野兎病の症候


 野兎病は、感染形式によって症候を整理すると、理解し易い。但し、悪性腫瘍やHIV感染症のような免疫不全に陥った者では、予想し難い症候となることに注意。
発熱、悪寒、頭痛、倦怠感は一部のリンパ節型を除いて必発するが、軽微なこともある。
Type1型の暴露では、経皮的には10-50個、吸入の場合には1億個の暴露で発症すると考えられる。

感染型 眼リンパ腺型 耳咽喉リンパ腺型 類チフス型 胸膜肺型 リンパ腺型 リンパ潰瘍型
主な感染様式 飛沫暴露、汚染手指に
よる擦り目
咬傷・血液暴露
経口摂取、吸血
経口摂取 飛沫吸引 咬傷・血液暴露、吸血 咬傷・血液暴露、吸血
愁訴 流涙、有痛性眼部腫脹 有痛性咽頭頸部腫脹 腹痛・嘔吐・下痢 咳、呼吸速迫 有痛性リンパ節腫脹 有痛性リンパ節腫脹
理学所見 結膜充血 所属リンパ節腫大 速脈・血便(-) 肺胸膜縦隔炎像 所属リンパ節腫大
皮膚所見(刺し口)なし
所属リンパ節腫大
皮膚所見(+)
臨床上の鑑別診断 その他結膜炎、異物
シャーガス病
腫瘍、伝染性単核症 コレラパラチフス 他の呼吸器感染症 ペスト、ねこ引っ掻き病
スポロトリコーシス
皮膚粘膜リーシュマニア黄色
ブドウ球菌・肺炎球菌感染症



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