11月8日にフィリピン・レイテ島を中心として甚大な被害をもたらした台風３０号の被災者に対する緊急支援活動として、これまでに８名のスタッフを派遣した。[pagebreak]現在、チームはレイテ島（Leyte）、パナイ島（Panay）、マニラ（Manila）の3カ所に分かれ、マニラでは、レイテ島、パナイ島で活動するための、物資の購入や、調整業務を行っている。なお、パナイ島で活動中のチームはフィリピンのNGOで、アジア相互扶助ネットワークのメンバーでもあるPRRMの協力のもと、レイテ島で活動中のチームは、フィリピン海軍の協力のもと、支援活動を実施している。

【パナイ島からの報告：報告者　山崎看護師】
16日にマニラからネグロス（Negros）島でニーズ調査を実施。家屋などの被災状況は大きく、停電が続いており、台風の被害が無かったエリアでも、これまでレイテ島を経由して物流が行われていたため、物の価格が高騰し、住民を苦しめていた。さらに治安が悪化しているとの声も聞かれた。そこで、特に被害のひどかったエリアでの食糧支援物資の配布を実施した。しかしながら、徐々に他の団体による医療支援なども始まっており、物資も少しずつ届いていることが分かったため、17日には隣のパナイ島へ移動し、ニーズ調査を開始した。ネグロス島よりも、家屋などの被害が大きく、支援も不足していることから、パナイ島での活動を決定。AMDAインドネシア支部の医師、古城調整員も合流し支援物資の配布や医療支援活動を行っている。

【レイテ島からの報告：報告者　ウィルソン看護師】
18日にマニラからセブ島（Cebu）へ移動し、追加の支援物資などを調達。セブ島とレイテ島を結ぶフェリー乗り場は、レイテ島からセブ島へ逃げてきた人と、レイテ島へ支援に行く人でごった返していた。19日にレイテ島に到着し、オルモック（Olmoc）を拠点に医療支援活動や支援物資の配布を行っている。レイテ島では、徐々に医薬品などが届いているが、現在シラミが発生していて、大変な状況になっている。しかしながらシラミ対策の薬などが足りていない。また生理用品なども不足している。医療支援のニーズは高いため、引き続き医療支援を中心とした支援活動を継続していく。

なお、この台風３０号によるフィリピン全土での被害は死者４，０１１人、負傷者１８，５５７人。さらに行方不明者は１，６０２人と報告されている。約１０００万人、約２１４万世帯が被災しており、家屋の被害は６４万件を超えている。また１５２６カ所の避難所には３９万人以上が避難しており、避難所外で避難をしている人は４００万人を超えている。（フィリピン国家災害対策本部１１月２０日発表）

【これまでの派遣者プロフィール】
●Hamka Rani（27歳）
：AMDAインドネシア支部／医師／インドネシア在住（11/18〜）
●Asmuliadi Azis（27歳）
：AMDAインドネシア支部／医師／インドネシア在住（11/18〜）
●古城 デイジー (58歳)
：総社市教育委員会学校教育課外国語指導助手／調整員／倉敷市在住（11/18
〜）
●岩本 智子（29歳）
：ＡＭＤＡプロジェクトオフィサー／看護師／倉敷市在住（11/18〜）
●Wilson直美（39歳）
：看護師／オーストラリア在住（11/16〜）
●大政 朋子 (41歳)
：ＡＭＤＡプロジェクトオフィサー東北事業担当／調整員／石巻市在住（11/14
〜）
●Nithian Veeravagu（45歳）
：AMDA　緊急救援担当課長／調整員／岡山市在住　（11/14〜）
●山崎　希　(41歳)
：ＡＭＤＡプロジェクトオフィサー／看護師／岡山市在住（11/10〜）

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