吉備高原学園高等学校で講演会 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

吉備高原学園高等学校で講演会

プロジェクトオフィサー 橋本 千明

 

講演を行う小池ボランティアセンター名誉顧問

岡山県吉備中央町の吉備高原学園高等学校で2018年6月9日、AMDAボランティアセンター名誉顧問小池彰和が講演を行いました。

この講演会は、吉備高原学園高等学校PTAの後援事業の一環として行われ、全生徒、保護者、教職員約600名に聴講頂きました。

吉備高原学園は、岡山県と民間の教育機関で構成された学校法人が運営する学校で、全寮制が大きな特徴です。不登校等で思うように中学校へ通えなかった人や高校を中途で退学した人たちもこの高校に入学し、再チャレンジを応援する学校です。
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副校長の陣内清春先生はこの学校と本日の講演会について「100人いれば100通りの事情を持った生徒たちですが、生活を規則正しくすること、寮生活の中で各自清掃や当番など明確な役割を持ち成功体験を重ねることで自信をつけていきます。入学前から比べると見違えるように変わっていく生徒の姿に、保護者の方も驚かれる。子どもが変われば親も変わります。そんな生徒と保護者の皆にAMDAからボランティアのあり方を伝えて頂きたかった」と語られていました。

講演を聞く、保護者と生徒たち

学校内の様子

小池の講演要旨は、以下の通りです。

国際協力というと一般には援助を求める海外の国々に対し支援の手を差しのべること、つまり、一方向的な援助活動と思われがちであるが、正しくは双方向的な活動である。

現に日本は海外援助大国と言われ、2014年度のODAは約158億ドル、国連分担金は今年度予算で約2億3千5百万ドル、いずれも米国に次いで世界第2位とされている。

しかしながら、1945年敗戦後の日本は米国による本土空襲の戦火に見舞われて見るも無残な有様となり、特に都市生活は困窮を極めた。このさなかにあって米国を始めとする占領軍は日本国民を飢えと疫病から守るため未曾有の規模で援助物資を投入してきた。食糧,衣料、医療面のみならず、世銀の有償無償融資、米国への留学生招聘などなど援助は多岐に及んだ。(日本の底力を示す一例として、「傾斜生産方式」に触れた。詳しくはネットで調べてほしい)

このような国際的援助の下で日本は戦後復興に専念することかできた。また、世界に例を見なかった新幹線の技術は、世銀融資のお陰で、戦後19年の短期間で東京・大阪間を完成させ、1964年の東京オリンピックで世界の耳目を集めた。さらに、阪神淡路大震災と東日本大震災時に寄せられた海外からの援助も説明しておく。

要は、エネルギー、天然資源、食糧など生活物資を海外に全面的に輸入に依存せねばなら
ぬ日本の宿命は、海外諸国と友好的に相互扶助の協力関係を構築し、世界の平和に貢献することこそ日本が生きてゆくための唯一の選択肢である。

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ここでAMDAの概要を説明する。資料としては時間の制約もあり、1)人道援助の3原則、2)国連総合協議資格、3)海外支部との多国籍医師団、4)パートナーシップの重要性、5)ネガティブとポジティブリスト、6)幸せの方程式、に止めて、現在の活動の一として南海トラフ対策とロヒンギャ難民を説明する。

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結びとして、ボランティア活動のあり方、注意点を述べ、ボランティアの楽しさ・無償の幸せを、無理なく、できる時に、味わわれるよう勧めた。