第3回国際貢献医療フォーラム開催報告 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

第3回国際貢献医療フォーラム開催報告

「第3回国際貢献医療フォーラム」が2015年10月11日(日)午後1時から、岡山市北区奉還町1の岡山国際交流センター2階国際会議場で開催。約90人が参加しました。このフォーラムは、2013年12月の第1回から岡山県とAMDAが共催で開催しています。第3回目となる今回は「アジアの医療水準の実情と求められる医療協力における産学金官連携の可能性」を副題に掲げました。












開会にあたり岡山県足羽憲治副知事が、本フォーラム開催の果たす役割と重要性について述べられ、フォーラムがスタートしました。続いて日本バングラデシュ友好病院院長で、AMDAバングラデシュ支部長のサーダー・A・ナイーム医師の基調講演「これからの医療協力にもとめるもの 日本―バングラデシュの医療協力とその未来」ではバングラデシュという国と医療状況、さらに日本での留学経験を踏まえた帰国後の活躍、その裏には有償支援の存在が大きかったことが紹介されました。
引き続きの事例発表では、学術・産業・医療を代表する以下9人が登壇し、現状報告が行われました。

・岡山大学病院心臓血管外科・佐野俊二教授の「ベトナムでの医療活動第2幕―更なる展開―」。
・社会福祉法人旭川荘・板野美佐子理事の演題「中国における高齢者介護人材養成事業」。












・AMDAグループ・菅波茂代表の演題「AMDAの支援活動を通じて見える新たな医療協力」。
・AMDA社会開発機構・鈴木俊介理事長の演題「アジアにおける社会課題と保健医療サービスへのアクセス」。
・帝人ナカシマメディカル株式会社・中島義雄代表取締役会長の演題「タイテクニカルセンターの開設とタイ人向け人工関節の開発」。
・瀬戸健康管理組合研究所・麻田ヒデミ院長の演題「アジアでの総合健診車活用の可能性」。












・アイ・エイチ・ディ協同組合・小林眞弘理事長の演題「外国人技能実習生受け入れの現状と展望」。
会場には研修中のベトナム人実習生約20人も参加してくださいました。
・岡山県立大学保健福祉部・實金栄准教授の演題「連携大学との交流を通じて」について。
・岡山県立大学外国人客研究員・アルチャナ・シュレスタ・ジョシ氏(ネパール出身)の演題「日本での留学経験を活かした、母国での活動の可能性」。

事例報告を受け、引き続き行われたディスカッションで、司会・進行を務めた菅波から、「国際医療貢献フォーラムプラットフォーム化」への提案がありました。具体的には?日本の質の高い医療技術の継承と医師、看護師、介護士など担い手育成の支援体制づくり?現地での日本製医療器具の普及や促進など、産業界とタッグを組んだハード面の充実?それらを支える有償支援の必要性の3点。ナイーム医師が、母国での開院で経験されたことが反映される内容となりました。加えてネパール地震で緊急救援に参加された岡山市出身で福岡県でクリニックを開院された佐藤拓史先生と、岡山県医療推進課の則安俊昭課長からも提言がありました。ディスカッションの締めくくりとしてAMDAグループ代表・菅波は「医療や介護の分野でも、アジアは激動の変革期にある。岡山のみならず、日本として私たちが出来ることをこのフォーラムのプラットフォーム化を通じて提言していきたい」と抱負を述べました。

最後にフォーラムの締めくくりとして、座長を務められた代表世話人の佐野教授から、岡山県での取り組みが、今回提案されたプラットフォームづくりのモデルケースになりうる可能性について言及。第4回開催につながる提言が示され、閉会となりました。