ボスニア・ヘルツェゴビナ洪水 被災者に対する緊急医療支援活動2 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

ボスニア・ヘルツェゴビナ洪水 被災者に対する緊急医療支援活動2

5月21日に日本を出発して、トルコ、セルビアを経由して、22日にボスニア・ヘルツェゴビナのバニャルカ市(Banja Luka)に到着したAMDA岩本看護師は、AMDAボスニア支部の医師2名と合流し、被災地の訪問を行い、支援活動に向けたニーズ調査を行っている。[pagebreak]23日、最初に訪れたウルバス川(Vrbas)沿いの地区では水は完全に引いており、被災者の方々が自宅に戻り泥出しなどを行っていた。店舗などは少しずつ再開しているものの、橋や道路が壊れており、復旧のめどは立っていないという。建物には浸水の跡が残っており、浸水被害の大きさを物語っていた。


崩落した橋

一部が崩れた道路

さらに、24日にはバニャルカ市から車で30分ほどのチェリナック町(Celinac)とクルパ村(Krupa)を訪れた。いずれの町も浸水の跡は見られるものの、建物などへの大きな被害はなく、既に水は引いていた。

26日にはドボイ市(Doboj)を視察。これまでに訪れたどの町よりも被害が大きく、またこの地域は未だに非常事態宣言が撤回されていない。住宅のほとんどが2階の高さまで浸水しており、畑にも大きな被害が出ていた。店舗なども再開のめどが立っておらず、学校も未だ閉鎖している状況。水、電気などのライフラインは復旧しているものの「飲料水」として利用できる水ではなかった。続いて医療施設を訪問。市内の個人クリニックのほとんどが被害にあっており、再開のめどは立っていなかったが、ドボイ医療センターは被害を受けておらず、患者の受入れも可能な状況。洪水被害後には受診者数が増えたものの、特定の感染症が広がっている様子はない。またこの医療センターでは被災者のための食事の提供なども行っていた。さらに、自宅避難者で支援を受けに出られない個人宅を訪問。糖尿病により両足を失った高齢者、脳梗塞により歩行が困難になった高齢者など支援が必要あるにもかかわらず、教会や病院で食料などの支援を受けることができていない人々のために支援を行うことを決定した。


ドボイの町の様子

ドボイの町の様子

27日から支援物資を準備して、個別訪問を行い、食糧支援、診療、精神カウンセリングを行う予定にしていたが、大雨に見舞われ、ドボイへの道が寸断されたため、支援物資の準備を行った。天候が回復次第、再びドボイに移動して食糧支援や医療支援活動を行っていく。

なお、この洪水による被害は1894年の観測史上最悪となっており、ボスニア・ヘルツェゴビナだけでなく、隣国セルビアやクロアチアにも被害が及んでいる。3国を合わせた死者数は53人、避難者数は約99万人、被災者数は約313万人と報告されている。さらにボスニア・ヘルツェゴビナの被災者数は、同国の人口383万人のうち150万人。これは人口の39%が被災
していることを示している。(ACAPS:Assessment Capacities Project  5月23日発表)

■派遣者 プロフィール
岩本 智子 (いわもと ともこ)
AMDA国際部 プロジェクトオフィサー/看護師(米国資格)/岡山県在住

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