第27回ネパール医師会総会 特別記念講演 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

第27回ネパール医師会総会 特別記念講演

ネパール医師会の第27回総会が2016年11月10日から12日までネパールのダハラン市にあるビピコイララ医科大学で行われました。
2015年4月25日、ネパールで発生した大地震の後に精神疾患の患者が急増したため、アムダは日本医師会、ネパール医師会と共同で地震の影響を受けた10地域の医療従事者約400人に心理カウンセラー養成講座を実施しました。
受講生たちは、講習を受けた後、それぞれの地域に戻り、精神疾患で苦しんでいる患者にカウンセリングしながら治療を提供しました。[pagebreak]

11月10日に行われたネパール医師会総会の開会式でネパール医師会前会長アンジャニ クマル ジャ医師は、この業績を高く評価し、日本医師会の横倉会長とアムダの菅波代表へ感謝状が贈られました。
この開会式には保健大臣のガガン クマル タァパ氏が出席され、今後のネパールと日本は災害医療の発展のためにお互い手を結んで協力していきたいと話されました。

総会2日目の11日は、ネパール医師会からの要請を受け、菅波代表が特別記念講演を行いました。
菅波代表は講演の中で、「AMDA ネパール支部は、これまで多くの医師たちをアジア、アフリカそして中南米の人道支援プロジェクトに派遣しました。ネパール人医師の存在は多民族、多宗教、多文化などの多様性を実現する貴重な役割をはたしてくれました。昨年起きた地震の時にトリブバン大学教育病院の医師たちは300人の骨折患者の手術をネパール人医師たちだけでやり遂げ、ネパール人の医師たちの医療技術が大きく発展したことを証明し、「今日のネパールは昨日のネパールではない」というメッセージを世界に発信する大きな機会となりました。」とネパール医師の活躍を称賛しました。
また、日本政府は近い将来、巨大な津波が日本の太平洋沿岸地域を襲い、220兆円の経済的損失に加えて32万人以上の人たちが亡くなる被害を予想している事を説明し、そのような災害が発生した際には是非ネパール政府、ネパール医師会から医療チームを派遣してほしいと呼びかけました。
ネパール人医師たちもいつも日本からたくさんの支援をしていただいていることから、日本が困ったときには必ず助けたいと、暖かい賛同を送ってくれました。

菅波代表の特別記念講演のキーワードである「オープン総合扶助」のネパール語「エク アルカ ライ マダット ガロゥン」は参加者やほかの講演者が何度も繰り返し、今後は国内、国外での発生が懸念されている災害に向けて参加者全員の助け合う気持ちが一致した総会でした。