受傷後の予防でもっとも重要なことは、受傷部を直ちに流水で洗浄することである。石鹸や消毒剤があれば、これらも利用する。これだけでも侵入ウイルス量を大幅に減らすことが出来る。抗生剤や破傷風の血清毒素がしばしば必要となる。
受傷部の組織が遊離してしまう場合や大量の出血が生じた場合を除いて、原則として患部縫合は行わない。アルコール綿やイソジンで塗布してガーゼで押さえる程度が良い。どうしても縫合が必要な場合でも、緩めにして患部からのドレナージが妨げられないようにする。
免疫学的な予防法として、抗狂犬病免疫グロブリンと狂犬病ワクチンの接種を行う。その際に、狂犬病の予防接種歴を問診することが重要。
一般的な予防接種のスケジュール
受傷後 なるべく早く+ |
免疫グロブリン 20IU/kg* 狂犬病ワクチン1.0ml, 筋注 |
3日後 | 狂犬病ワクチン#1.0ml、筋注 |
7日後 | 狂犬病ワクチン1.0ml, 筋注 |
14日後 | 狂犬病ワクチン1.0ml, 筋注 |
28-35日後 | 狂犬病ワクチン1.0ml, 筋注 |
抗血清とワクチンの使用基準については、CDCの1996年版勧告も参照されたい。
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