォンデネグ市内に位置する。派遣者からの報告によると、同病院は充分な医療スタッフや医薬品を備えており、コレラのマネジメントも行きとどいている状態である。しかし、この病院にはコレラ患者が増えた場合に隔離するスペースがなく、AMDAと病院は病院内にコレラ治療センターを設立すべく準備している。

 12月2日にドミニカ共和国に到着した菅波医師と松本看護師は、3日から4日までサントドミンゴ駐在の森田調整員と共にドミニカ共和国の首都サントドミンゴで医薬品(段ボール箱324箱分)の調達や情報収集を行った。医薬品は、駐日ハイチ大使館と駐ドミニカ共和国ハイチ大使館の協力を得て、12月6日にサントドミンゴからポルトープランスへ陸路で輸送された。

 

医薬品を搬入する菅波医師ら 病院にて説明を聞く医療チーム
医薬品を搬入する菅波医師ら 病院にて説明を聞く医療チーム

 第3次医療派遣者として出発した山本医師は、12月8日18:20(現地時間)に経由地ニューヨークに到着した。12月8日深夜にハイチで大統領・国会議員選挙の結果発表があり、ポルトープランスをはじめハイチ各地で暴動が起こり、治安が急激に悪化したことから、山本医師をニューヨークで待機させている。治安が安定し次第、山本医師はニューヨークからハイチへ移動し、フォンデネグ市のAMDA医療チームと合流することになっている。