フィリピン台風24号被災者に対するフォローアップ活動 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

フィリピン台風24号被災者に対するフォローアップ活動

10月18日にフィリピン・ルソン島に上陸した台風24号は、死者48名、負傷者83名、行方不明者4名。300万人以上が台風による被害を受けました(フィリピン国家災害対策本部11月3日発表)。パンガシナン州出身のAMDA協力者から支援要請を受け、AMDAでは21日に緊急支援の開始を決定。ルソン島西海岸に位置し、マニラからおよそ200kmの場所に位置するパンガシナン州リンガイェン町にAMDA看護師を派遣し、緊急救援として医療活動と食糧支援を行いました。

12月3日には緊急救援のフォローアップとして、AMDA看護師が再度、パンガシナン州リンガイェン町を訪れました。現地の協力者によると、水は完全に引いて、人々の生活が元に戻りつつあるも、支援が必要な地域もあるとの事でした。そこで現地のニーズにより前回、緊急救援活動を行ったアプラヤ(Aplaya)地区内にあるサンホゼ(San Jose)地域への井戸用手押しポンプ8個とパイプを購入し、AMDAが設置費用を負担することが決定しました。井戸の支援を行ったサンホゼ地域の人々は、以前、少しの雨でも洪水になるような場所に住んでいましたが、最近、地域住民ごとアプラヤ地区に移住して家を建て始めていたところに台風24号が襲いました。家の修繕に費用、労力、時間が掛かる中、地域で資金を集めて新しい井戸の設置を計画しましたが実現しませんでした。しかし、地域内の公共井戸では数が足りず、隣接する地域の知り合いの家まで井戸を汲みに行く家庭もありました。今回の支援により、井戸の数が増えることで、住民の負担も減り、水が十分に使えることで衛生状況の改善も期待されます。12月4日に行われた地域の集会で、AMDAから手押しポンプ8個をサンホゼ地域の会長に引き渡しました。会長からは、「少し早めのクリスマスのようだ。ありがとう。」という言葉をいただきました。

また、前回の緊急救援で支援を行ったもう一方のワワ地区も同日訪問し、ワワ地区の保健師にお話を聞くことができました。「実は、AMDAが緊急支援で来てくれたときに、私も支援を受けて本当にうれしかった。ありがとう。水が引いた後、畑にとうもろこしやなすを新たに植えた。」「台風がパンガシナンを襲ったときには、膝の高さまで家が浸水し、屋根が壊れ、家族で地区の避難所に避難した。食べ物がなかったから、自分が経営している“サリサリストア(小さな売店)”にあるものを避難者と分け合ってしのいだ。私はワワ地区の保健師だからみんなが困っていたら助けるのが当然。ただ、今でも私の家の屋根には穴が開いているけどね。」と明るく語ってくださいました。緊急救援時には、浸水していた道も今は完全に水が引いて、農作物も畑や田んぼに植えられており、復興してきている様子が見受けられました。