AMDAが第5回南海トラフ災害対応プラットフォーム調整会議 “災害医療機動チーム構想”を発表 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

AMDAが第5回南海トラフ災害対応プラットフォーム調整会議 “災害医療機動チーム構想”を発表

広報担当参与 今井康人


国内外の産官学民で組織する「AMDA南海トラフ災害対応プラットフォーム」の第5回調整会議が24日、岡山県立大学(総社市窪木)で開かれ、約250人が出席。行政や医療機関、陸上自衛隊、海上保安部などが想定される被災と準備状況、訓練の内容などを報告し、AMDAの菅波茂理事長が“災害医療機動チーム構想”を明らかにしました。[pagebreak]

議長団は総社市、丸亀市、赤磐市と岡山経済同友会の各代表、菅波理事長で構成。ゲストとして草加忠彦・岡山県医療推進課長、辻英明・岡山県立大学長、岩本一壽・岡山県済生会支部長、そして岡山済生会総合病院で研修中のベトナム国防省175軍病院の医師らを紹介しました。

続いて「西日本豪雨に学ぶ〜相互扶助の具現化」をテーマに、毛利好孝・備中保健所長、河田秀則・総社市危機管理室長と浸水被害を受けた「まび記念病院」の村松友義院長、吉備医師会の浅野直院長らが活動内容を報告。被災地には珍しい総合検診車の導入を評価する声や、保健医療の早期再開の重要性を訴える意見が出ました。


AMDA災害鍼灸ネットワーク世話人会の今井賢治・帝京平成大学教授は「被災者には一時的な医療では補えない。心のケアを含め総合的な対応が必要」と災害鍼灸の重要性を訴えました。

南海トラフ地震について、AMDA本部職員は内閣府の発表を基に「推定死者32万人、被害金額は国家の年間予算の2倍以上の215兆円にのぼる恐れがある」と指摘。事前の備えで被害を最小限に抑える必要性を強調しました。

被災地に予想される徳島県、高知県や支援に回る各自治体が取り組みの状況を説明。「津波タワーの設置や学校、病院の高台移転、自主防災組織の設置などを進めている」としました。

日頃の訓練内容については、ホウエツ病院(徳島県美馬市)の林秀樹院長をはじめ、自衛隊第13旅団、水島海上保安部の代表が報告しました。

水島海上保安部からのご参加

菅波理事長は今後の展開として、診療や調剤といった機能を持つ車両10台程度がそれぞれ各チームに同行する「AMDA災害医療機動チーム構想」を示し、武元義和・株式会社ソーデン社顧問より企業としての被災地での活動の取組などの発表をされました。

友實武則赤磐市長が調整会議を総括、田原隆雄備前市長が閉会のあいさつをしました。

岡山県立大学と順正高等看護専門学校、福山市医師会看護専門学校の学生合わせ約100人もメモを取りながら熱心に聞き入っていました。

調整会議は2015年から南海トラフ地震を想定して開き、今回で5回目です。