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舌虫症(linguatuliasis, linguatulose)


Linguatula serrata(またはL.rhinaria、舌状虫)は世界中にいるが、中欧、中近東、ブラジルでよく見られる。成虫の大きさは1-2cm で、トタンのような波型で、《小さな舌》のような形をしており、イヌ、キツネ、オオカミの鼻腔に生息している。胎虫包蔵卵はイヌ科動物の鼻粘液から排出され、草木に付着し、草食動物(ウマ、ヒツジ、カイウサギ、ノウサギ)に摂食される。これらの消化管内で発育した後、幼虫は血行性、リンパ行性に腸間膜リンパ節、肝へ移行し、肺で若虫となり被嚢する。感染した草食動物を肉食動物が食べて、そこで成虫となる。 ヒトの舌虫幼虫症は、L.serrataの卵を野菜ごと摂食するか、感染したイヌと接触して生じる。肝、腸間膜リンパ節、肺で被嚢したままの幼虫は、通常よく生き続ける。何例かでは遷延性黄疸、気管支閉塞、脳の圧迫、緑内障を認めたり、小脳や前眼房に幼虫を検出している。
ヒトの舌虫症(halzoun*)は、近東(レバノン、シリア)と北アフリカでよく見られる。これはLinguatula serrataの幼虫をもったウマやヒツジの肝やリンパ節を生で摂食して起こる。摂食後、幼虫は胃内で若虫に変態し、鼻咽頭に上行して吸着する。咽頭のヒリヒリ感、嚥下障害、発声困難は稀で、時おり呼吸困難や鼻出血を認める。
診断は問診と耳鼻咽喉科的な検査で容易につく。予後は通常よい。アルコールを混ぜた嗽をし、局所麻酔をかけ、虫を摘出すると、治癒が早められる。 *以前は生の肝臓の摂食によるFasciola hepatica(肝蛭) などの大型吸虫の寄生(吸虫症 の項を見よ)が原因、と誤って考えられ、咽頭ジストマと称されていた。

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