2010年度AMDAモンゴル国第二次眼科医療奉仕団 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

2010年度AMDAモンゴル国第二次眼科医療奉仕団

2010年度AMDAモンゴル国第二次眼科医療奉仕団

AMDAは、モンゴル国において白内障手術と眼鏡技術研修の2つの眼科医療奉仕事業を行っており、本年6月に第一次奉仕団を首都ウランバートルに派遣して手術と研修を実施しましたが、去る8月21日から8月25日にかけて第二次奉仕団を派遣し、前回白内障の手術を受けた患者さんへの術後検診とインタビューを行うとともに、強度の弱視の子供たちに適切な眼鏡を作る技術を指導しました。4名の奉仕団は、どの訪問先でも暖かい歓迎を受け、視力を取り戻したお年寄りや子供たちから喜びと感謝の言葉をいただきました。

特に印象的だったのは、術後検査に訪れた男性のお年寄り達が、日露戦争中のハルハ川戦闘(1938年)への功労者に与えられた勲章を身につけておられたことです。これは、白内障手術が、過去から学び世界平和に貢献するという「AMDA魂と医療のプログラム(ASMP)」の精神を実現するため、ハルハ川戦闘の関係者に提供されたためです。

一日目に、奉仕団はまず、ウランバートル市内ダンバダルジャー地区にある岡山後楽ライオンズクラブのメモリアルセンター周辺に住む、視力の弱い子供たちの検眼と、高齢者の健康診断を行いました。日本語に堪能なモンゴル人通訳者の活躍により、お年寄りたちからは昔話も飛び出すなどの和やかな雰囲気の中で、健康維持に関する的確なアドバイスを与えることができました。

翌日、ウランバートル市内の眼鏡店で、子供たちへの眼鏡の贈呈式が行われました。子供たちはみな、ものがはっきり見えるようになったと喜びの声を上げていました。

また奉仕団は、6月に白内障の手術を受けたお年寄りのうち3名のお宅を訪問し、術後の様子をお尋ねしました。どの方も経過は良好。お客をもてなすことを楽しみとするモンゴル人のご家庭らしく、奉仕団は地元の料理で歓待されました。目が見えるようになって本当に良かったと繰り返す90歳の女性は、奉仕団のためにボーズという羊肉入りの餃子を作って待っていて下さったとのこと。

奉仕団はさらに、第一次奉仕団が手術を行った国立第3病院で、前回手術を受けた方々への検診と健康診断を行いましたが、ここでも術後の経過はどの方も順調との所見を得ました。モンゴル側の主治医の先生が集まって簡単なセレモニーが行われたほか、メンバーが手術を受けたお年寄りへのインタビューを行い、和やかな交流の機会を持つことができました。

「たくさんの人を助けてあげてください」と83歳の女性から奉仕団にお言葉をいただくなど、白内障手術がモンゴルの高齢者に喜ばれたことが分かったのは、AMDAスタッフにとってこの上ない喜びでした。

 

尚、この事業は財団法人日本国際協力財団の助成を受けて実施されています。