腎症候群性出血熱の診断と治療


 発熱期の患者はIgM特異抗体を有しているので、ELISAまたはIFAキットが利用出来れば、容易に診断可能。血液生化学では白血球増多、血小板減少、ヘマトクリット上昇、蛋白尿、尿中窒素増多が診断の方向づけに役立つ。レプトスピラ症との鑑別が重要。
 虚脱から乏尿期の全身管理が予後を左右する。利尿昇圧剤を積極的に利用し、利尿期に導入できるかが鍵。いったん利尿が付けば、1日尿量は3-6Lと多尿ぎみとなる。完全に回復するまでに、数週間を必要とする。
 なお、Hantaanウイルスはバイオセーフティーレベル3に指定されている強毒ウイルスである。特殊な事情がない限り、患者は医療設備の整った施設へ転送すべき。


熱帯医学データベースに戻る

AMDAホームページに戻る


      このページはAMDA学術委員会により作成されました。

            お問い合わせはmember@amda.or.jpまでお願いいたします。