AMDAインターナショナルアジア地域支部長会議2016 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDAインターナショナルアジア地域支部長会議2016

2016年12月1日から2日間の日程で、AMDAインターナショナルアジア地域支部長会議がマレーシアの首都クアラルンプールで開催されました。会議には12ヶ国から総勢29名の支部長と関係者が出席しました。

会議の主眼となったのは、AMDAの世界に広がるネットワークをさらに拡大していく、相互扶助ミッション(Mission of Sogo-Fujo)構想についてです。AMDAは現在、この構想の下『世界平和パートナーシップ(GPSP)1』、『南海トラフ災害対応プラットフォーム2』、『アジア災害ネットワーク3』、『トリプルAパートナーシップ・プログラム(TAPP)4』を推進しています。[pagebreak]これらはいずれも“開かれた相互扶助”の精神を体現した取り組みで、今後のアムダの活動の中枢を成すものです。今回の会議では、これらの議題について深く議論が交わされました。

菅波茂代表の歓迎スピーチで幕を開けた会議では、まず、GPSPフィリピンのメンバー達ならびに2016年に誕生したAMDAシンガポールメンバーが紹介されました。その後、菅波代表は「今日から二日間の話し合いの中で、相互扶助ミッションを通して相互扶助の精神を今後いかに世界に広めていくか、皆さまのお知恵をお借りしたい」と参加者全員の協力を呼びかけました。

AMDAは各支部と現地パートナーと協力して、これまでに世界各地で170を超えるプログラムを行ってきました。菅波代表は、より多くの団体と協力できれば、より多くの人のお役に立つことができる点を強調し、今後のAMDAの方向性を決定づける以下の四つのプログラムを新たに紹介しました。

活発なディスカッションの後、会議は「相互扶助ミッション宣言」を採択して閉幕しました。「相互扶助ミッション宣言」は、参加した支部長とGPSPフィリピンのメンバー全員が署名をして一部ずつ各参加者に配られました。

1.世界平和パートナーシップ(GPSP)

GPSP「世界平和パートナーシップ」とは、人道支援におけるAMDAの新しい総合事業です。
「開かれた相互扶助」に基づく広範かつ総合的なネットワークをベースに、和平構築、包括的生活支援、教育支援、健康増進に及ぶ4つの分野を総括していきます。AMDAの30年間の経験を集積した構想であり、将来への指針となるものです。

「開かれた相互扶助」、「パートナーシップ」、「ローカルイニシアチブ」という3つのコンセプトの下、これに賛同するプロジェクト実施パートナーと支援者が一丸となり持続可能で平和な社会を実現していくための包括的枠組みです。

2.南海トラフ災害対応プラットフォーム

今後数年以内に高い確率で発生することが予想されている南海トラフ大地震に備え、AMDAは『南海トラフ災害対応プラットフォーム』構築を進めてきました。今回の会議は、その進捗状況を報告する絶好の機会となりました。プレゼンテーションの中で、菅波代表はこの未曽有の災害に対し、AMDA本部が各地方自治体や医療機関と緊密に連携を図っていることを説明しました。

3.アジア災害ネットワーク

災害発生時において重要な役割を果たすもう一つの枠組みがアジア災害ネットワークです。菅波代表は、政府、NGO、医師会が持つそれぞれの強みについて言及し、この三つの組織がそれぞれ連携していくことこそ、発災時の円滑な救援活動を可能にすると述べました。

4.トリプルAパートナーシップ・プログラム(TAPP)

トリプルAとは、AMDA、AMSA(アジア医学生連絡協議会)、AMSA Alumni Club(AMSA OB会)を指します。このプログラムは、AMDAの人道支援分野における三十年以上の知識、技術、経験を次世代に引き継いでいくことを目的としています。この三つの組織が連携することで、医学を志す若者に、人道支援に携わる機会を与え、実学の機会を提供していきます。