AMDA速報14 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動 – AMDA(アムダ)
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特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDA速報14 西日本豪雨災害被災者緊急支援活動

7月20日、豪雨災害から2週間となった今日もAMDAは総社市および倉敷市真備町の避難所を中心とした医療・健康支援活動を継続している。

 

「今日はゆっくり眠れそう」 マッサージおよび災害鍼灸を取り入れた被災者の健康支援プログラム

(倉敷市真備町:倉敷市立岡田小学校敷地内 倉敷市立岡田幼稚園)

 

19日には7人にマッサージの施術、18人に鍼灸治療を行うことができた。
利用者の中には毎日のように訪問してくださる方もあり、憩いの場ともなっている。またからだの痛みが大きく、体中に湿布を貼って寝たが、寝付けなかったという患者(70代・女性)は、マッサージの施術を受け、「心身ともにほぐされた気持ち、今日はゆっくり寝られそう」と笑顔を見せてくれた。
また前日に初めて鍼治療を受けた患者の一人が、その効果を実感し3人の息子さんを連れて再来するということもあった。
3人の息子さんは10代と20代。それぞれの問診では大きな痛みや主訴となるものはなかったが、実際に鍼灸師が鍼治療を行うと、疲労が強く体に出ていることがわかった。[pagebreak]

2016年の熊本地震と、今回の西日本豪雨被災地支援活動にAMDA災害鍼灸チームの一人として参加してくださった藤田鍼灸師(呉竹学園 東京医療専門学校)によると「熊本地震の際には本震が大きな余震の後に発生したり、断続的な余震があったことで、被災者の方は体の痛み以上に、不安を訴える方が多くおられたのが印象的だった。今回の西日本豪雨被害では、豪雨被害の後は、晴天が続いていることもあり、さらなる水害への心配というより目の前の片づけ、復旧に追われている様子で不安感より、体の痛みを訴えられる方が多い印象。また4月に発災した熊本地震とは異なり、7月の災害。このような猛暑の中の避難生活や復旧活動で、疲労の度合いも高く、脱水症状のような方も見られる。」とのことだった。

気持ちが張り詰めていて、脱水や疲労の症状に気づかない方も多く見受けられるため、今後もより一層の注意をもって活動にあたっていく。
そのほかにも、腰痛、疲労、不眠などを訴える方が多く、マッサージや鍼灸治療を行った。
マッサージも鍼灸治療も、ゆっくりと一人の患者に時間をかけて、体の状況を診ながら施術を行う。
このことが、患者が気持ちを吐露する場ともなっていると感じている。

なお、19日までマッサージと鍼灸治療の施術室として利用していた幼稚園の一室が、子どもたちの預かり保育が再開することを受け、本日20日には午前中から診療スペースの移動・再設営を行った。新たな場所は岡田小学校のひまわり教室の一角。午後からはマッサージ、鍼灸治療の施術を再開した。21日以降も活動を継続していく。

 

「避難者の方の心身の健康を守る」 避難所での生活をサポートする 健康支援プログラム

(総社市真壁:勤労者総合福祉センター・サンワーク総社)

 

19日も引き続き、サンワーク総社での健康支援プログラムを継続しており、AMDA医療チームが約10人の方への対応を行った。
またAMDA保健師1名と調整員1名や、自治体の保健師などが連携して要望をあげていた介護用品であるシャワー椅子が到着して、1週間以上入浴ができていなかった方が介助付きで入浴することができた。
入浴できたことで、気持ちがスッキリとして、前向きな行動や、発言が見られるようになり、避難所生活での「入浴」の重要性を認識することとなった。
そのほかにもスポーツドリンクや塩分補給用のタブレットを熱中症対策のセットとして配布したところ、非常に要望が高く、あっという間に配布終了となった。また積極的な体操への促しが実を結び、いつもより多くの方が参加してくださった。その他、日中の見守り、声掛け、体操への促し、食事に関するアドバイスの他、避難所の衛生環境の整備、健康相談、介助などを行っている。
なお、同避難所には現在も20世帯54人が避難している。(19日時点)。本日20日も同避難所での健康支援を実施した。
 

なお、活動に際してはAMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム*協力自治体である黒潮町、協力団体である生活協同組合おかやまコープ様などからもスタッフの派遣協力をいただいている。

*当プラットフォームは、AMDA、岡山県、香川県、高知県、徳島県の協力自治体、協力医療機関と企業などにご参加いただいて、南海トラフ災害が発災した際、協力して被災地支援を行っていく体制のこと。

派遣者一覧

■協力機関等からの派遣者(7月19日 総社市) *職種別五十音順

・伊賀 未来(いが みく)保健師/ AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム協力自治体・黒潮町職員/36歳
・安川 篤子(やすかわ あつこ)調整員/生活協同組合おかやまコープ/47歳
・竹久 佳恵(たけひさ よしえ)調整員/AMDA社会開発機構(AMDA-MINDS)/43歳

■協力機関等からの派遣者(7月19日 倉敷市真備町) *職種別五十音順

・鈴記 好博(すずき よしひろ)医師/AMDA緊急救援ネットワーク/52歳
・森 將晏(もり まさはる)医師/AMDA参与/71歳
・相羽 亜紀子(あいば あきこ)看護師/AMDA兵庫/43歳
・谷口 剛志(たにぐち たけし)鍼灸師/明治国際医療大学はりきゅう学講座/43歳
・藤田 洋輔(ふじた ようすけ)鍼灸師/呉竹学園 東京医療専門学校/38歳
・山口 大輔(やまぐち だいすけ)鍼灸師/朝日医療大学校鍼灸学科/45歳
・中村 宥海(なかむら ゆうかい)調整員/地元ボランティア/47歳

■本部からの派遣者(派遣順)

・ 難波 妙(なんば たえ)調整員/AMDA本部職員/総社市在住/55歳
・橋本 千明(はしもと ちあき)看護師/AMDA本部職員/岡山市在住/38歳
・神倉 裕太郎(かみくら ゆうたろう)調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/26歳
・岩尾 智子(いわお ともこ)看護師(米国資格)・調整員/AMDA本部職員/岡山市在住/34歳
・ 大西 彰(おおにし あきら)調整員/AMDA本部職員/50歳
・ クリス バーフット 調整員/AMDA 本部職員/岡山在住/26歳

 

【皆様からの募金を受け付けております】

■郵便振替
口座番号:01250-2-40709 口座名:特定非営利活動法人アムダ
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■PAYPAL・クレジットカードでの募金も受け付けています。詳細はホームページをご覧ください。

なお、ご寄付指定いただいた緊急救援活動の寄付総額が、その活動の支出経費を超えた場合には、
他の緊急救援活動に充当させていただくことがあります。ご了承をお願いいたします。

【お問い合わせ】

AMDAボランティアセンター
〒700-0013 岡山市北区伊福町3-31-1
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